冷酷なトヨエツの変態ぶりが心に残る(ドラマ 地面師たちの感想)
大根仁がコンゲームを描くとこうなるのかと。
ハリウッドのそれのような洒落た台詞を呟くのは変態のトヨエツだけで、男4女1という戦隊物的なメンバーの面々は誰も同感していない。
ややこしい地面師詐欺の仕組みをチュートリアル式に解説する手際は「マルサの女」に倣ったものであろう。だから想定外の事態に慌てつつ「アドリブで」乗り切る描写にはグルーヴ感がある。
トヨエツの変態ぶりはオヨヨ大統領のマンガ的な冷酷さを思わせるもので、一人生き残って煙のように姿を消すという大時代な終わり方もそうだと思えば首肯できる(原作では続編がある)。
63億円を騙し取られた2017年の積水ハウス地面師詐欺事件については、ドラマの中でも解説されるが、ここではほぼ同じ手口で石洋ハウスから115億を荒稼ぎする話になっている(本当の所有者から内容証明つきの手紙が来たのに他社の妨害と思い込んで無視するというのも実話)。現実では結局旭化成がくだんの土地を正式に契約取得しているので、積水ハウスは二重に惨めだっただろう。
しかしあれだけ簡単に人を殺すのなら(そのへんは韓国ドラマを意識している気がする)、初めから土地の所有者を殺しちゃえばいいのに、というのが家人の意見だった。
残念ながら、池田エライザは要らない役だが、序盤のアクションは良かった。
地面師たち 見どころ
『地面師たち』は新庄耕氏の同名小説を原作とし、実在の事件を基にしたリアリティと、複雑なキャラクターの心理描写が特徴のクライム・サスペンスドラマ。昭和と令和の価値観の対比、スリリングな展開が視聴者を惹きつけ、一気見してしまう中毒性がある。音楽や映像表現も高く評価されており、日本のドラマとしては異色と言える。視聴者の評価は、「綾野剛演じるクールで計算高い詐欺師の冷徹な表情と、時折見せる人間らしい感情がたまらない」「理知的で破滅的。こういうトヨエツが見たかった」「内容が濃いのでバラバラと観ていると忘れちゃうかもと思ってイッキミした」など概ね高い。
- 見どころ1. 実在の事件を基にしたリアリティ
2017年に発生した大手企業が約55億円を騙し取られた実際の地面師詐欺事件がモデル。詐欺の手口や組織の構造が詳細に描かれており、視聴者にリアルな緊張感を与える。 - 2. キャラクターの複雑な心理描写
辻本拓海(綾野剛)は過去の復讐心から地面師の世界に足を踏み入れる。内面の葛藤や、リーダーであるハリソン山中(豊川悦司)の冷酷さとカリスマ性が物語を深める。スリルを求める欲望から行動するハリソンのキャラが強烈。 - 3. 昭和と令和の価値観の対比
バブル期を生きた昭和の親父たちと、コンプライアンスを重視する令和の世代が登場。価値観の違いや、利害関係で繋がる人間関係は、現代社会の縮図である。
地面師たち あらすじ
2017年、再び土地価格が高騰し始めた東京。伝説の大物地面師・ハリソン山中に誘われ地面師詐欺の道に踏み込んだ辻本拓海。それぞれにプロフェッショナルな犯罪者数名で構成された地面師グループの彼らは、緻密かつ周到な計画で大手デベロッパーに詐欺を仕掛け、巨額を巻き上げていた。そんな彼らが次なるターゲットに選んだのは、時価100億円とも言われる土地。前代未聞の詐欺に挑む一方で、かつてハリソンを逮捕寸前まで追い込みながら、結局逮捕することができなかった定年間近の刑事・辰は、新人刑事と共に独自の捜査を開始していた。騙す側と騙される側、そして刑事の三つ巴の争いは、次第に拓海の「過去」とハリソンの「因縁」を浮き彫りにしていく。
地面師たちを観るには?
地面師たち キャスト
辻本 拓海 – 綾野剛
ハリソン 山中 – 豊川悦司
後藤 義雄 – ピエール瀧
稲葉 麗子 – 小池栄子
竹下 – 北村一輝
オロチ – アントニー
長井 – 染谷将太
佐々木 丈雄 – 五頭岳夫
谷口 俶恵 – 小林麻子
■警察
○警視庁捜査二課
辰/下村 辰夫 – リリー・フランキー
倉持 玲 – 池田エライザ
羽場 – 岩谷健司
大久保 将也 – 平原テツ
○その他
刑事、捜査員 – 宮沢大地、荒谷清水、中野英樹、植木紀世彦
警官 – 斉藤一平、真田幹也、祐村要、山本篤
■ターゲット
○マイクホームズ
真木 悠輔 – 駿河太郎
日高 直人、吉岡 将太 – 遠藤史也、平岡亮
○石洋ハウス
青柳 隆史 – 山本耕史
須永 – 松尾諭
安倍川 久雄 – 谷川昭一朗
大谷 – 清水伸
二宮、屋敷、原口、山内、高須 – 田野倉雄太、松本ししまる、青野竜平、塩顕治、杉崎シュンペーター
和田島 努 – 本田清澄
秘書 – 美乃すずめ
取締役 – 鎌田規昭、岡太郎、山下秀光、志村勝、小林やすひろ
社員 – 岡本智礼、堀丞、藤堂日向、粕谷吉洋、嶋村太一、池村匡紀、吉田庸、山本泰弘
○ABIRUホールディングス
阿比留 剛 – 安井順平
■光庵寺
川井 菜摘 – 松岡依都美
■周辺人物
楓 – 吉村界人
林 利勝 – マキタスポーツ
西谷 哲也 – 赤堀雅秋
久保田 昌志 – オクイシュージ
■拓海の家族
辻本 正海 – 猪俣俊明
拓海の母 – 水木薫
辻本 詩織 – 清水葉月
辻本 俊海 – 渋谷そらじ
■辰の家族
下村 佐恵子 – 川上麻衣子
友里 – 市原茉莉
辰の孫 – 鈴木玲奈、大野夏希
辰の娘の旦那 – 斉藤佑介
■その他
ニュースキャスター、リポーター – 竹内義貴、高松綾香、片野晴道、山崎彩、打田マサシ、浅野夏実
作業服の男 – ビクター、ブリース、ファイサ、ペルシ
地面師たち スタッフ
地面師たちの原作
る事件で妻子を亡くした拓海は、大物地面師・ハリソン山中のもとで不動産詐欺を行っていた。次に狙うのは市場価値100億円という前代未聞の物件。一方、定年間近の刑事・辰は、彼らを追ううちにハリソンが拓海の過去に関わっていたことを知る。一か八かの詐欺取引、難航する捜査。双方の思惑が交錯した時、衝撃的な結末が明らかに──。圧倒的なリアリティーで描く、新時代のクライムノベル。