2020年代のドラマ2023年のドラマ

いちばんすきな花

いちばんすきな花(多部未華子) 2020年代のドラマ
いちばんすきな花(多部未華子)
いちばんすきな花は、2023年10月12日~12月21日にフジテレビ系「木曜劇場」枠にて放送。主演は多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓。
まだ観ていない方は、Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できます。

繊細ヤクザの攻撃性(いちばんすきな花の感想)

silentのスタッフ再集結ってこれか。とすぐわかる癖のある脚本は、本家の坂元裕二をそのうち上回りそうだ。
デビュー作を含め3作目とは思えない扱いで、今季最大の期待作ということになる。

クアトロ主演とやらを標榜していて、多部未華子松下洸平今田美桜神尾楓珠が30代半ばと20代半ばの4人を演じる。
となると想起すべきなのはカルテット(2017)である。松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平というキャストと比べると大分ランクが下がることが自明になってしまうが、やはりうまいのは多部ちゃん。「真夏のシンデレラ」で貧乏くじを引いた神尾君もがんばっていて、長台詞の応酬は楽しめる。

テーマは「男女間の友情」とのことだったが、最終回の今田の台詞にあるように「嫌いなものを嫌いということ」であった。
繊細ヤクザとまで言われた本作は、言うまでもなく評価が分かれたのだが、私にはなぜそんなに攻撃的になるのか疑問だった。

終盤に4人それぞれと1対1の関係を持つ田中麗奈が現れ、4人は必ずしも「二人になれない者」ではなかったことがわかるのだが、すでに4人でしかいられないという病に陥っているようにも見え、ちょっとキモチ悪い。

反感や視聴率にめげず、生方脚本の次回作を見たい。

いちばんすきな花 見どころ

  1. 4人の男女が織りなす「友達」の形
    人生のある局面で「友達」との関係に疑問を抱いたり、孤独を感じたりしている、年齢も性別も異なる4人が、ひょんなことから出会い、悩みや孤独を共有し、新しい「友達」としての関係を築いていく。
    • 潮ゆくえ(多部未華子)……コンビニで働く、社交的なようで実は人付き合いに疲れを感じている女性
    • 春木椿(松下洸平)……出版社勤務で、完璧に見えるが実は孤独を抱える男性
    • 深雪夜々(今田美桜)……美容師で、人から「モテる」と見られるが、本当に心を通わせる相手がいない女性
    • 佐藤紅葉(神尾楓珠)……コンビニでアルバイトをする、どこか掴みどころのない青年
  2. 「男女の友情は成立するか」という普遍的なテーマへの問いかけ
    根底にあるのは「男と女が友達になれるのか?」という問い。恋愛関係に進むわけでもなく、家族でもない「友達」という関係の心地よさ、難しさ、そしてその中に生まれる新たな感情が、4人の視点から多角的に描かれる。既成概念にとらわれない、多様な答えを提示しようとする姿勢が魅力。
  3. 生方美久が紡ぐ繊細な会話と心理描写
    「silent」で多くの視聴者の心を掴んだ生方美久の脚本が光る。登場人物たちの何気ない会話の中に、心の奥底に秘めた感情や、言葉にならない思いが繊細に込められている。日常の風景の中での哲学じみた会話劇が、人間関係や孤独感に響く。4人の視点が切り替わることで、同じ出来事でも受け取り方が異なる人間心理の複雑さも丁寧に描かれている。
  4. 豪華キャストのアンサンブルと演技の化学反応
    多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠という演技に定評のある俳優陣が絶妙なバランスで共演。空気感、互いの感情が交錯する瞬間の表現が圧巻。4人が集まるリビングでの会話シーンは、それぞれのキャラクターが生き生きと描かれ、温かい雰囲気に包まれる。
  5. 孤独と共感、そして「寂しさ」の肯定
    現代社会で多くの人が感じているであろう「孤独」を真正面から描くが、その孤独は決してネガティブなものではなく、時に人を成長させ、他者との新たな繋がりを生むきっかけとなることが示唆される。共通の寂しさや孤独を分かち合うことで、心が通じ合う瞬間が描かれている。

いちばんすきな花 あらすじ

潮ゆくえ(多部未華子)、春木椿(松下洸平)、深雪夜々(今田美桜)、佐藤紅葉(神尾楓珠)は、それぞれに人間関係の悩みを抱えている。ゆくえは唯一無二の男友達・赤田鼓太郎(仲野太賀)との別れを告げられ、椿は婚約者・小岩井純恋(臼田あさ美)との結婚が白紙に。夜々は友達以上の関係を迫られ、紅葉はイラストレーターの夢を追いながら孤独を感じている。
ある日、紅葉が訪ねた住宅で、椿、ゆくえ、夜々が偶然出会う。年齢も性別も異なる4人が、それぞれの悩みを抱えながら、新たな人間関係を築いていく物語が始まる。

いちばんすきな花を観るには?

いちばんすきな花のキャスト

■主要人物
潮ゆくえ – 多部未華子
春木椿 – 松下洸平
深雪夜々 – 今田美桜
佐藤紅葉 – 神尾楓珠
■ゆくえの関係者
赤田鼓太郎 – 仲野太賀
潮このみ – 齋藤飛鳥
潮みきこ – 神野三鈴
■椿の関係者
小岩井純恋 – 臼田あさ美
春木楓 – 一ノ瀬颯
春木鈴子 – 美保純
■夜々の関係者
深雪沙夜子 – 斉藤由貴
■おのでら塾
小野寺学 – 菅原大吉
望月希子 – 白鳥玉季
穂積朔也 – 黒川想矢
■白波出版
夏美 – 山谷花純
三谷彩子 – 杏花
加山 – 吉田晋一
後輩 – 山本海里
■スネイル
相良大貴 – 泉澤祐希
谷本杏里 – ハマカワフミエ
■エブリストア
九条雅史 – 宮崎吐夢
園田拓真 – 世古口凌
松井隼人 – 川本光貴
■その他
白石峰子 – 田辺桃子
志木美鳥

いちばんすきな花のスタッフ

脚本 – 生方美久
演出 – 髙野舞
プロデュース – 村瀬健
プロデューサー – 唯野友歩(AOI Pro.)
木曜劇場

「いちばんすきな花」は、派手な展開があるわけではありませんが、観る人の心にじんわりと染み渡るような、繊細で心温まるヒューマンドラマです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

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