池井戸潤の小説(第1作:週刊ポスト連載2008年4月18日号~2009年5月22日号、2010年11月24日刊、第145回(2011年上半期)直木三十五賞受賞、第24回(2011年)山本周五郎賞候補、第2作『下町ロケット2 ガウディ計画』:朝日新聞連載2015年10月3日~、2015年11月5日に書き下ろし刊、2018年7月改稿版刊、第3作『下町ロケット ゴースト』:2018年7月刊、第4作『下町ロケット ヤタガラス』2018年9月刊)を原作として、2011年8月21日~9月18日の毎週日曜22時-23時にWOWOW「連続ドラマW」で放送。主演は三上博史。第29回ATP賞テレビグランプリ2012ドラマ部門・優秀賞。
2015年10月18日~12月20日にTBS系「日曜劇場」枠で『下町ロケット』『下町ロケット2 ガウディ計画』をベースとした前・後編2部構成、全10話が放送。2018年10月14日~12月23日に『下町ロケット ゴースト』『下町ロケット ヤタガラス』をベースとした全11話の続編が放送。さらに2019年1月2日、佃製作所の「その後」が「新春ドラマ特別編」として放送(原作の『ヤタガラス』までの物語が完結)。
下町ロケットの原作
下町ロケットの原作のあらすじ
下町ロケット
佃製作所のは、
佃製作所はある日突然、主要取引先の京浜マシナリーから取引終了の通知を受ける。資金繰りに困った社長・佃航平はメインバンクの白水銀行に3億円の融資を申し込むが、法廷戦略の得意な競合のナカシマ工業から特許侵害で訴えられ、融資は断られ、勝訴できても裁判が長期化すると倒産は免れ得ないピンチに陥る。
一方、巨額の資金を投じて新型水素エンジンを開発した帝国重工宇宙航空部から、佃製作所の持つ特許を20億円で譲ってくれと持ちかけられる。航平は、帝国重工が飛ばすロケットに佃製作所からの部品供給を目指すが、若手社員たちはリスクが高過ぎると反発し、航平は思い悩む。帝国重工宇宙航空部長・財前は、佃製作所の工場を見学して技術の高さに感心し、部品受け入れもありうると考えるが、財前を出し抜きたい部下・富山が「たかが町工場の部品搭載など」と見下す部品供給のテスト担当者になり、部品供給ではなく特許使用を主張する佃製作所の社員との部品テストが始まる……
下町ロケット ガウディ計画
数年後、佃製作所は量産を約束したはずの人工心臓用のバルブの取引が試作品段階で打ち切られ、NASA出身の社長・椎名が率いるサヤマ製作所に取引を奪われ、さらに帝国重工とのロケットエンジンの開発でもサヤマ製作所とのコンペに敗れてしまう。
そんなとき、かつての部下の真野から、心臓に埋め込む人工弁「ガウディ」の開発依頼が持ち込まれる。しかし、人工心臓開発の中心人物・貴船の弟子である一村の妨害により、開発に必要な実験開始の認可がおりず、資金も尽きて開発中止の窮地に。
しかし人工心臓の臨床試験の被験者急死の原因が、サヤマ製作所のデータ偽装によるバルブであることが発覚。佃製作所の人工弁は、実用化に向けてスタートを切ることに……
下町ロケット ゴースト
さらに数年後。佃製作所は大手農業機器メーカーのヤマタニへのエンジン納入取引が白紙になる。また、帝国重工でもアメリカ子会社の3千億円の不正会計による損失で経営が悪化し、ロケット打ち上げを推進していた社長の藤間の引退が囁れ、その影響で取引終了が時間の問題に。
さらに、経理部長・殿村の父親が倒れ、実家の農作業を掛け持ちせざるを得なくなる。殿村の実家を見舞った佃は経営難を乗り切るために農業への参入を決意。トラクターに使用するトランスミッション製造を目標に掲げ、トランスミッションのバルブ開発に乗り出す。
