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高嶺の花

4.0
石原さとみ(高嶺の花) ドラマ
石原さとみ(高嶺の花)
は、『高嶺の花』(たかねのはな)は、2018年7月11日から9月12日まで毎週水曜日22時 – 23時に、日本テレビ系の「水曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマである。主演は石原さとみ。

高嶺の花の感想

ファーストインプレッション

野野島伸司脚本でいやな予感しかしないのだが、#石原さとみ は着実に杜撰な設定のキャラを演技で埋めており、大したものだと思う。1話クライマックスは峯田和伸とのちゃぶ台朝食シーンをひどく感動的なものにしているのは、石原の演技力あってのことだ。

最終回まで観て

このドラマ、評判が悪かったのか。「半分、青い。」と並んで炎上ドラマと揶揄されているようだが、自分は最後まで面白く見て、台詞など「うまいもんだ」とすら思った。伏線未回収などとも指摘されているらしいが、何を見ているのか。

最終回には男優二人が死んだんじゃないかと思わせるシーンがあるのだが、何ごともなかったように長く幸福なハッピーエンドに続いている。野島伸司のセルフパロディというか、それがテーマだったということだろう。

高嶺の花の見どころ

本作の最大の見どころは、「圧倒的な美」と「素朴で不器用な醜」が同じフレームに収まる異様さである。
石原さとみ演じる月島ももは、華道家の名門に生まれ、美貌・知性・才能すべてを兼ね備えた“高嶺の花”。対する商店街の自転車店主・直人(峯田和伸)は、地味で冴えず、社会の片隅で生きる存在である。2人の邂逅は、ディズニーの「美女と野獣」や『シンデレラ』の構図を逆転させ、現代日本の価値観を問う寓話へと昇華している。
峯田和伸が放つ“生々しい不器用さ”は、よくあるイケメンキャストなら絶対に成立しない。リアリティのある“弱者”としての直人像を作り上げ、ももの美とぶつかり合うことで物語に深みが生まれている。

もうひとつの軸は、華道が象徴する「創造と破壊」。
名門・月島流の家元争い、師弟間の確執、芸術家としての孤独。
華道の世界は、外から見れば優雅だが、内実は権力闘争や嫉妬が渦巻く修羅場。もも自身が花をいけるシーンは、単なる芸術表現ではなく、彼女の内面を投影した心理劇になっている。花が活けられるときの息を呑むような緊張感、花器にぶつかる水音、剪定ばさみの鋭い音がドラマに独特のリズムを与え、視覚と聴覚で魅せる。

島伸司作品らしい、過剰なまでに屈折した愛の形も見どころ。
ももと直人の関係は、いわゆるラブコメの甘さを超え、「相手を壊してでも手に入れたい」「自分が壊れても愛したい」という狂気を帯びている。
登場人物それぞれの“愛の欠落”がサイドストーリーに散りばめられ、メインの恋愛を立体的にしている。
この“痛みを伴う愛”が、視聴者に「愛とは何か」「人はなぜ愛にすがるのか」という問いを投げかける。

石原さとみが演じた月島ももは、単なる“美人ヒロイン”ではなく、プライドが高く、脆く、時に残酷で自己破壊的なキャラクター。これまでの「可愛い石原さとみ」のイメージを覆し、エッジの効いた演技で新たな境地を見せている。特に第1話での直人との出会いから心を揺らしていく過程や、後半の暴走は圧巻で、「彼女の美がドラマの毒になる」瞬間が幾度も訪れる。

このような視点で『高嶺の花』を観れば、単なる恋愛ドラマではなく、「愛と芸術の毒をまとう寓話」であることがわかる。

高嶺の花のあらすじ

華道の名門「月島流」の令嬢・月島ももは美しく才能豊かで、すべてに恵まれていたが、婚約者に裏切られ結婚が破談となり、深く傷つき立ち直れずにいた。そんなある日、ももは転んで自転車を大破させ、迷い込んだ商店街で自転車店を営む風間直人と出会う。ももは、直人が周りから“ぷーさん”というニックネームで呼ばれ、愛されていること知り、彼のことが気になりはじめ、行動を共にするように。ももは少しずつ心が癒やされていく。

高嶺の花を観るには?

高嶺の花 キャスト

月島もも(華道「月島流」本家の長女) – 石原さとみ(幼少期:仙波茜[2])
風間直人(自転車店店主) – 峯田和伸
月島家
月島なな(ももの異母妹) – 芳根京子
月島市松(「月島流」第15代家元) – 小日向文世
月島ルリ子(市松の後妻) – 戸田菜穂
高井雄一(月島家の運転手) – 升毅
月島千恵子(ももの実母)
金(月島家使用人) – 正司照枝
銀(月島家使用人) – 正司花江
商店街
今村佳代子(スナック喫茶のママ) – 笛木優子
田村幸平(タクシー運転手) – 袴田吉彦
今村芽衣(佳代子と幸平の娘) – 田畑志真
原田太郎(精肉店店主) – 吉田ウーロン太
原田由美(太郎の妻) ‐ 奥田恵梨華
原田秋保(太郎と由美の娘) – 髙橋ひかる
その他
宇都宮龍一(イケメン華道家) – 千葉雄大
神宮兵馬(京都の華道名家当代家元の嫡子) – 大貫勇輔
モブ(兵馬のアシスタント) – 山中柔太朗
新庄千秋(看護師) – 香里奈
吉池拓真(ももの元婚約者) – 三浦貴大
吉池真由美(拓真の妻) – 西原亜希
鎌倉洋二(「クラブ花」店長) – 西原純
三宅吉行(直人や幸平、太郎の恩師) – 城後光義
堀江宗太(中学生) – 舘秀々輝
坂東基樹(元美術教師) – 博多華丸
風間節子(亡くなった直人の母) – 十朱幸代

高嶺の花 スタッフ

脚本 – 野島伸司
音楽 – 上野耕路
主題歌 – エルヴィス・プレスリー「ラヴ・ミー・テンダー」(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル)[8]
チーフプロデューサー – 西憲彦
プロデューサー – 松原浩鈴木亜希乃渡邉浩仁
演出 – 大塚恭司狩山俊輔岩﨑マリエ
いけばな監修 – 大谷美香
制作協力 – AXON
制作著作 – 日本テレビ
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