静かなる海

ペ・ドゥナ(静かなる海)
ペ・ドゥナ(静かなる海)

2021年12月24日から配信されているNetflixオリジナルドラマ。原題は「고요의 바다(英題「The Silent Sea」)。静かなる海は月の別称である。2014年に同名の短編映画を演出したチェ・ハンヨン監督が再演出。脚本はク・ウンギョ。

静かなる海のあらすじ

砂漠化によって水も食料も枯渇してしまった未来の地球。月に派遣された特別チームの隊員たちは、今や廃墟となった月面の研究施設から謎のサンプルを回収する任務に就くが、彼らを待ち受けていたのは月面に沈む恐ろしい秘密だった。

静かなる海の感想

韓国では珍しいSFなのだが、登場人物が11人だったり、野生的なクローン少女が出てきたり、なんとなく萩尾望都的な世界観に通じそうな切ない話を、海=豊穣な水のイメージで繋いでいる。なかなかの佳作である。

動物行動学者のペ・ドゥナは、航空宇宙局の命により、謎のカプセルを回収するために、水資源が枯渇した地球から、閉鎖された月基地に送られる。チームはエンジニアや医師、軍人ら11人。ペ・ドゥナは基地の研究責任者だった姉からの最後のメッセージ「ルナを探せ」の意味を知るために参加したのだった。

基地の閉鎖理由は放射能漏れとされていたが、その痕跡がないにもかかわらず、大量の溺死した研究員が発見された。一行は秘密とされていたカプセルの中身が「月の水」と呼ばれるウイルスで、研究員たちの死因との関連を突き止める。月の水は生体に取り込まれると無限に増殖し、肺を満たして溺死させてしまうのだった。

ほぼ全編が基地内を舞台とするため単調になりがちなところを、のっけから着陸に失敗して自力で地球に戻れなくなったり、当局が揉み消したクローン体実験を揉み消そうとする韓国政府や航空宇宙局の局長の思惑や基地閉鎖の経緯が明らかになったり、月の水とバランスをとって繁茂する地下植物が出てきたり、資源を付け狙うマフィアのスパイがメンバーに潜んでいたり、と最後まで飽きさせない作りになっている。「エイリアン2」のニュートのような役割で野獣化したクローン少女が登場する。

ラストはなんだか曖昧に終わっているが、ルナは金魚のクローンだから空気がなくても生きられるのだろう。隊長は生きていると思う。

静かなる海のキャスト

ソン・ジアン博士 – ペ・ドゥナ:宇宙生物学者。
ハン・ユンジェ探査隊長 – コン・ユ
リュ・テソク大尉 – イ・ジュン:チーフエンジニア。

静かなる海のスタッフ

原作 – チェ・ハンヨン
制作 – パク・ウンギョ、チェハンヨン
監督 – チェ・ハンヨン
美術 – イナギョン

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