元帝国重工社員の伊丹(社長)と島津(副社長)が設立したベンチャー企業・ギアゴーストが、ヤマタニからトランスミッション開発を受注していると聞いた佃は受注コンペに参加して採用されることになったが、ギアゴーストは同業のケーマシナリーから特許侵害で訴えられる。裁判には勝利できたが、佃製作所のライバル企業・ダイダロスの社長重田は、伊丹の帝国重工への恨みを煽り、業務提携を結ぶ。島津はギアゴーストを退職し、佃製作所はギアゴーストに裏切られた形になって、またも窮地に。
一方、帝国重工は最後のロケット打ち上げを終え、財前は宇宙航空企画推進グループ部長として、ロケットを利用した農業への参入を宣言。殿村も農家を継ぐため佃製作所に辞表を提出した……
下町ロケット ヤタガラス
ギアゴーストを退社した島津は佃製作所の開発メンバーから慕われたつつ去った。佃たちはギアゴーストを訪れるがとりつく島もなく、ヤマタニに納めるはずだったトランスミッションは棚上げされてヤマタニの開発に関わると伊丹から決別を言い渡された。
そんな中、農業参入を宣言した財前からの依頼で無人農業用ロボットの開発を行う野木を説得した佃は、帝国重工、野木と無人農業用ロボットの開発をすることに。しかし、そのプロジェクトを嗅ぎつけた帝国重工の反藤間の筆頭・的場によってプロジェクトが奪われ、エンジンとトランスミッションは帝国重工内製化に方針変更される。
一方、業務提携を結んだダイダロスとギアゴーストは過去に野木から技術を盗んだキーシンと手を組み、無人農業用ロボットプロジェクト(通称「ダーウィンプロジェクト」)を立ち上げ、帝国重工と的場に宣戦布告。重田への過去の仕打ちを暴いた報道によって、次期社長と見られていた的場の社長就任は延期となり、藤間の続投が決まった。ダーウィンプロジェクトと帝国重工のプロジェクトは、デモンストレーションで対決したが、帝国重工は完敗。エンジンとトランスミッションは当初の予定どおり佃製作所への外注に再度方針変更される。
トランスミッションのノウハウが不足していると判断した佃は、役員待遇で島津を呼び寄せ、トランスミッションとエンジンの開発を進め、ダーウィン以上の性能を持つエンジンとトランスミッションを完成させる。
帝国重工・的場に対する伊丹、重田の復讐心、日本の農業の未来に懸ける佃、島津、財前の思い、帝国重工の威厳を背負う宇的場など、それぞれの思惑が入り乱れる中、帝国重工の無人農業用ロボット(ランドクロウ)とダーウィンプロジェクトの無人農業用ロボット(ダーウィン)が発売。ランドクロウの売上は芳しくなかったが、ダーウィンも不具合が多数報告され……
下町ロケットの原作を読んだ人の感想
ドラマ下町ロケット
ドラマ下町ロケット(WOWOW版)の感想(2023/7/23)
BSでWOWOW版を放映しているのでなんとなく見ている。次週が最終回なのでそろそろ感想を残しておこう( WOWOW版にはガウディもゴーストもヤタガラスもない)。
キャスティングではやはり日曜劇場版のほうが「やるな」という感じなのだが(最大の違いは、財前部長が 吉川晃司ではなく 渡部篤郎というところだ)、原作の良さで面白い。と書くとキャスティングが悪いようだが、原作ともTBS版とも違う女弁護士(神谷先生)を演じる 寺島しのぶを含め、意外と楽しめる。
ドラマ下町ロケット(WOWOW版)のキャスト
佃航平 – 三上博史
江原春樹 – 池内博之
真野賢作 – 綾野剛
山崎光彦 – 松尾諭
津野薫 – 光石研
殿村直弘 – 小市慢太郎
田辺篤 – 井上高志
航平の家族
佃利菜 – 美山加恋
佃和枝 – 長内美那子
帝国重工
鈴木智美 – 原田夏希
富山敬治 – 眞島秀和
浅木誠一 – 忍成修吾
田村 – 升毅
藤間秀樹 – 田村亮
財前道生 – 渡部篤郎
宇宙科学開発機構
本木孝 – 堀部圭亮
大場一義 – 古谷一行(特別出演)
和泉沙耶 – 水野真紀
ナカシマ精機
三田公康 – 佐藤二朗
大川京一 – 小木茂光
その他
