あまりの退屈さに見るのをやめかけた(ファースト・キルの感想)
主人公ヘイデン・クリステンセン(アナキン・スカイウォーカーの人)はやり手のファンドマネージャー?か何かで、妻と息子を連れて故郷のオハイオ州グランビルを訪れる。森で鹿の撃ち方を息子に教えるクリステンセンだったが、怪しい二人の男の争いに巻き込まれ、思わず警官を射殺してしまう。動転した彼は、撃たれたもう一人の男(リーバイ)を家に連れて帰り、外科医の妻に手当てをさせるが、回復したリーバイは息子を人質にとって遁走。争い中に落とした鍵と引き換えに息子を返すという。このあたりの主人公の行動は意味不明に思えるが、なにか西部劇のフォーマットのような気もする。
実はリーバイは銀行強盗犯で、36kgもの癌(って??)を抱えた母親と暮らす恋人の家に転がり込んでいるのだが、少年とXboxで格ゲーに興じたりしており、少年にもほとんど父親のように接したりして、黒幕に騙された善良な人間として描かれる。
そうとも知らないクリステンセンは、監視していた警官を倒し、現場で拾った鍵で郵便局の金庫に隠された銀行の金を発見、リーバイに届けて息子を返してもらおうとするのだが…
というところまで見て、あまりの退屈さに見るのをやめかけたところで、ブルース・ウィリスの警察署長が実は銀行強盗の黒幕だということがわかったので、結局、最後まで見てしまった。
女優に意味のある役を与えない映画で、リーバイの恋人はあっさり殺されるし、少年の母親(ミーガン・レナード)は無駄に悪徳警官に拉致されてクリステンセンの足かせになるばかり。クライマックスはリーバイとブルースの単調な銃撃戦で、これまた退屈だった。
ブルース・ウィリスは60本以上の映画に出演したが、2010年代からは劇場公開されないビデオ映画に省力的に(つまり出演時間が短い)出ており、本作もそのひとつ。2年後の「ミスター・ガラス」ではもはや演技が難しい状態に陥ることを考えると、痛ましい思いにとらわれる。
ファースト・キルの見どころ
家族愛や正義といったテーマを描いたクライムアクションで、アクションシーンや緊張感のある展開が見どころである。ただしストーリーは予測が不可能で、キャラクターの描写も賛否が分かれるだろう。
- 見どころ1. 家族の絆と父性の試練がテーマ
主人公ウィルは、息子ダニーと狩猟に出かけて銀行強盗事件に巻き込まれ、息子を人質に取られる。ウィルは息子を救うために奔走し、父親としての責任や家族の絆が試される状況に直面する。家族愛や父性がテーマになっていると考えられる。 - 見どころ2. 警察の腐敗が描かれる
物語が進むと、地元警察署長ハウエル(ブルース・ウィリス)が銀行強盗事件の黒幕であることが明らかになる。法の番人であるはずの警察が腐敗しており、正義とは何か、誰を信じるべきかといった問いを投げかける。 - 見どころ3. とってつけたかのようなアクションシーン
森の中での追跡劇や銃撃戦など、緊張感あふれるアクションシーンがある。ウィルが息子を救うために犯人と対峙する場面など。 - 見どころ4. キャラクターの描写は…
ヘイデン・クリステンセンが家族を守るために奮闘する父親ウィルを熱演。ブルース・ウィリスは、表向きは正義感あふれる警察署長でありながら、裏では犯罪に手を染めるという二面性のあるキャラクターを演じる。 - 見どころ5. ストーリー展開がおかしい
ストーリーは予測が難しく、サスペンスとしての驚きに欠ける。警察の腐敗が明らかになる展開、ウィルが息子を救出する過程などには既視感がある。
ファースト・キルのあらすじ
息子ダニーが学校でいじめられていると知ったウィルは、息子との時間を過ごすため家族を連れて故郷の田舎町を訪れる。父子は森へ鹿狩りに出かけ、そこで二人の男が言い争いの末に、一方が一方を銃で撃つ現場に遭遇。ウィルとダニーも命を狙われ、ウィルは鹿狩り用のライフルでその男を仕留めた。もう一方の男にまだ息があると知ったウィルは、その男を連れ帰り応急処置を行うが、息を吹き返したその男リーバイは突然ダニーを人質に取り、撃たれた場所に連れて行けとウィルに要求。しかしそこで待ち伏せしていた警官と銃撃戦になり、ダニーはリーバイに連れ去られてしまった。
一連の事件の捜査を指揮するのは、ウィルと旧知の警察署長ハウエル。自分が射殺した男が警官だと知ったウィルは、真相を話せず、ダニーを救うため独自にリーバイとの取引を進める。しかし事件の裏には驚きの真実が隠されていた……。
ファースト・キルを観るには?
ファースト・キルのキャスト
ハウエル(警察署長) – ブルース・ウィリス
ダニー(ウィルの息子) – タイ・シェルトン
ローラ(ウィルの妻) – メーガン・レナード
リーバイ(銀行強盗犯) – ゲシン・アンソニー
リッチー(警察官) – ウィリアム・デメオ
ドッティ(ウィルの叔母) – デブ・G・ガードラー
チャーリー(警官) – シェイ・バックナー
アデル(リーバイの恋人) – マギ・アビラ
ファースト・キルのスタッフ
脚本 – ニック・ゴードン
製作 – ランドール・エメット、ジョージ・ファーラ、マーク・スチュワート
音楽 – ライアン・フランクス、スコット・ニッコリー
撮影 – ブランドン・コックス
編集 – トーマス・カルデロン
公開 – アメリカ 2017年7月21日(ビデオ発売)、日本 2018年1月16日
上映時間 – 101分