グランドキャニオンの対決

ビクトリア・ショウ(グランドキャニオンの対決)
ビクトリア・ショウ(グランドキャニオンの対決)

アクション映画の名匠ドン・シーゲルが雄大な自然で描く1959年の犯罪サスペンス。グランド・キャニオンの断崖に発生した謎の殺人事件を追求するハイウェイ・パトロールの活躍を描く。ベン・マークソンとナット・スウェンソンのオリジナル・ストーリーをリチャード・コリンズとスウェンソンが共同で脚色、「殺し屋ネルソン」のドン・シーゲルが監督した。撮影は「コルドラへの道」のバーネット・ガフィ、音楽をダニエル・アムヒシートロフが担当。出演は「マラカイボ」のコーネル・ワイルド、「愛情物語」のヴィクトリア・ショウ、ほかにミッキー・ショーネシー、エドガー・ブキャナン、ライアン・ガリックなど。製作ケンドリック・スウィート。

グランドキャニオンの対決のあらすじ

アリゾナ州グランド・キャニオン、1万フィートの断崖にはケンドン鉱業会社の金鉱石運搬用のケーブルがかかっていた。街道に1台の自動車がやって来て降りた男を、暴走する車が殺そうとするが、男は身をかわし車は谷底へ。
鉱区管理人エリの小屋で倒れていた男の知らせで、警官レス(コーネル・ワイルド)がやって来た。彼は途中で鉱業会社の前社長の娘ジャニース(ヴィクトリア・ショウ)をスピード違反で取り調べたが、レスが小屋に着くと、男は死んでいた(断崖でひき殺されそうになった男だった)。
峡谷からの帰途、レスがスコッティの酒場に寄ると、ジャニースの弟ボブが酔っぱらっており、何かスコッティと不審な関係がある様子。
多額の金を抱えたリチャードの死体が谷底で発見された。エリも小屋で何者かに殺された。
レスは州検事局から事件の解決を督促され、ジャニースは彼女は殺された男の服を見て、かつてニューヨークである教授が着ていたものと同型なのを思い出したことから、男が鉱業会社の副社長ランダルと判明。
ジャニースは挙動が不審な弟に会いに行くと、1人の男がボブを待っていた。彼は鉱石と一緒に逃亡を企んでいた。この男こそリチャードと組んだ事件の張本人のスコッティだった。彼はボブを射殺し、ジャニースの車で逃亡。レスはパトロール・カー、ヘリコプターを動員して追跡した。追いつめられたスコッティはケーブルのバケットに乗り、対岸に逃げた。レスも後を追い、1万フィートの上空に死闘が展開する。力尽きたスコッティは遂に谷底に落ちた。

グランドキャニオンの対決の感想

59年のドン・シーゲル作品。西部劇みたいな邦題だが、犯罪映画で、文字通りグランド・キャニオンの空撮また空撮で迫力満点。クライマックスは「谷の向こうの洞窟にあるコウモリの糞を運ぶ」バケット上の格闘で(最後に肥料会社への謝辞がある)、超ロングとスクリーンプロセスの編集で見せるのだが、じつにうまい。
50年代の美女ヴィクトリア・ショウが、冒頭とクライマックスで、渓谷のうねうね道をサンダーバードで飛ばしているのだが、表情をコントラストにする演出が小憎い。
シーゲルらしいテキパキした80分の映画で、あまりに経済的な撮り方で粗筋を見ているようだった。

グランドキャニオンの対決のキャスト

コーネル・ワイルド – レス・マーティン
ヴィクトリア・ショウ – ジャニス・ケンドン
ミッキー・ショーネシー – スコッティ・オブライエン
エドガー・ブキャナン – エドワーズ保安官
ライアン・ガーリック – ボブ・ケンドン
ジャック・イーラム – ビル・ウォード
アレクサンダー・ロックウッド – ジム・ケンドン

グランドキャニオンの対決のスタッフ

監督 – ドン・シーゲル
製作 – ケンドリック・スウィート
原案 – ベン・マークソンカート・スウェンソン
脚本 – リチャード・コリンズカート・スウェンソン
撮影 – バーネット・ガフィ
編集 – ジェローム・トムス
音楽 – ダニエル・アンフィシアトロフ

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