映画

エイリアン4

ウィノナ・ライダー(エイリアン4) 映画
ウィノナ・ライダー(エイリアン4)
エイリアン4は1997年のアメリカ合衆国の映画。シリーズの4作目で、原題は「Alien: Resurrection」。
まだ観ていない方は、Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できます。

前作で地に落ちたシリーズがみごと復活(エイリアン4の感想)

…そしてようやくリプリー物の最終作にたどり着いた(実際には「1」から休憩なしで観ている)。前作があまりにヒドかったのと、ジャン=ピエール・ジュネは「デリカテッセン」があまり好きでないので、私は長らく本作をスルーしていたのだが、今回初めて観て、シリーズとしてだいぶ挽回されていると感じた。

問題は、原題(Resurrection、復活)の通りに、溶鉱炉の藻屑と消えたはずのシガニー・ウィーバーがビミョーなキャラとして復活したということだ。怪力だし、血が強酸だし、何よりエイリアンに対する感情が複雑なものになっており、もはや人間の側に立つ者ではないと描写されているのだが、シリーズを観てきた者にとってはいささか共感しにくいところだ。母性的な存在でもあり、人造人間のウィノナを守ろうとするし(エイリアンシリーズは、リプリーと歴代人造人間の話でもあるのだ)、瞳のつぶらなニューボーンを泣く泣く絞り殺しする哀れなクライマックスもある。

さて、前3作まで牽制を誇っていたコンツェルン、ウェイランド・ユタニ社はその後経営破綻し、身売りしたとされる。だから「4」の舞台はベレス将軍率いるUSM(連合軍)の医療宇宙船USMオリガ号である。将軍の目論見は、フィオリーナ161に残されていたリプリーのDNAから「エイリアンが体内にある状態のクローン」を作り、闇商人(貨物船ベティー号のエルジン持ち込ませ船長)にた人間を使ってエイリアンを繁殖させることだった。

ということで、繁殖元となるエイリアンたち(檻に入れられて攻撃する相手がいないので、途中で共喰いを始める)、エルジン船長配下の荒っぽいクルーたち、新米クルーのウィノナ・ライダー と、誰の味方かわからないシガニー・ウィーバーが死闘を繰り広げ、オリガ号を地球に激突させるという話である(地球人は大迷惑)。

ウィノナは本作の前にすでに何本も主演女優を経験しているのだが(初期ティム・バートン作品の常連でもある)オドオドしているようで、人造人間のくせに酔っ払ったりしていて非常にキュートである。シガニーならずとも守ってあげたい。この辺の矛盾した魅力は、この人の地なのではと思う(思わせる)。

エイリアン4 見どころ

SFホラー映画『エイリアン』シリーズの第4作であり、シリーズの中でも異色の作品であり、『デリカテッセン』などで知られるフランスのジャン=ピエール・ジュネ監督の独特なビジュアルスタイルや、リプリーの新たな描写、倫理的なテーマなど、多くの見どころがある。前作『エイリアン3』から200年後の未来を舞台に、前作ラストで自決したはずのリプリーとエイリアンの復活と新たな戦いを描いている。独特なスタイルやストーリー展開のため評価が分かれる。20世紀最後のエイリアンシリーズでもある。

シリーズ初めてフルCGでエイリアンが描かれ、これまで場面が切り替わるなどして詳細に描かれてこなかったエイリアンによる殺戮シーンが人体破壊シーンや臓物露出シーンが大量に描かれ、シリーズ中最もゴア描写が多い作品となっている。
また、初めて水中シーンが設けられ、スタントなし、ウィーバーら自身が水中撮影をこなした。

