エイリアン

シガニー・ウィーバー(エイリアン)
シガニー・ウィーバー(エイリアン)

リドリー・スコット監督、ダン・オバノン脚本の1979年のSFホラー映画。原題は「Alien」。オバノンとロナルド・シャセットのストーリーに基づき、商業用宇宙タグ「ノストロモ号」の乗組員が、船内に解き放たれた攻撃的で致命的な地球外生命体である「エイリアン」に遭遇する様子を描いている。
本作の成功は、映画、小説、コミック本、ビデオゲーム、玩具などのメディア・フランチャイズを生み出した。また、この作品はウィーバーの女優としてのキャリアをスタートさせ、初の主役を演じた。ウィーバーが演じたエイリアンとの出会いの物語は、続編の『エイリアン2』(1986年)、『エイリアン3』(1992年)、『エイリアン4』(1997年)のテーマと物語の核となった。また、前日譚シリーズとして『プロメテウス』(2012年)と『エイリアン: コヴェナント』(2017年)、スピンオフとして『エイリアン:ロムルス』(2024年)がある。

エイリアンのあらすじ

西暦2122年、搭乗員7名を乗せた宇宙貨物船ノストロモ号は他の恒星系で採掘された鉱石を満載し、地球へと帰還する途上だった。乗組員たちがハイパースリープから目覚めると、船を制御するAI「マザー」が、知的生命体からのものと思われる信号を受信し、その発信源である天体に航路を変更していたことが判明。科学主任のアッシュによると、会社との雇用契約書には「知的生命体からと思しき信号を傍受した場合は調査するように」と明記されているらしいので、やむなく牽引する精製施設をいったん切り離して軌道上に残し、発信源の小惑星に降り立った。
船長ダラス、副長ケイン、操縦士ランバートの3人は謎の宇宙船と化石となった宇宙人を発見。船の底に続く穴には巨大な卵のような物体が無数に乱立していた。ケインが近付いた際、予期せぬ事態が発生する。一方、船に残った通信士リプリーは信号を解析し、遭難信号ではなく何らかの警告であることを知る。
異変を感じたリプリーは防疫を理由に船に帰還した3人を船内に入れることを拒むが、アッシュの判断でエアロックが開けられた。ケインの顔には、サソリのような生物(フェイスハガー)がヘルメットのシールドを溶かし、張り付いていた。フェイスハガーは酸素を供給しており、ケインは昏睡状態。外科装置で体の一部を切ろうとすると強酸のような体液が船の床を溶かし下層まで穴が空いたものの、剥がれ落ちて死んだ。アッシュは貴重な地球外生命体のサンプルを地球に持ち帰るべきだと主張し、ダラスもそれに同意。リプリーは反発するが、会社の意向だと押し切られる。
船は小惑星を離陸し、ケインは意識を取り戻したが、食事中に突然悶絶し、奇怪なヘビのような生物が胸部を食い破って出現。ケインはフェイスハガーによって体内に幼体(チェストバスター)を産み付けられていたのだった。
乗組員たちは船内を捜索するが、チェストバスターは脱皮して大型に成長していく。機関士のブレットを襲い、通気口へ身を潜めたエイリアンをエアロックへ追い込み、宇宙空間へ放出しようとするが、返り討ちに遭う。
リプリーと機関長パーカーはダラスの立てた作戦を続行しようと主張するが、ランバートは船を棄てて脱出艇で逃げることを提案。しかし脱出艇は3人乗りだった。リプリーはアッシュの態度に疑念を抱き、マザーに詳細を問いかけるが、科学主任のみ閲覧可能と拒否される。秘密解除の操作を行ったところ、会社が秘密裏に「生きているエイリアンの捕獲と回収」を最優先事項とし、「乗組員の命が犠牲となってもやむを得ない」とプログラムされていたことを知る。
アッシュは秘密を知ったリプリーを殺そうとするが、駆けつけたパーカーとランバートが阻止。アッシュの正体は乗組員監視用の会社のアンドロイドだった。応急処置されたアッシュは、会社は最初からエイリアンの捕獲と回収を目的として乗組員を雇っており、エイリアンは「完璧な生命体」で、生き延びられる可能性はないと告げるのだった。
リプリー、ランバート、パーカーの3人は本船を切り離して自爆装置で爆破し、脱出艇で逃れようとする。しかしエイリアンは通気口から這い出ており、ランバートとパーカーを惨殺。残されたリプリーはノストロモ号の自爆装置を起動。猫のジョーンズを連れて脱出艇に乗り込もうとするが、通路上にエイリアンがいたため自爆装置を解除しようとしたが間に合わなかった。リプリーは脱出艇に戻り、エイリアンがいないことを何度も確認し、ただちに発進させる。ノストロモ号は大爆発し、全ては終わったかに思われたが…。

エイリアンの感想

実はkindle unlimitedに「ウィリアム・ギブスン エイリアン3」というのがあって、3日ぐらいかけてそれを読み、ペ・ドゥナの「静かなる海」を観たので、ひとつ最初から見直してみようと思い立った。しかしNetflixもPrime Videoも有料レンタルしかなく、無料で観られるのはDisney+だけ。「エイリアン4」まで観られるが、いずれも初回公開版である。

それで観直してみたが、記憶以上に何が映っているのかわからないリドリー・スコット版であった。これは配信だからというわけではなく、4KUHD版でもかなり暗いという評価である。79年の映画(!)だから仕方ない面もある。

貨物船ノストロモ号は暗くて汚くて、乗員は全員ブルーカラーの口ばかりの荒くれ男たち。その中で、長身のシガニー・ウィーバー (「4」でゴリラのようなロン・パールマンが「デカい女は好きだぜ」と言っている)は最初からうるさく規約にこだわるたちで、フェイスハガーに顔を覆われたままのジョン・ハートの検疫を主張する(彼の胸をチェストバスターが食い破るシーンは役者たちに詳細が知らされておらず、貝や羊の臓物が噴き出すシーンに全員が驚愕した)。まだ30歳で美しく、まさに新しいタイプのヒロインだった(元々はノストロモ号の乗務員は全員男という設定だった)。

エイリアンのキャスト

アーサー・ダラス – トム・スケリット
エレン・リプリー – シガニー・ウィーバー
ジョーン・ランバート – ヴェロニカ・カートライト
サミュエル・ブレット – ハリー・ディーン・スタントン
ギルバート・ケイン – ジョン・ハート
アッシュ – イアン・ホルム

エイリアンのスタッフ

監督 – リドリー・スコット
脚本 – ダン・オバノン
原案 ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
製作 – ゴードン・キャロルデヴィッド・ガイラーウォルター・ヒル
製作総指揮 – ロナルド・シャセット
音楽 – ジェリー・ゴールドスミス
撮影 – デレク・ヴァンリント
編集 – テリー・ローリングス、ピーター・ウェザリー、デヴィッド・クロウザー(ディレクターズ・カット版)
公開 – アメリカ 1979年5月25日、日本 1979年7月21日
上映時間 – 117分(劇場公開版)/116分(ディレクターズ・カット版)

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