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オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ

3.5
麻生久美子(オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ) ドラマ
麻生久美子(オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ)©NHK
2021年9月17日~10月1日までNHK総合「ドラマ10」枠にて放送。2022年9月20日~10月4日に続編が放送。主演は池松壮亮。オダギリジョーが温め続けてきたオリジナル企画を基に制作され、鑑識課警察犬係に所属する警察官と相棒のオリバーが次々と発生する不可解な事件に挑んでいく姿を描く。

オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウの感想

シーズン1(2021年9月17日~10月1日)

演出・脚本・犬役と、どうもオダギリジョーが好き放題やるドラマらしく、ストーリーも定かではない。膨大な数の癖あり役者が勢揃いしているのが壮観。麻生久美子はオダギリ好みの女優なのだろう(本田翼はよくわからない。視聴率対策か)。

本田翼(オリバーな犬 (Gosh!!) このヤロウ)

シーズン2(2022年9月20日~10月4日)

昨年は途中で筋がわからなくなり(それでいいのだが)断念してしまった。
今回シーズン2にあたり特別編が放映されたので、それと併せて見て、ついでに土曜スタジオパークまで見てしまった。オダギリジョーはやはりメチャクチャなのだな。そしてあらためて麻生久美子はいいなと思った(オダギリが狙った通りなのだろう)。

前作でさえ膨大だった登場人物がほとんど再登場する上、新キャラクターも大量に出てくる。クライマックスは舞台劇になるのだが、そういうことなのだろう。

オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ 見どころ

作品のテーマは「警察」ではなく、「この世界の“うさんくささ”」。一応“警察ドラマ”の形を取りながら、描かれるのは「何が正義か分からない社会」と、「自分を持たない人間たち」。警察組織、裏社会、宗教、メディア、日常の隣人すら、どこかうさんくさい。そして、「真実や正義は最後まで見えてこない」。この不確かな世界観が、現代社会への痛烈な風刺となっている。

  1. オダギリジョーの頭の中をそのまま映像化した“怪作”!
    警察犬訓練士が主人公の刑事ドラマの体裁をとりながら、実際には、コメディ×ファンタジー×アングラ×ポップカルチャー×サイケデリックという、多ジャンルをミックスした極めて実験的なドラマ。
    演出・脚本・編集を手がけるオダギリジョーの「頭の中」をそのまま映像化したような混沌と自由さがあり、「意味を理解する」のではなく、“体感する”ドラマである。
  2. 池松壮亮の“受けの芝居”が支えるカオス
    主演の池松壮亮は、物語の軸となる警察犬訓練士・青葉一平を演じます。彼は、周囲のぶっ飛んだキャラたちや奇妙な展開に対して、常に「戸惑いながらも流される」受けの芝居を貫き、観客の視点を体現する存在に。
    暴走気味の登場人物たちと、オチの読めない展開の中で、池松の“微妙な間”や“黙り方”が、逆にリアリティとコメディを成立させている。
  3. 超豪華俳優陣が「やりたい放題」
    最大の贅沢は、有名俳優たちの自由すぎる怪演。
    • 佐藤浩市の奇怪なボスキャラぶり
    • 永瀬正敏の渋すぎる存在感
    • 麻生久美子の「バディもの」のズレた魅力
    • 仲里依紗や岡山天音のテンション高すぎるキャラ芝居
    • そして本田翼が演じる“サイケな謎の女”など

    「何でこの人がこんな役を!?」という驚きが連続し、豪華キャストが全力で“遊んでいる”感じが作品のユニークさを支える。

  4. 映像・音楽・編集がとにかくトリップ感
    アニメーションと実写の融合、独特なテロップ演出、場面転換の大胆さ、画面の情報過多とスタイリッシュな編集など、視覚的にも飽きさせない構成。音楽は渋谷慶一郎が担当し、電子音と生音の交錯が不穏さと疾走感を生む。従来のNHKドラマとは明らかに一線を画す、インディー映画的な質感だった。

地上波・NHKでここまで「ふざけた」「混沌とした」「ジャンル破壊的な」作品を作れたという意味で、現代ドラマの可能性を押し広げた異色の金字塔と言える。

オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウのあらすじ

鑑識課警察犬係のハンドラー・青葉一平(池松壮亮)。彼には、どういうわけか、相棒の警察犬・オリバーが、着ぐるみのおじさんに見える。 ぐうたらで慢性鼻炎だというオリバー(オダギリジョー)とともに、偶然が重なり事件を解決していくのだが……。彼らが巻き込まれた、ヤクザと半グレの抗争事件。そこに、11年前に行方不明になった少女の謎が絡み合う。大乱闘の末、一件落着したかに思われたのだが、事件の重要人物であるヤクザの若頭・龍門が何者かに毒殺されてしまう。果たして、黒幕は誰なのか。行方不明だった少女の秘められた過去とは。一平とオリバーが真相に迫っていく。

オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウを観るには?

オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウのキャスト

主要人物
青葉一平(県警の鑑識課警察犬係) – 池松壮亮
オリバー(警察犬) – オダギリジョー

狭間県警
鑑識課
漆原冴子(一平の上司) – 麻生久美子
鑑識課課長 – 國村隼
柿崎ユキ(警察犬係) – 本田翼
三浦(警察犬係) – 岡山天音

組織犯罪対策課
轟(漆原の同期) – くっきー!(野性爆弾)
小田島 – 岡本智礼
野田 – 菅原健
久保 – 宮本幸太

生活安全課
ゆかり(女性刑事) – 黒木華

警察行政職員
志村(警察犬のベテラン飼育員) – 鈴木慶一

女児失踪事件の関係者
北條かすみ(失踪した女性) – 玉城ティナ
溝口健一(フリー記者) – 永瀬正敏
小西幸男(スーパーボランティア) – 佐藤浩市
酒々井茂(バーの経営者) – 宇野祥平
北條夢子(北條かすみの母) – 坂井真紀
北條明史(北條かすみの父) – 葛山信吾
北條空(北條かすみの弟) – 元之介

TMT
宗手(リーダー) – 永山瑛太
蘭丸(一番の子分) – 佐藤緋美
黒服 – 結城貴史
道一 – 緒形敦
長秀 – 高橋里恩
大将 – 奈良原大秦
一益 – 別府由来
半グレくん – 佐久本宝
信盛 – 森優作
オレンジ – 中本大賀
信広 – 芳村宗治郎

関東明神会
龍門(若頭) – 松重豊
鮫島(龍門の舎弟) – 村上淳
西條 – 沖原一生
白川 – 金井浩人
伊東 – 朝比奈知樹
渡(拳銃の持ち主) – 仲野太賀
関根ミラ(ポールダンサー) – 佐久間由衣

DOGGY SUE’S DINER
マスター – 嶋田久作
ウェイトレス – 川島鈴遥

青葉家
青葉一郎(一平の父) – 火野正平
青葉純子(一平の母) – 竹内都子
一平の妹 – 浅川梨奈

川辺のホームレス仲間
チョウスケのホームレス仲間 – 今泉力哉山田浩

神々廻ファミリー
神々廻道夫(謎の老紳士) – 橋爪功
渡邊(運転手) – 甲本雅裕
謎の男 – 芹澤興人
マイケル(謎の男) – 染谷将太
聖亮介(弁護士) – 千原せいじ(千原兄弟)
聖の女 – 安野澄
ほーちゃん(農夫) – 高良健吾
リコピン(農夫) – 河本準一(次長課長)
雀(農夫) – 寛一郎
刈磨(農夫) – 村上虹郎

その他
衣笠(記者) – 渋川清彦
くるみ(ダンスコーチ) – 我修院達也
ドラマー – シシド・カフカ
占い師 – 香椎由宇
アトス、アラミス、ポルトス(男性地下アイドル) – 草地稜之ヒラノショウダイ坂口雄斗
インタビュアー – 柴田紗帆
理髪店の店主 – 細野晴臣
まさこちゃん – 草村礼子
オリバーをかわいがる女性 – 福岡みなみ
ディレクター – 箭内道彦
「ハザマ屋」ニュースキャスター – 金剛地武志
ボインちゃん(キャバ嬢) – 奈月セナ
キャバ嬢 – 出口亜梨沙
エリカ(キャバ嬢) – 浦郷絵梨佳
特殊詐欺の受け子 – 天木じゅん
マガリ兄弟 – 松田龍平松田翔太
スベンソン嵐子(雑誌「早月」編集長) – 松たか子
花村寧々(清純派女優) – 関川ゆか
青葉一郎の交際相手 – 濱田マリ
小西佳代子(小西の妻) – 風吹ジュン
小西沙羅(小西の娘) – 河合優実
監禁されていた女性 – 佐藤玲
女性ボーカルとギタリスト – 中納良恵(EGO-WRAPPIN’)、森雅樹(EGO-WRAPPIN’)

役名不詳
アナウンサー – 木下瑠音
記者 – 柳ゆり菜
ラッパー – DOTAMA大江健次(こりゃめでてーな)
中村無何有
小西のファン – 千うらら真下有紀
関根洋一
吹枝あやめの友人 – 尾碕真花斎藤さらら
関本巧文
真田五郎
西洋亮

オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウのスタッフ

脚本・演出・編集 – オダギリジョー
音楽 – 森雅樹
主題歌 – EGO-WRAPPIN’「The Hunter」
オープニング曲 – EGO-WRAPPIN’「サイコアナルシス」
警察監修 – 古谷謙一
警察犬協力 – 遠藤警察犬家庭犬訓練所
ダンス振付 – akane
アクション指導 – KASHIRA.D
制作統括 – 柴田直之(NHK編成局コンテンツ開発センター)、坂部康二(NHKエンタープライズ)、山本喜彦(MMJ)
制作・著作 – NHK、MMJ

オリバーな犬、 (Gosh!!) このヤロウ THE MOVIE(2025年9月公開)

オダギリジョーが脚本・監督・編集・出演を務め、NHKで連続ドラマとして2シーズン放送された「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」が映画化。鑑識課警察犬係に所属する警察官・青葉一平(池松壮亮)が、相棒である警察犬オリバー(オダギリ)と共に不可解な事件に挑む。特報のナレーションは、NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」への出演も決定した話題のピン芸人・ひょうろくが担当している。

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