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ダークサスペンスだが原作と結末を変えている(他人は地獄だの感想)
何やら日野日出志ふうの不気味なウェブトゥーンが原作で、知らなかったが、今週末には日本版の映画も公開されるらしい。
主人公イム・シアン(ミセン」の主人公で有名な人)は面倒見のいい先輩の会社でインターンに誘われ、京畿道から上京した青年。あてもなく小説を書いているのだが、実は軍隊経験者でもある。
貧乏な彼がソウルで腰を落ち着けたのが家賃25万ウォン(今日のレートで2万7000円ほど)の考試院。受験者用の簡易宿泊所と説明されるが、2畳ほどしかない牢獄のような部屋で、シャワーと便所は共有。目が笑っていない大家のおばさんと得体の知れない居住者がいて、実は全員が連続殺人犯というヒドイ話である。
主人公は友人のいない孤独な青年で、なぜか恋人がいるのだが、無口のため異常な状況を正確に伝えることができずに孤立し、ノイローゼに陥る。クライマックスが近づくにつれ、苦悩が極大化していく演技は見ものだった。しかし、逃げ出すでもなく、反撃するでもなく、警察への通報すらまともにできない有様なので、観ている側は苛々してしまうが、それには訳があることが最後にわかる。この伏線は第1話から張られている。
唯一の味方は交番巡査のアン・ウンジン(韓国版の「終末のフール」のヒロインを演じているらしい)なのだが、刑事ではないので捜査権限がない。この巡査には刑事を定年退職した引退した慧眼の父がいたりして、彼女が現れるとホッとするように作られている。
彼の国には性犯罪者をGPS付きの電子足輪で管理する法律があるらしいのだが、それを嵌めた、最後までランニング姿の変態居住者や双子の知恵遅れなど、役者の演技は鬼気迫った。歯科医のイケメンがボスで、これは「トッケビ」で有名なイ・ドンウクとのこと(私は見ていないが)。
人に勧めるには陰惨すぎ、暗すぎで、だから日本版もみるつもりはないのだが、一応、最後まで楽しめたドラマだった。
タイトルはサルトルの「出口なし」から。この物語に当てはまると、自意識過剰ということになる。
他人は地獄だ 見どころ
2019年に放送された韓国のテレビドラマシリーズ。原題は「타인은 지옥이다」。キム・ヨンギの同名のNaver WEBTOON(ウェブトゥーン)が原作で、主演はイム・シアンとイ・ドンウク。映画とドラマの形式を融合させたOCNの「Dramatic Cinema」プロジェクトの第2作目。都市生活における孤独や人間関係の恐怖をリアルに描いた作品。サイコスリラーとしての完成度が高く、哲学的なテーマや心理的な描写が評価されている。
- 見どころ1. タイトルの意味は?
タイトルは、ジャン=ポール・サルトルの戯曲『出口なし』の中の「地獄とは他人である」というセリフに由来。この言葉は、他人の視線や評価が自己を縛るという哲学的な概念を示しており、ドラマでは、主人公ジョンウが他人との関係性の中で精神的に追い詰められていく。 - 見どころ2. ムンジョのサイコパスの描写
イ・ドンウク演じる歯科医ムンジョは、一見親切で紳士的な人物だが、次第に本性が明らかになる。
彼の冷酷な行動やジョンウへの執着は、視聴者に強烈な印象を与え、サイコパス的なキャラクターの恐怖をリアルに描く。 - 見どころ3. 考試院という閉鎖空間の不気味さ
舞台である考試院は、狭くて薄暗い通路や個室が並ぶ閉鎖的な空間で、独特の雰囲気が不安感を増幅させる。住人たちの奇妙な行動や言動も相まって強い緊張感が漂う。 - 見どころ4. 視聴者の心理的反応と倫理的な問い
ジョンウが上司を殴ったシーンやムンジョがジョンウの先輩を殺害するシーンは爽快感を感じさせるよう撮られているが、それが逆に作り手の問いとなっている。 - 見どころ5. 原作との違い
原作のWeb漫画は、ジョンウが最終的に殺人を犯す展開。この改変により、ドラマ版はジョンウの内面の変化や成長に焦点を当て、視聴者に希望を持たせる終わり方となっている。
他人は地獄だ あらすじ
主人公、ユン・ジョンウ(イム・シアン)は先輩が経営する会社でのインターンシップが決まり、ソウルに上京し、金銭的余裕がないため「エデンスタジオ」という不気味で安価な下宿に住むことを決める。だが、そこには異常な住人たちが済んでいた。金を貯めるまで我慢しようと決意するが、謎の出来事が次々と起こり始めて……
他人は地獄だを見るには?
他人は地獄だ キャスト
ソ・ムンジョ – イ・ドンウク
オム・ボクスン – イ・ジョンウン
ユ・ギヒョク – イ・ヒョヌク
ピョン・ドクチョン – パク・ジョンファン
ホン・ナムボク – イ・ジュンオク
他人は地獄だ スタッフ
演出 – イ・チャンヒ(『死体が消えた夜』)
脚本 – チョン・イド(「アイテム~運命に導かれし2人~」「君を守りたい~SAVE ME~」)
『他人は地獄だ』は、一見ベタなようですが、多重構造をもち、時代劇ひいては映画への愛情にあふれた映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。
他人は地獄だ 原作コミック
会社を設立した先輩のもとで働くことになり、地方から上京してきたユウ。ユウが上京生活の拠点として選んだのは、とある下宿だった。狭く壁も薄い部屋だったが、実家を離れて始まる一人暮らしにユウは心を躍らせていた。しかしある日、同じ下宿に住むヤクザ風の男がユウに忠告をする……「ここの住人には気をつけろ」ユウに殺気立った視線を送る204号室のヤマや不気味な笑い声をする206号室のマルに下宿の管理人のフク、そしてユウの隣に住む203号室のハシラ。そこに住んでいたのは奇妙な住人たちだった……