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宇宙戦争

3.5
ダコタ・ファニング(宇宙戦争) 映画
ダコタ・ファニング(宇宙戦争)
宇宙戦争は、2005年のアメリカ映画。H・G・ウェルズによる同名SF小説『宇宙戦争』を原作としたSF映画である。1938年のラジオドラマ版や、1953年の映画『宇宙戦争』の要素も引用している。
2001年9月11日に起きた同時多発テロ事件で受けたアメリカに住む人々の衝撃・思いを反映している。映画には墜落したジャンボ旅客機、掲示板に貼られた無数の人探しの張り紙などが登場するが、映画のメイキングでスピルバーグも公言している通り、これらは9.11のテロを連想させるため、あえて描いたものである。

宇宙戦争の導入あらすじ

貨物港で働くレイ・フェリアは離婚後、ベイヨンで孤独に暮らす。元妻の子供たちと距離を置く中、ある朝、奇妙な稲妻が町を襲い、電気が停止。地割れから巨大な三脚歩行機械「トライポッド」が出現し、光線兵器で人々を灰に変え、町を破壊する。レイは子供たちと共に脱出を図るが、トライポッドは世界各地に現れ、人類は無力な抵抗を続けるのみ。パニックの中、車は奪われ、フェリーも攻撃され、ロビーは行方不明に。レイとレイチェルは地下室に逃れる。

宇宙戦争の感想

帰宅してテレビを点けたら、ティム・ロビンスの家にトライポッドの触手が侵入してくる、スピルバーグでしかあり得ないシーンが映っていた。生存者を探索する触手と、息をひそめるトム・クルーズダコタ・ファニングは、「ジュラシックパーク」のラプトルとサム・ニール&子どもたちと同じ、典型的なスピルバーグ演出なのだが、やはり恐怖にひきつった顔がまるで違うのが印象的で、これは9.11のメタファーということになる。

圧倒的な攻撃力で人類を殲滅する「宇宙戦争」の宇宙人は、つねにメタファーとして語られてきた。1958年のジョージ・パルの映画は核、1938年のオーソン・ウェルズのラジオ放送はナチス、そして1898年の原作ウェルズの小説はタスマニア人を絶滅した大英帝国自身がメタファーとなっている。

本作では、一夜にして宇宙人はあっさり微生物で自滅して、トライポッドの無敵のバリアーが解除され、陸軍の攻撃に潰え去る。「バリアーさえ解除できれば米軍は最強」というのは「インデペンデンス・デイ」他のメッセージでもある。これもまたTPPにおける関税撤廃のメタファーのように思えるが、結局ドナルド・トランプはTPPを離脱し、問題はバリアーではないということになって、今に至る。

宇宙戦争を観るには?

宇宙戦争のネタバレ後半あらすじ

レイチェルがトライポッドに捕まるが、レイが手榴弾で撃破し、捕虜たちは解放される。やがてトライポッドが活動を停止し始め、ボストンで弱点が判明。軍隊が攻撃を仕掛け、トライポッドは次々と撃破される。中から出てきた宇宙人は地球のバクテリアに耐えられず死亡。人類は侵略者の弱点を見つけ、反撃に転じる。レイは子供たちと再会し、地球は徐々に平穏を取り戻していく。

宇宙戦争のキャスト

レイ・フェリア – トム・クルーズ
レイチェル・フェリア – ダコタ・ファニング
ロビー・フェリア – ジャスティン・チャットウィン
メリー・アン・フェリア – ミランダ・オットー
ハーラン・オグルビー – ティム・ロビンス
マニー – レニー・ベニート
プロデューサー – カミリア・サネス
ヴィンセント – リック・ゴンザレス
フリオ – ユル・バスケス
サル – ピーター・ゲレッティ
ティム – デヴィッド・アラン・バッシュ
ナレーター – モーガン・フリーマン

宇宙戦争のスタッフ

製作:キャスリーン・ケネディ
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ジョシュ・フリードマンデヴィッド・コープ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
VFXスーパーバイザー:デニス・ミューレン、パブロ・ヘルマン
VFX:ILM、スタン・ウィンストン・スタジオ、ジェントル・ジャイアント・スタジオ、ハロン・エンターテインメント、ニューディール・スタジオ

宇宙戦争の原作(H・G・ウェルズ)


イギリスの片田舎に隕石らしきものが落下した。地上にあいた巨大な穴の中から現れたのは醜悪な生き物。それが火星人の地球侵略の始まりだった。SF史に燦然とかがやく名作中の名作。
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