  • 見どころ1.クローンとしての復活した新リプリー
    リプリーはエイリアンの女王を宿した状態でクローン再生された設定で、彼女の体内にはエイリアンのDNAが混ざっており、前作までとは全く異なるキャラクターとして描かれている。いわば彼女は人間とエイリアンのハイブリッドであるため、人間性や母性、そしてエイリアンとしての本能との葛藤が物語の中心になる。前作の評価が低迷したため、続投に難色を示していたシガニー・ウィーバーも、新リプリーの設定を気に入って出演を許諾したという。
  • 見どころ2.ニューボーンの誕生と悲哀
    クライマックスでは、エイリアンの女王から人間とエイリアンのハイブリッド「ニューボーン」が誕生する。ニューボーンは異様な姿と凶暴な性質をもつものの、リプリーを母親として認識し、彼女に愛着を示すのだが、リプリーは苦悩の末、ニューボーンを排除する。リプリーにとって大きな悲しみと解放の瞬間と言える。
  • 見どころ3.ジャン=ピエール・ジュネ監督のビジュアルスタイル
    ジャン=ピエール・ジュネは独特なビジュアルスタイルで知られるため、グロテスクな描写やユーモアの要素が強調されるなど、シリーズの中でも異色の作品と言える。
  • 見どころ4.アンドロイドのコールの人間性
    ウィノナ・ライダーが演じるコールは、アンドロイドでありながら、人間らしい感情や倫理観を持つ。彼女はリプリーと信頼関係を築き、重要な役割を果たす。人間と機械の境界を超えた友情や協力の象徴と言える。
  • 見どころ5.遺伝子操作と倫理的問題
    遺伝子操作によって生み出された存在たちが登場し、科学の進歩と倫理的問題が問われる。クローンとして復活したリプリーやニューボーンの存在は、生命の尊厳や人間性についての深いテーマを表す。

エイリアン4のあらすじ

前作のフューリーの宇宙刑務所で、、主人公リプリーはエイリアン・クイーンを体内に宿したまま溶鉱炉に身を投じ、永きに渡るエイリアンとの戦いに幕を下ろした。舞台はそれから200年後。フューリーに残されていたリプリーの血液をもとに、軍の実験宇宙船「オーリガ」で、科学者らの手によりクローン体「リプリー8号」として再生される。その目的は、リプリー8号の体内に寄生するエイリアン・クイーンを摘出し、エイリアンを繁殖させて軍事兵器として利用することだった。クローン化の過程で彼女の遺伝子はエイリアンのそれと融合し、科学者らにとって興味深い実験材料であった。
しかし復活した無数のエイリアンは、仲間を殺してその強酸体液で床を溶かして逃亡し、研究者や軍人たちを次々と虐殺していく。リプリー8号は本能的にエイリアンを「敵」と見なし、エイリアンを植えつける苗床である生きた人間を輸送してきた宇宙貨物船「ベティ」のクルーとオーリガからの脱出を試みる。
脱出の過程で、リプリー8号は進化の末に子宮を得たエイリアン・クイーンから、人間とエイリアンのハイブリッド生物「ニューボーン」が誕生するのを目撃。ニューボーンはクイーンを殺害し、エイリアンの遺伝子を併せ持つリプリーを母親と思い込む。自分は人間なのか怪物なのか、その答えを出しかねていたリプリー8号は、仲間を救うためにニューボーンへ立ち向かうが……。

エイリアン4を観るには?

エイリアン4のキャスト

■主人公
リプリー8号 – シガニー・ウィーバー
アナリー・コール – ウィノナ・ライダー
■宇宙船ベティの関係者
ロナルド・ジョナー – ロン・パールマン
ドム・ブリース – ドミニク・ピノン
フランク・エルジン – マイケル・ウィンコット
ゲーリー・クリスティー – ゲイリー・ドゥーダン
サヴラ・ヒラード – キム・フラワーズ
■実験宇宙船「オーリガ」の関係者
マーティン・ベレス将軍 – ダン・ヘダヤ
メイソン・レン – J・E・フリーマン
ジョナサン・ゲディマン – ブラッド・ドゥーリフ
ヴィンセント・ディステファノ – レイモンド・クルス
■その他
ラリー・パーヴィス – リーランド・オーサー
リプリー7号 – シガニー・ウィーバー

エイリアン4のスタッフ

監督 – ジャン=ピエール・ジュネ
脚本 – ジョス・ウィードン
製作 – ゴードン・キャロルデヴィッド・ガイラーウォルター・ヒルビル・バダラート
音楽 – ジョン・フリッゼル
撮影 – ダリウス・コンジ
編集 – ハーヴ・シュナイド
公開 – アメリカ 1997年11月28日/日本 1998年4月25日
上映時間 – 109分
タイトルとURLをコピーしました