1994年のアメリカ映画。原題は「The River Wild」。
激流のあらすじ
川下りにやってきたゲイルと夫トム、息子ローク、愛犬マギーの一行は、ガイドに逃げられて立ち往生しているウェイドとテリーに乞われ、2艘で行動することになる。実は二人は逃亡中の強盗犯だったことを知り、ゲイルとトムは2人を置き去りにしようとするが見つかって失敗。ウェイドは銃で一家を脅し、ボートをゲイルに漕がせ、車を用意したガントレット(3本の川の合流点で、大きな滝壺があり、通行が禁止されている最高クラスの難所)の先まで行くことを要求する。
トムは隙を見て山側へと逃亡を図り、山の頂上から狼煙を上げて無事であることをゲイルとロークに伝えたが、トムは山側からガントレットに先回りし、朽ちた給水塔と錆びたクレーンを発見するが……。
激流の感想
舞台はアイダホ州のサーモンリバー、これは「帰らざる河」の舞台なのではないだろうか(ロバート・ミッチャムとモンローが筏で下った川だ)。もっとも、ロケ地はモンタナ州クートネー川などアメリカ南西部らしい。
ストーリーは単純で、家族恒例の川下り休暇に牛の競売金を強奪した逃亡犯2人が乱入し、ともに川を下り続けることになるというもの。逃亡犯のリーダーがいかにも悪そうなケヴィン・ベーコン、家族を率いるカヌーの名手がメリル・ストリープ(当時45歳だが、スタントなしというのが凄い)で、建築家のワーカホリックの夫、小学生の息子、それと犬という構成。元リバーガイドのストリープが十代のときに挑んで仲間は死んだという急流の難所「ガントレット」を呉越同舟の4人(犬と夫は途中で脱落)は制覇できるか?
逃亡犯たちがわざわざ川下りで逃げているのは警察の裏をかくためで、車が待つ地点まで舟で移動しようという作戦なのだが、途中で脱出した夫と犬は川から上がって先回りし、ガントレットに逆転のための罠を仕掛ける。それならベーコンも陸路で移動すればいいのに、という脚本はやや興醒め。そもそも罠はガントレットの前でないと意味ないのでは?
文字通りの激流に翻弄されながら転覆すれすれに滝壺を回避していくボートはどうやって撮影したものか。銃を突きつけられた状態から、ガントレットに近づくにつれて急に張り切り、立場逆転でベーコンたちをあごで使いながら激流を楽しむストリープの演技も見どころ。
激流のキャスト
ゲイル・ハートマン – メリル・ストリープ
ウェイド – ケヴィン・ベーコン
トム・ハートマン – デヴィッド・ストラザーン
ローク・ハートマン – ジョゼフ・マゼロ
テリー – ジョン・C・ライリー
ウィラ・ハートマン – ステファニー・ソーヤー
森林監視員 ジョニー – ベンジャミン・ブラット
フランク – ウィリアム・ラッキング
ゲイルの母 – エリザベス・ホフマン
ゲイルの父 – ヴィクター・ギャロウェイ
レンジャー – ダイアン・デラーノ
レンジャー – トーマス・F・ダフィ
警官 – グレン・モーシャワー
バイオリニスト – ポール・カンテロン
激流のスタッフ
監督 カーティス・ハンソン
脚本 デニス・オニール
製作 デイヴィッド・フォスター、ローレンス・ターマン
製作総指揮 レイモンド・ハートウィック、イロナ・ハーツバーグ
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
撮影 ロバート・エルスウィット
編集 デヴィッド・ブレナー、ジョー・ハッシング
公開 アメリカ 1994年9月20日 日本 1995年4月22日
上映時間 112分
激流を観る
激流の予告映像
激流を観た人の感想
- 激流(ミディアムレアに映画を語る)
- 『脱出』(Deliverance)[’72]『激流』(The River Wild)[’94](間借り人の映画日誌)
- 掘り出し物の乗り物パニック映画!「激流」(のざわあらし)