2002年のドイツ・アメリカ合衆国のサスペンス・スリラー映画。原題は「The House on Turk Street」。監督はボブ・ラフェルソン、出演はサミュエル・L・ジャクソンとミラ・ジョヴォヴィッチなど。ダシール・ハメットの短編『ターク通りの家』を原作とし、思わぬことから強盗一味によって捕われの身となってしまった刑事の運命を描いている。
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ノー・グッド・シングスの感想
原作はダシール・ハメットの短編「ターク通りの家」で主人公はコンチネンタル・オプだが、ここではサミュエル・L・ジャクソンになっていて、黒人のニュアンスが加わっている。
もっとも主題はミラ・ジョボヴィッチ演じる気だるいヒロインのほうにあり、原作も「灰色の目の女」に引き継がれている。ミラジョヴォにはそこまでの魅力がないのは問題。
ストーリーは「血の収穫」と同じように、主人公が悪党たちの不協和に付け込んで自壊させるというもの。
ノー・グッド・シングス 見どころ
ダシール・ハメットの短編小説を原作とした、密室スリラー×ハードボイルドミステリー。
- ハードボイルド作家ハメット原作の緻密な再構築
ダシール・ハメットの代表作の『ターク通りの家』を基に、監督ボブ・ラフェルソンが現代的な犯罪サスペンスとして脚色。ハメットらしい“意外な裏返し”“皮肉の効いた展開”が随所に息づく。 - サミュエル・L・ジャクソンの“普通すぎる刑事”像と一変する緊張感
主人公ジャックを演じるジャクソンは、インスリンが必要な中年刑事として日常の延長から物語を開始。その“普通さ”が、拉致され、強盗団に囲まれることで緊迫した状況に転じる。日常と非日常の落差が際立つキャラ設定と演技。 - ミラ・ジョヴォヴィッチの“魔性のヒロイン”演出
共犯者エリン役のジョヴォヴィッチは、バイオレンスと誘惑を併せ持つ妖艶さ。「悪女というより“魔性の女”」「ミラ・ジョヴォヴィッチらしいが演出がやや物足りない」とする声もあり、作品全体に緊張感を与えている。 - 密室設定と頭脳戦によるスリル
物語の多くは老夫婦の家という閉鎖空間で展開。ジャックはただの人質ではなく、刑事として強盗団を揺さぶり、脱出と真実の追及を図る。小粒ながらも緻密な頭脳戦が緊張感を生み出す - 登場人物の心理の“ズレ”と緊張構成
強盗団一味は典型的な犯罪者というより、老婆への敬虔さ、悪女との微妙な人間関係、そして“正義VS利己”のせめぎ合いと、どこか滑稽でヒューマンな面が強調される。この“ズレ”がブラックユーモアと不気味な空気を同時に醸している。
ノー・グッド・シングス あらすじ
糖尿病を患い、インスリン注射が欠かせない窃盗課の刑事ジャックはある日、隣人に頼まれ、家出娘を捜索することになった。途中でインスリン注射をして車の中で休んでいたジャックは、足を滑らせた老女を助け起こす。
そのまま老女の家に招かれたジャックは、彼女の夫との会話の中で他愛もなく自分の職業に触れたところ、突然何者かに殴られ意識を失う。意識を取り戻したジャックは椅子に縛り付けられており、目の前には強盗団の一味がいた。どうやら、捜査に来た警官と勘違いされたようだ。
一味は美女エリンをジャックの見張り役として残し、計画の実行に向かう。ジャックはエリンを説得し、なんとか逃げ出そうとする。
ノー・グッド・シングスを観るには?
ノー・グッド・シングスのキャスト
ジャック・フライア – サミュエル・L・ジャクソン
エリン – ミラ・ジョヴォヴィッチ
タイロン・アバナシー – ステラン・スカルスガルド
フープ – ダグ・ハッチソン
クオレル – ジョス・アクランド
クオレル夫人 – グレイス・ザブリスキー
デヴィット・ブルースター – ジョナサン・ヒギンズ
エイミー – シャノン・ローソン
キャデラック所有者 – トニー・カラブレッタ
コニー – エミリー・ヴァンキャンプ
エリン – ミラ・ジョヴォヴィッチ
タイロン・アバナシー – ステラン・スカルスガルド
フープ – ダグ・ハッチソン
クオレル – ジョス・アクランド
クオレル夫人 – グレイス・ザブリスキー
デヴィット・ブルースター – ジョナサン・ヒギンズ
エイミー – シャノン・ローソン
キャデラック所有者 – トニー・カラブレッタ
コニー – エミリー・ヴァンキャンプ
ノー・グッド・シングスのスタッフ
監督 ボブ・ラフェルソン
脚本 スティーヴ・バランシック、クリストファー・カナーン
原作 ダシール・ハメット『ターク通りの家(英語版)』
製作 バリー・バーグ、デヴィッド・ブラウン、ハーブ・ナナス、サム・パールミュッター、アンドレ・ルーロー、マクシム・レミラール
音楽 ジェフ・ビール
撮影 フアン・ルイス・アンチア
編集 ウィリアム・シャーフ
公開 イタリア 2002年10月25日、アメリカ 2003年9月12日
上映時間 97分
脚本 スティーヴ・バランシック、クリストファー・カナーン
原作 ダシール・ハメット『ターク通りの家(英語版)』
製作 バリー・バーグ、デヴィッド・ブラウン、ハーブ・ナナス、サム・パールミュッター、アンドレ・ルーロー、マクシム・レミラール
音楽 ジェフ・ビール
撮影 フアン・ルイス・アンチア
編集 ウィリアム・シャーフ
公開 イタリア 2002年10月25日、アメリカ 2003年9月12日
上映時間 97分
『ノー・グッド・シングス』は、ハードボイルド×密室ミステリーの異色混成による映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。
ノー・グッド・シングスの原作「ターク通りの家」(ダシール・ハメット)
ターク通りの家
人探しにターク通りにやってきたオプは、ある家で老夫婦に聞き込みを始めた途端に、いきなり拳銃をつきつけられる。老夫婦は見張り役の下っ端で、ギャング然とした銃を持った醜男、怪しい灰色の目をした女、英国訛りで洗練された口調の中国人の三人組が、その家をアジトにしていた。ふたりの男は相手を出し抜こうと狙っており、女はふたりを秤にかけ共倒れを狙う。探偵社の社員として放り込まれたオプは、徒手空拳で一癖も二癖もある連中の企みを逆手にとっていく。わずか一時間前後の出来事をてきぱきと描いたサスペンス満点の冒険小説。