ロビン・ムーアによる同名のノンフィクション小説を原作とした1971年製作のアメリカ映画。原題は「The French Connection」。第44回アカデミー賞に8部門でノミネートされ、作品賞、 監督賞、 主演男優賞、 脚色賞、編集賞の5部門を受賞。
「フレンチコネクション」とはトルコからフランスを経由して米国に輸出されるヘロインの密売ルートのこと。1961年にNY市警本部薬物対策課のエドワード・イーガンとサルヴァトーレ・グロッソがフランスから密輸された麻薬約40キログラムを押収した実在の事件をモデルとしている。イーガンとグロッソはアドバイザーとして本作制作に協力し、カメオ出演もしている。
1975年に、ジョン・フランケンハイマー監督による続編『フレンチ・コネクション2』が制作された。
フレンチ・コネクションのあらすじ
NY市警本部薬物対策課で“ポパイ”とアダ名されるドイル刑事は、薬物捜査のベテランだが、捜査のためならば強引な手法も厭わない。麻薬の売人を逮捕した夜、相棒のルソーとナイトクラブ「コパカバーナ」に飲みに出かけると、有力マフィアの組長たちが妻同伴で来店しており、共にテーブルを囲んで札びらを切っている若い夫婦がいた。不審に思ったドイルとルソーが夫婦を捜査すると、表向きはブルックリンでデリカテッセンを営んでいるが、夫のサル・ボカは強盗事件などで何度か捜査対象になっていた。工員、郵便配達人などに変装して夫婦を見張るうち、サル・ボカがNYの麻薬取引の元締めマフィア・ワインストックの舎弟だと判明。サルは近いうちにフランスとのヘロインの大口取引を任されるという。
財務省麻薬取締部の捜査官たちと捜査を進めると、マルセイユの黒幕アラン・シャルニエがニューヨークを訪れていることが判明。シャルニエはリンカーンに麻薬を隠して密輸しようとする。シャルニエを執拗に追及するドイル。シャルニエは追及の手が迫ることを恐れて殺し屋ニコリをドイルのもとへ差し向ける。
フレンチ・コネクションの感想
45年ぶりぐらいに再見。全編ドキュメンタリータッチで(フリードキンは「Z」と「勝手にしやがれ」に影響を受けたと書いている)、子どものころ見たときは正直よくわからなかった(淀川長治が興奮していたのは覚えている)。
胡散臭いフェルナンド・レイが通りの向こうで歩いているところにキャメラがズームインすると、思わずブニュエル映画を思い出してしまう。レイは最後まで逃げきり、映画は銃声とともに断ち切られる。
執拗に分解したリンカーンが元通りになるからくりがよくわからないが、警察御用達の業者だからどうとでもなるということなのか。
フレンチ・コネクションのキャスト
“ポパイ” ジミー・ドイル – ジーン・ハックマン
“クラウディ” バディ・ルソー – ロイ・シャイダー
アラン・シャルニエ – フェルナンド・レイ
サルバトーレ・ボカ – トニー・ロビアンコ
アンリ・デブロー – フレデリック・ド・パスカル
ピエール・ニコリ – マルセル・ボズフィ
ウォルト・シモンソン – エディ・イーガン
ビル・クライン – ソニー・グロッソ
ビル・マルダリッグ – ビル・ヒックマン
アンジー・ボカ – アーリーン・ファーバー
フレンチ・コネクションのスタッフ
監督 – ウィリアム・フリードキン
脚本 – アーネスト・タイディマン
原作 – ロビン・ムーア
製作 – フィリップ・ダントーニ
製作総指揮 – G・デイヴィッド・シャイン
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フレンチ・コネクションの考察・レビュー
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