映画1970年代の映画1976年の映画

マラソンマン

4.0
マルト・ケラー(マラソンマン) 映画
マルト・ケラー(マラソンマン)
マラソンマンは、1976年のアメリカ合衆国のスリラー映画。原題は「Marathon Man」。監督はジョン・シュレシンジャー、出演はダスティン・ホフマンとローレンス・オリヴィエなど。ウィリアム・ゴールドマンの同名小説の映画化。原作者のゴールドマンが脚本も兼ねたので原作に忠実に描かれている。
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マラソンマンの感想

76年の映画で公開当時にそれなりに話題になったのは覚えているが、初見。これは面白かった。

ナチの残党という設定にリアリティがあった70年代のNYが舞台。アウシュビッツ=ビルケナウの悪魔歯科医を演じるのがローレンス・オリヴィエ。「安全か?(Is it safe?)」という意味不明な詰問を繰り返した後で、ダスティン・ホフマンを歯医者式に拷問するのが不気味である。ラスト近く、ウィリアムズバーグの雑踏でいきなり手首に仕込んだナイフを繰り出したりする大時代な演出も楽しい。

ホフマンとジョン・シュレシンジャーといえば「真夜中のカーボーイ」以来ということになるのか。

マルト・ケラーという女優は、実は本当はスイスの人なのだが、非常にあっさり死体になってしまう。

どこでどういうふうに終わるかわからない、先の読めない映画だった。

マラソンマンの見どころ

  1. 1. 天才 vs サディスト、凸凹の心理戦
    歴史学の大学院生・ベイブ(ダスティン・ホフマン)は、秘密諜報員である兄の知られざる過去に巻き込まれ、元ナチスの悪魔的殺人医クリスチャン・ゼル(ローレンス・オリヴィエ)に追い詰められる。卓越した緊張感と駆け引きが続く心理戦に息が詰まる。
  2. 悪名高き“歯科拷問シーン”
    悪役ゼルの代表シーン。拷問椅子に縛られたベイブに歯科器具を突きつけ、繰り返し問いかける「Is it safe?(安全か?)」の不気味さはトラウマ級の緊張感。映画史に残るホラー級クライマックスとも言える名場面だろう。
  3. 逃亡劇とアクションの見事な融合
    平凡な学生だったベイブが、兄の死をきっかけに政府の陰謀と悪の追跡から逃げ回る展開が、単なるスリルではなく“走る”というタイトルに込められたリアルな肉体性にも迫る。
  4. スター共演と名作脚本
    主演はダスティン・ホフマン(『卒業』など)、対する悪役はローレンス・オリヴィエ(『ハムレット』など)、さらに兄役にロイ・シェイダー、ヒロインにマルテ・ケラーなど強力キャストが勢ぞろい。脚本は『ブッチャー・ガニ』など脚本の鬼才ウィリアム・ゴールドマンが担当し、緻密なプロットとキャラクター構築が光る。
  5. 主題と背景――正義・復讐・歴史の亡霊
    物語を通じて、父の名誉を汚した戦争犯罪、McCarthy主義のトラウマ、国家と個人の倫理などが絡み合い、エンターテイメント以上の社会的・哲学的深みを呈している。

マラソンマンのあらすじ

NYでドイツ人とユダヤ人の自動車事故が発生し、運転者2人が死亡。その一人、ドイツ人クラウス・ゼルは元ナチ党員の兄だった。実業家ドクはホテルで殺害され、その弟ベーブは兄の死の真相を探る。ドクは第二次大戦中にユダヤ人から巻き上げたダイヤモンドを銀行から引き出す役を請け負っていた。ベーブはゼルの仲間や政府関係者ジェインウェイに追われながら、ゼルの正体を暴こうとするエルザという女性がベーブを助けようとするが、彼女もゼルの仲間だった。最終的にベーブはゼルを追い詰め、ダイヤモンドを捨てさせ、ゼルは事故で死亡する。ベーブは銃を捨て、マラソンコースを歩いて去る。

マラソンマンを観るには?

マラソンマンのキャスト

ベーブ・レヴィ – ダスティン・ホフマン
クリスティーン・ゼル博士 – ローレンス・オリヴィエ
ドク・レヴィ – ロイ・シャイダー
ペーター・ジェインウェイ – ウィリアム・ディヴェイン
エルザ・オペル – マルト・ケラー
ビーゼンタール教授 – フリッツ・ウィーヴァー
カール – リチャード・ブライト
エアハルト – マーク・ローレンス
メレンデス – ティート・ゴヤ
マリクレール – ジャック・マラン

マラソンマンのスタッフ

監督 – ジョン・シュレシンジャー
脚本 – ウィリアム・ゴールドマン
原作 – ウィリアム・ゴールドマン
製作 – ロバート・エヴァンス、シドニー・ベッカーマン

『マラソンマン』は、スリラー映画の古典とされる名作です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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マラソンマンの原作


アウシュヴィッツ強制収容所の元ナチス親衛隊の歯科医セル博士(現在ウルグアイ在住)が、必要があって米国の銀行から多量のダイヤモンドを内密に国外に持ち出そうとした。この試みは結果として秘密情報機関(暗号名「師団」)が関係したものであった。この企てに、コロンビア大学でマッカーシズムを研究しているマラソン好きの大学院生・ベーブが巻き込まれていく。
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