神谷涼子 – 寺島しのぶ
財前冬美 – 奥田恵梨華
岩崎 – 螢雪次朗
裁判官 – 相島一之
須田 – 津田寛治
根木節生 – 阿南健治
テレビリポーター – 羽田沙織
ドラマ下町ロケット(WOWOW版)のスタッフ
監督 – 鈴木浩介、 水谷俊之
脚本 – 前川洋一
音楽 – 羽岡佳
エンディングテーマ – エルヴィス・コステロ「スマイル」(ユニバーサルインターナショナル)
撮影 – 柳田裕男
照明 – 宮尾康史
録音 – 重松健太郎
編集 – 石川浩通
美術 – 乙竹恭慶
衣裳 – 冨樫理英、工藤あずさ
サウンドデザイン – 石井和之
取材協力 – 富士精工
ロケット技術指導 – 名村栄次郎(JAXA)、黒須明英(JAXA)
地域産業指導 – 石井芳明(経済産業省)
エンジンバルブ指導 – 堤正明(富士精工)
工作技術指導 -杉本久雄(東京都立城南職業能力開発センター)
医療指導 – 佐々木理恵、渡邊絵美
法律指導 – 鈴木喜久子(九段法律事務所)、五十嵐康之(九段法律事務所)
VFXプロデューサー – 城戸久倫
技術協力 – オムニバス・ジャパン
美術協力 – 東京美工
プロデューサー – 青木泰憲、土橋覚
制作協力 – 東阪企画
協力 – JAXA、大田区
製作著作 – WOWOW
ドラマ下町ロケット(WOWOW版)を観る
ドラマ下町ロケット(WOWOW版)を観た人の感想
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ドラマ下町ロケット(TBS版)の感想
原作(朝日新聞に連載中)はどうか知らないが、ナカシマ工業との訴訟を冒頭2話で完結させる構成はうまいと思う。「” show=””]半沢直樹” show=””]」を超えるヒットになるかどうかは、抑えられている 土屋太鳳の使い方次第だろう。(2015/11/1)
満を持しての今季の本命で、放映に合わせて中小企業庁とコラボした下請取引講習会の新聞全面広告が出た( 阿部ちゃんに佃製作所 佃航平のキャプションが付いている)。
キャスティングも凝っているのだが、 イモトアヤコが佃製作所のバルブに涙を流す初回で、つかみは十分である。(2018/10/16)
新春スペシャルをようやく見た。正月らしくいろいろ盛りだくさんで、台風のくだりなどおかしいのだが、ここまで見ないと話が完結しない。尾上菊之助が高橋努を一喝するシーンはさすがの迫力だった。(2019/03/04)
ドラマ下町ロケット(TBS版)のキャスト
佃航平 – 阿部寛
佃利菜 – - 土屋太鳳
佃和枝 – - 倍賞美津子
佃製作所
山崎光彦 – 安田顕
津野薫 – - 中本賢
木田篤 – 谷田歩
殿村直弘 – 立川談春
江原春樹 – 和田聰宏
迫田滋 – 今野浩喜
埜村耕助 – 阿部進之介
立花洋介 – 竹内涼真
川本浩司 – 佐野岳
鈴木健児 – 堀井新太
加納アキ – 朝倉あき
軽部真樹男 – 徳重聡
本田郁馬 – 山田悠介
佐伯文也 – 松川尚瑠輝
上島友之 – 菅谷哲也
仁科美咲 – ぼくもとさきこ
島津裕 – イモトアヤコ
帝国重工
財前道生 – 吉川晃司
藤間秀樹 – 杉良太郎
富山敬治 – 新井浩文
水原重治 – 木下ほうか
石坂宗典 – 石井一孝
安東仁 – 國本鍾建
溝口 – 六角慎司
田村 – 戸次重幸
近田 – 近藤公園
浅木捷平 – 中村倫也
的場俊一 – 神田正輝
奥沢靖之 – 福澤朗
沖田勇 – 品川徹
安本年男 – 古坂大魔王
弁護士
神谷修一 – 恵俊彰
中川京一 – 池畑慎之介
田辺弁護士 – 阿藤快
末長孝明 – 中村梅雀
青山賢吾 – 中山優貴
ナカシマ工業
三田公康 – 橋本さとし
大泉 – 大河内浩
白水銀行
柳井哲二 – 春風亭昇太
根木節生 – 東国原英夫
JAXS
和泉沙耶 – 真矢ミキ
