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野ブタ。をプロデュース

4.0
堀北真希(野ブタ。をプロデュース) ドラマ
堀北真希(野ブタ。をプロデュース)
白岩玄の小説(文藝2004年冬季号掲載、同年11月17日河出書房新社刊、第41回(2004年度)文藝賞受賞、第132回芥川賞候補)を原作に、2005年10月15日~12月17日の毎週土曜21:00-21:54に日本テレビ系「土曜ドラマ」で放送。亀梨和也と山下智久の共演であり、堀北真希の出世作としても知られている。

野ブタ。をプロデュースの感想

特別編とは何かと思ったら4話に再編集されているらしい。
見ていて強く感じるのは、もう堀北真希はいないのだという不在感だ。これほどの才能をもっているにもかかわらず、まったく未練なく(と映る)引退していった堀北という人に、とても惹かれる。

野ブタ。をプロデュースと堀北真希(見どころ紹介)

  1. “暗い少女”から“光を放つヒロイン”への劇的変化
    堀北演じる信子は、転校初日に水をかけられ「ブス」と落書きされた“いじめられっ子”。制服や服装へのコンプレックスを抱えた彼女が、修二(亀梨和也)と彰(山下智久)のプロデュースによって、見た目だけでなく内面から輝きを放つ過程がカタルシスを与える。
    第2話「秘キレイ作戦」での“人形の髪を切れない信子”という可愛らしくもリアルな葛藤描写は、彼女の透明感と不器用さが共感を呼ぶシーン。
  2. 「絶対的ヒロイン感」の誕生
    当時ティーンだった堀北は、控えめで儚げなオーラと、芯のある強さの両面を自然に演じ分けた。信子は顔立ちだけでなく、声のトーンや所作からも“守りたくなる純粋さ”を放ち、視聴者にとっての理想のヒロイン像として定着した。この役で得た「ヒロイン力」は、その後の『クロサギ』や『花ざかりの君たちへ』などでも発揮され、堀北の代表的な女優像を確立することになる。
  3. 原作(小説)とのキャラ変化とドラマ脚本の妙
    原作では“デブの男子”だった野ブタを、清楚で内気な少女に変貌させたのは脚本・木皿泉の意図的な改変だった。堀北による可憐でミステリアスな信子像は、この大胆な設定変更を成功させ、ドラマとしての説得力と共感を生み出した。疎外感からの変身劇が視聴者の心を掴み、「プロデュースの発端」以上に、演じ手の魅力がドラマ全体を牽引したのである。
  4. 堀北真希の透明感×芯の強さ=稀有なバランス
    “透明で儚い”ビジュアルと、“揺るがない強さ”という二律を併せ持つ稀有な存在。「目立ちたくないけど、誰かに認められたい」――その微妙な心情を表情だけで演じる堀北の演技が印象的で、「静かながら確かな成長」を信子の姿に融合できた点は非凡と言える。
  5. 以降の活躍と稀少性—テレビヒロインの系譜
    本作が成功したことで、堀北は『ALWAYS 三丁目の夕日』、そして『クロサギ』『花ざかりの君たちへ』へとつながる、いわば「堀北時代の幕開け」的女優として覚醒。その後、連続テレビ小説『梅ちゃん先生』などで大人の女性像を描き切るまで、一貫して「母性と清らかさ」の絶妙なバランスを持つヒロインとして愛され続けた。

野ブタ。をプロデュース あらすじ

桐谷修二はクラスの人気者だが、草野彰を苦手に感じている。ある日、転校生・小谷信子が不良グループに睨まれ、修二は彼女を人気者にするプロデュースを引き受ける。しかし、それがイジメへとエスカレートし、クラスの雰囲気が悪化。修二は当初「自分は関係ない」と高を括っていたが、状況は思わぬ方向へ進んでいく。

野ブタ。をプロデュースを観るには?

