『銀と金』ってどんなドラマ?
福本伸行の漫画を原作に、うだつの上がらない青年が裏社会のフィクサーに才能を見出され、巨万の富と命を賭けた熾烈なマネーゲームに足を踏み入れていく。株の仕手戦や政治家との心理戦など、欲望の渦巻く闇の世界を舞台に、人間の本性や勝負師たちの執念が描かれている。
脚本は『おそ松さん』や『バイプレイヤーズ』シリーズなどを手がける山浦雅大ら。原作が持つ独特の緊迫感や、心理戦における名セリフの数々を活かしつつ、現代の裏社会に通じるリアルなマネーゲームの構図が見もの。演出の古厩智之らは、夜の街が放つ独特の退廃的な空気感や、巨額の金が動く対決の場の重苦しい風景を活かしたシリアスな映像を撮った。
狂気の世界に呑まれかけながらも勝負師として覚醒していく主人公の危うさと純粋さを演じたのは池松壮亮。彼を導く怪物の裏フィクサー役のリリー・フランキーが底知れない冷徹さと絶対的なカリスマ性を演じた。
ただのギャンブル劇ではなく、「金に支配される人間と、金を支配する人間の違いは何か」という究極の心理戦と経済の裏側を描くドラマ。マキタスポーツや村上淳、嶋田久作といった脇を固める個性派たちも、一瞬の隙が破滅に繋がるヒリヒリとしたサスペンスの緊張感を支えている。
あらすじ
うだつの上がらない森田鉄雄(池松壮亮)は、仕事も私生活もうまくいかず、やり場のない怒りをギャンブルで発散する日々。でも負けが続き、気づけば素寒貧…。そんなある日、競馬場で裏社会のフィクサー・平井銀二(リリー・フランキー)と出会います。
銀二は、悪党としての圧倒的なカリスマと、億単位の大金をいとも簡単に手にする天才的な才能の持ち主。森田はそんな銀二に魅せられ、「銀を超える“金”になりたい」という野心を抱き、危険きわまりない裏社会へ足を踏み入れることに…。
キャスト
平井 銀二 – リリー・フランキー
安田 巌 – マキタスポーツ
巽 京子 – 臼田あさ美
船田 正志 – 村上淳
土門 猛 – 大石吾朗(帝日銀行頭取)
伊沢 敦士 – 嶋田久作(自由民政党のナンバー2)
海堂 正行 – 丸山智己(自由民政党議員)
梅谷 哲 – ダンカン(ホテル経営者。仕手戦の本尊)
三上 紗英 – 齋藤めぐみ(BAR FULLERの店員)
感想
「19年降り続いた雨がやっと止んだ」と話題の「アカギ」の福本伸行による未完作が原作。冒頭から“ワシヅオウジャ”なる馬が登場して、福本ファンなら思わずニヤリ(原作は90年代の漫画で、当時のナリタブライアンが走る中央競馬の空気感もバッチリ)。
登場したリリー・フランキーは、最初「これ誰?」と一瞬思うぐらい雰囲気が違うけど、見ていくうちに「他の役者じゃ無理だな」ってなるほどのハマり役。
ただ福本作品って本来、女優の出番ほぼゼロな世界観だから、臼田あさ美がどう扱われるのかは少し心配。
主人公の森田は「カイジ」よりも達観していて、あまりクズじゃない分、ヒリヒリ感は薄い。でもそのぶん、裏社会の美学や銀二との関係性にフォーカスされていて、展開はかなり楽しみ。
あと、池松壮亮が食べてたナポリタン。「これ…日吉の“喫茶まりも”じゃ?」と思ったら案の定。あの変わらないレトロさ、いいなぁ。
ドラマは原作のギャンブル部分のみを映像化。仕手戦編、画商編、ポーカー編、麻雀戦の全4部構成。原作だとこの後、長い神威編があって競馬編で打ち切りになるんだけど、ここでも一貫して描かれるのは「なぜ銀二は森田にこだわるのか」というテーマ。強運だの無欲だの、理屈はどうでもいいけど、リリー・フランキーと池松壮亮の二人は、この「こだわり」を見事に映像に落とし込んでた。
ちなみに柄本明の妖怪感も良かったけど、過去にOVAで中条きよし&豊原功補版が作られてるらしい。これもちょっと見てみたい。
銀と金を観るには?
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銀と金 スタッフ
銀と金の原作(福本伸行)
裏社会で頭脳と心理戦を駆使して巨万の富を得ていく男達の活躍を描いた賭博コミック。競馬でスッカラカンになってしまった森田鉄雄(もりた・てつお)は、平井銀二(ひらい・ぎんじ)に声をかけられ、日当10万円の仕事を持ちかけられる。そして翌日、みかん箱10箱を運んだ森田は、その箱の中には不正融資で得た10億円が入っていると平井から知らされて……!?「カイジ」「アカギ」と並び称される福本伸行の代表作の一つ。



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