伊藤万理華がちまちま可愛い(パーセントの感想)
単発の「特集ドラマ」だっけ?と思ってしまうNHK的な啓蒙くささは、あえてそこから始めたものではないかと想像する。
セクシー田中さんの調査報告書が飛び交う昨今、ドラマ制作の裏側を描いたものとして、期せずして啓蒙的名ドラマとなった。
朝ドラの演出でよく名前を見る安達もじりが制作統括になっている。
4話なので、まっすぐ起承転結で遊びのないストーリーなのが物足りないが、連ドラとして楽しめた。
ハル役の和合由依という子はオーディションで抜擢とのことだが、初話で、後ろ姿だけで(しかも車椅子に座ったまま)芝居をするという難度の高い演出があり、なかなかの見ものであった。
ヒロインは「燕は戻ってこない」で気になった伊藤万理華。顔の作りがちまちましていて可愛く、悩んでいる顔が良かった。
パーセント 見どころ
「多様性」について考えるきっかけを与えるドラマ。
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「多様性」というテーマの深掘り
テレビ局が「多様性月間」と称して、障害のある俳優を起用したドラマを制作しようとする過程が描かれ、単に「障害者」を登場させれば多様性が実現されるのか、という疑問を投げかける。
リアルな葛藤とすれ違いの描写
新人プロデューサー・吉澤未来(伊藤万理華)は、念願のドラマ制作に関われるものの、障害のある俳優・宮島ハル(和合由依)と出会い、理想と現実のギャップに直面。ハルは「障害を乗り越える」といった美談を嫌い「障害者が何かしら壁を感じる時、社会のほうに問題がある」と訴える。当事者のリアルな声と、善意ではあるが時にずれてしまう健常者の認識との間の葛藤やすれ違いが丁寧に描かれている。
当事者である俳優たちの説得力ある演技
車椅子ユーザーの和合由依さんをはじめ、多くの障害のある俳優を起用。単なる「役」としてではなく、自身の経験や思いが演技に反映されている姿が強い印象を与える。ハルの真っ直ぐな言葉や、劇団員たちの個性豊かな演技は必見。
「バリバラ」制作陣が手がける野心作
Eテレの「バリバラ」制作チームが手掛けており、多様性に関する知見や、既存の枠にとらわれない表現が見られる。感動や美談で終わらせず、社会の構造的な問題や、当事者が直面する困難を率直に描く「攻めた」内容。
伊藤万理華さんの成長と葛藤の表現
伊藤万理華さんが新人プロデューサーを好演。繊細な表情の変化や、葛藤を抱えながらも前向きに進もうとする姿が見どころ。
共感と議論を呼ぶメッセージ
「多様性」という言葉が持つ複雑さ、それを実現する難しさ、それでも諦めずに人と向き合うことの大切さが描かれた。
パーセント あらすじ
ローカルテレビ局「Pテレ」のバラエティ班で、雑多な仕事をこなす多忙な日々を送る吉澤未来は、自身のドラマを制作することが夢で、ドラマ班への異動を希望して何度も企画書を提出していた。
そんなある日、編成部長から未来の企画が採用されるが、局では「多様性月間」というキャンペーンを打ち出しており、その一環として、主人公を障害者にするように求められる。いつの間にか企画は「障害のある俳優を起用する」という条件付きとなって進んでいく。未来は困惑しながらも、企画の成立のため必死に取材を進め、俳優を目指す車椅子の女子高生・宮島ハルに巡り会う。未来はハルに出演を依頼するが、ハルは障害を利用されたくないと反発し最初は拒否したが、やがて未来とともにドラマの世界に飛び込んでいく。そんな2人が性別や障害で語られる自らの「価値」について悩みながらも、互いの存在に力をもらって少しずつ前へ進んでいく。
パーセントを見るには?
パーセントのキャスト
吉澤未来 – 伊藤万理華
宮島ハル – 和合由依
■Pテレ
蘆田孝雄 – 結木滉星
羽座丘卓 – 小松利昌
植草秀樹 – 山中崇
藤谷光彦 – 橋本さとし
長谷部由美 – 水野美紀
■劇団「S」
高木圭介 – 成木冬威
河上由里子 – 水口ミライ
野々村輝子 – 河合美智子
斉藤誠 – はしぐちしん
北見裕子 – 森田かずよ
三橋典子 – 中川圭永子
メタル – チタンヘッド
坂本正人 – 梅林亮太
鈴木双葉 – 立川茜
みどり – 藤原ももな
■未来の関係者
町田龍太郎 – 岡山天音
小早川新太郎 – 菅生新樹
宇佐美のどか – 余貴美子
滝沢京子 – 中川わさ美
■ハルの関係者
加藤珠 – 山下桐里
宮島さくら – 菊池亜希子