三上孝 – 吉見一豊
北陸医科大学
一村隼人 – 今田耕司
真野賢作 – 山崎育三郎
高橋圭太 – 高橋曽良
中島聖人 – 庵原匠悟
桜田経編
桜田章 – 石倉三郎
桜田結 – 吉田美優(ami〜gas)
桜田努 – 永澤俊矢
アジア医科大学
貴船恒広 – 中村歌昇
サヤマ製作所
椎名直之 – 小泉孝太郎
中里淳 – 高橋光臣
横田信生 – バカリズム
月島尚人 – 福田転球
椎名直久 – 吉田類
日本クライン
久坂寛之 – 平岳大
藤堂保 – 瀧川英次
PMEA
滝川信二 – 篠井英介
山野辺敏 – 大鷹明良
その他
徳田 – ルー大柴(第1話)
大場 – 大石吾朗(第1話)
村田 – 小松利昌(第1話)
田端 – 上杉祥三(第2話)
高瀬 – 成河(第2話)
財前信生 – 田村泰二郎(第3話)
青山洋貴 – 金剛地武志(第3話)
小西悟 – 児島功一(第8話)
咲間倫子 – 高島彩(第9話 – 最終話)
飯塚 – ヨシダ朝(最終話)
ギアゴースト
伊丹大 – 尾上菊之助
柏田宏樹 – 馬場徹
坂本菜々緒 – 菅野莉央
氷室彰彦 – 高橋努
堀田文郎 – 宮尾俊太郎(第8話 – )
ダイダロス関係者
重田登志行 – 古舘伊知郎
重田登志信 – 中尾彬(特別出演)
ダーウィン・プロジェクト
戸川譲 – 甲本雅裕
北堀哲哉 – モロ師岡
蔵田慎二 – 坪倉由幸
入間尚人 – 丸一太
殿村家
殿村正弘 – 山本學
殿村恭子 – 立石涼子
殿村咲子 – 工藤夕貴
農業法人
稲本彰 – 岡田浩暉
吉井浩 – 古川雄大
その他
野木博文 – 森崎博之
神田川敦 – 内場勝則
辰野 – 六角精児
蒔田 – 山本圭祐
浜畑首相 – 森次晃嗣
ドラマ下町ロケット(TBS版)のスタッフ
原作 – 池井戸潤
ナレーション – 松平定知
音楽 – 服部隆之(2015年版はメインテーマのみ)、兼松衆、田渕夏海、中村巴奈重(兼松・田渕・中村→2018年版は音楽協力)
法律監修 – 鮫島正洋(内田・鮫島法律事務所)
プロデューサー – 伊與田英徳
演出 – 福澤克雄、 田中健太
製作著作 – TBS
原作 – 『下町ロケット』(小学館文庫刊)、『下町ロケット2 ガウディ計画』(小学館刊)
脚本 – 八津弘幸、 稲葉一広(ガウディ編)
脚本協力 – 稲葉一広(ロケット編)
ナレーション – 古谷有美(特別篇)
弁護士監修 – 國松崇(TBS)、池田大介
プロデューサー – 川嶋龍太郎
演出 – 棚澤孝義
2018年版
原作 – 『下町ロケット ゴースト』『下町ロケット ヤタガラス』(小学館刊)
脚本 – 丑尾健太郎、 槌谷健、 神田優、 吉田真侑子
脚本協力 – 槌谷健、吉田真侑子、神田優
劇中歌 – LIBERA 「彼方の光」[38][39]「ヘッドライト・テールライト」[40]
弁護士監修 – 羽田野昌子
無人トラクター監修 – 野口伸(内閣府SIP)[41]
宇宙航空技術監修 – 堀秀輔 (宇宙航空研究開発機構(JAXA)) [42]
特別協力 – 新潟県燕市
映像協力 – 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
撮影技術協力 – クボタ
撮影協力 – 新潟放送
撮影特別協力 – フジキン、桂川精螺製作所、イサミコーポレーション
技術指導 – 富士精工、堤正信
画面制作 – 本田貴雄、PDトウキョウ
動画素材 – PIXTA
ロケットエンジン運搬協力 – 赤帽 ひろせ運送、ツルミ梱包、椿運輸
プロデューサー – 峠田浩
演出 – 青山貴洋、 松木彩
ドラマ下町ロケット(TBS版)を観る
ドラマ下町ロケット(TBS版)を観た人の感想
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