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野ブタ。をプロデュースのキャスト

私立隅田川高等学校

主要生徒

 桐谷修二 – 亀梨和也

 草野彰 – 山下智久

 小谷信子 – 堀北真希

 上原まり子 – 戸田恵梨香

教職員

 横山武士 – 岡田義徳

 早乙女 – 木村祐一

 家原靖男 – 不破万作

 黒木広子 – たくませいこ

 佐田杳子 – 夏木マリ

2年B組 生徒

 蒼井かすみ – 柊瑠美

 明石博之 – 田上尚樹

 井上美咲 – 田島穂奈美

 植木誠 – 若葉竜也

 遠藤文太 – 山根和馬

 大石里恵 – 宮沢麻衣

 河合哲司 – 飯田貴昭

 木村愛里 – 楯真由子

 近藤利晃 – 末高斗夢

 佐伯奈美 – 亜希子

 佐藤学 – 川口渉

 高田由佳 – 三浦葵

 谷口健太 – 大東俊介

 手塚真吾 – 広瀬剛進

 長谷川俊明 – 渡辺敬介

 沼田真弓 – 高瀬友規奈

 野村明美 – 奈津子

 橋本麗子 – 斉藤友以乃

 坂東梢 – 水田芙美子

 福浦浩輔 – 豊岡武士

 宮里亜沙子 – 辰巳奈都子

 矢沢恭平 – 立澤真明

 山田ジェイムズ隆志 – エリックまたひら

 湯川瞳 – 増島綾子

 吉田浩 – 石井智也

 和久井拓三 – 古原靖久

 渡辺ちえ – 涌澤未来

主要生徒たちの家族

 桐谷悟 – 宇梶剛士

 桐谷伸子 – 深浦加奈子

 桐谷浩二 – 中島裕翔

 小谷滋 – 伊藤正之

 草野庄一 – 升毅

その他

 ゴーヨク堂店主・デルフィーヌ – 忌野清志郎

 平山一平 – 高橋克実

野ブタ。をプロデュースのスタッフ

原作 – 白岩玄『野ブタ。をプロデュース』(河出書房新社)

脚本 – 木皿泉

音楽 – 池頼広

アクションコーディネーター – 剱持誠

演出 – 岩本仁志北川敬一佐久間紀佳

主題歌 – 修二と彰「青春アミーゴ」(ジャニーズ・エンタテイメント)

挿入曲 – 「グリーン・ウィロー」(作曲:池頼広)

VFXスーパーバイザー – 小田一生

タイトル・アニメーション – 幻生社

協力 – NiTRo

プロデューサー – 河野英裕小泉守下山潤

制作プロダクション – トータルメディアコミュニケーション

製作著作 – 日本テレビ

野ブタ。をプロデュースの原作


高校生、桐谷修二はなんでもこなせる文武両道の人気者。周囲の人々を自分よりも劣る者として内心では嘲っていた。ある日、修二のクラスに無口で人と関わることが苦手で、一目で「いじめられて転校してきた」とわかる小谷信太が転校してくる。やがて信太が挙動不審さからいじめの対象になり、本気で彼を心配しているわけではなかったが、退屈しのぎの「ゲーム」として、いじめられっ子の信太を人気者へと変貌させる「プロデュース」を行うことに決めた。その結果、信太へのいじめはなくなった。信太は本当の人気者となった。外面を良く見せることによって人気者の地位を保っていた修二は、素のままで周囲からの支持を得る野ブタに嫉妬さえ感じるようになった。
とあるトラブルで修二は友人の信頼を失い、内心の侮蔑が隠し切れておらず、周囲はそれを見抜いた上で修二の幼さを受け入れてくれていたことを知ってプライドを打ち砕かれる。
修二は孤立し、その後転校していった。新しい学校で、今度は自分自身を「プロデュース」し、誰にも見破られないよう完璧な人気者を演じ切ることを誓う修二は、素の自分を殺して生きることで二面性をより強くしてしまうのだった。

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