2024年の日本のホラー映画。KADOKAWA主催の一般公募フィルムコンペティション「第1回日本ホラー映画大賞」で大賞を受賞した下津優太の同名短編映画を下津自身がメガホンをとり、長編映画化。清水崇が総合プロデュースを手がけ、『ミンナのウタ』の角田ルミが脚本を担当した。古川琴音はこれがホラー映画初主演となる。R15+指定。
みなに幸あれのあらすじ
看護学生の孫は、ひょんなことから田舎で暮らす祖父母のもとを訪れた。久しぶりの再会に、家族水入らずの幸せな時間を過ごしていた彼女だったが、徐々に違和感を抱き始める。祖父母の家には「なにか」がいるようで、しだいに孫は人間の存在自体を揺るがすほどの根源的な恐怖に巻き込まれていく。
やり過ぎ。観たことを後悔(みなに幸あれの感想)
うーん。「MEN 同じ顔の男たち」を見たときにも思ったが、これはやり過ぎだ。いかにも不穏な古川琴音でなければ成立しない映画だった。日本ホラー映画大賞を獲った監督が受賞作を長編化したとのこと。総合プロデュースは清水崇である。
舞台は福岡県田川。古川は父方の実家に里帰りしているのだが、「幸せだなあ」が口癖の祖父母はどこか様子がおかしい。どうやら自家製の味噌が怪しいという描写がある。このへんはシャマランの「ヴィジット」である。
最初から怪しかった2階の物置には、目と口を縫い付けられたパンイチの老人が縛られていて、胃瘻のような仕組みで味噌(?)を採取したらしい。古川は幼馴染の青年の協力で老人を外に連れ出すが、そこに父母と弟が合流してきた。父親はトラックにはねられた老人を田圃に蹴り落とし、火をつける。要は、一家に一人生贄を飼うことがこの地方の「幸せを守る」たまの習わしらしいのだ。老人が死んで生贄を失った祖父母は、血を吐き始める。ついでに弟も目から血を流す。
混乱した古川は、むかし家を出ていったという伯母を探して山奥へ。ようやく見つけた老女は「これからはアフリカの時代が来る」などと謎の言葉を呟きながら、古川が振り下ろした薪割り斧に首を差し出して、頭が真っ二つに。
逃げ出した古川が、生贄になってもいいよと声をかけてきた中学生を無視して家に帰ると、祖母は妊娠していた。混乱を鎮めようと自らの目を縫いつけようとしたが、痛みに耐えきれなかった古川は、幼馴染の家に行って青年の首を絞める。そのころ祖母は破水し、父母の組体操の上で赤ん坊を出産。幼馴染が生贄になったので、一家には幸せが戻ってきた。
その後にちょっとしたオチはあるが、大体そんな話である。幸せの総和はゼロになる、ということがテーマらしいのだが…。
古川と幼馴染の青年以外の役者を現地調達したとのことで、ホラーとしては棒読みの祖母が怖い。見なければよかった。
みなに幸あれのキャスト
孫娘 − 古川琴音
孫の幼馴染 − 松大航也
孫の祖母 − 犬山良子
孫の父 − 西田優史
孫の母 − 吉村志保
犠牲者 − 橋本和雄
孫の同級生 − 野瀬恵子
孫の祖父 − 有福正志
みなに幸あれのスタッフ
監督:下津優太
脚本:角田ルミ
原案:下津優太
総合プロデュース:清水崇
企画:工藤大丈
統括:古賀芳彦
製作:菊池剛、五十嵐淳之
プロデューサー:小林剛、中林千賀子、下田桃子
撮影:岩渕隆斗
音楽:香田悠真
主題歌:Base Ball Bear「Endless Etude (BEST WISHES TO ALL ver.)」
編集:下津優太
製作会社:KADOKAWA、ムービーウォーカー、PEEK A BOO(制作プロダクション:ブースタープロジェクト)
配給:KADOKAWA
みなに幸あれを観る
みなに幸あれを観た人の考察
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意味不明なシーン、資本主義の負の側面からひも解くとスッキリする。
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誰かが不幸だと嬉しい。
だって、それは自分が幸せを得たってことだから。
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そして、我々は今日も誰かの犠牲の上に生きていることを痛切に感じることになる。
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