1990年の映画映画1990年代の映画

アタメ

3.5
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ビクトリア・アブリル(アタメ) 1990年の映画
ビクトリア・アブリル(アタメ)
『アタメ』(原題:Átame!)は、1990年制作のスペインのロマンティック・コメディ映画。ペドロ・アルモドバル監督、アントニオ・バンデラス出演。タイトルはスペイン語で「私を縛って」の意味で、日本でのビデオタイトルは『アタメ/私をしばって!』。
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『アタメ』ってどんな映画?

精神病院を退院したばかりの孤独な青年が、一目惚れしたポルノ映画女優を誘拐して監禁し、力尽くで自分を愛させようとするあまりにも破天荒で歪んだ求愛劇を描く。スペイン映画界の巨匠ペドロ・アルモドバル監督が、毒々しくも鮮やかな色彩美とブラックユーモアを交えて描き、世界中で一大センセーションを巻き起こした情熱的で奇妙な純愛ラブロマンスだ。

見どころは、監禁という極限のシチュエーションのなかで、被害者と加害者の境界線が融解していくスリリングかつ濃密な心理サスペンスプロットだ。
アパートの外では、マリーナ・オソリオ(ビクトリア・アブリル)と連絡が取れないことを不審に思った姉のローラ(ロレス・レオン)が彼女の行方を必死に追う。さらに、マリーナが出演していた映画の老監督マキシモ(フランシスコ・ラバル)や、周囲に現れるアルマ(フリエタ・セラーノ)、そしてアルモドバル作品には欠かせない強烈な個性を放つドラッグディーラーの女(ロッシ・デ・パルマ)らの思惑が交錯し、リッキーの秘密の監禁生活をじわじわと脅かしていく。
世間の常識や道徳という檻に縛られて生きるか、それとも狂気の果てに見出した歪で真実の愛を抱きしめるか。緊迫した監禁劇の裏側で、孤独な二人の魂が激しく求め合い、最後の瞬間に下すあまりにも純粋な選択。ポップで過激なエロティシズムのなかに、人間の孤独と愛への渇望を鮮烈にあぶり出した、アルモドバル監督の美学が炸裂する傑作ロマンティック・サスペンスだ。

あらすじ

精神病院を出所したリッキー(アントニオ・バンデラス)の目的は、かつて一度だけ夜を共にしたポルノ映画女優マリーナ・オソリオ(ビクトリア・アブリル)を自分の妻にすることだった。リッキーはマリーナの自宅アパートに侵入し、彼女をベッドに縛り付けて監禁するという暴挙に出る。突然の理不尽な拘束に激しい焦燥と恐怖を覚えるマリーナに対し、リッキーは「君が僕を愛するようになるまで絶対に離さない」と一途すぎる狂気をぶつける。暴力的な始まりでありながら、どこか子供のように純粋で不器用なリッキーの態度に、マリーナの心は恐怖から次第に奇妙な揺らぎを見せ始める。

キャスト

家族の映画、癒しの映画

奇妙な映画であり、監禁ストーカーの話でもストックホルム症候群の話でもないと思う。
バンデラス演じる23歳の主人公が、孤児院を出た後、狂人を装って精神病院にいたという過去。そしてラストで訪れる彼の生まれ故郷は廃墟(スペイン内戦による孤児なのか)。
ホラー映画を撮影している(しかも、かなり変な、意味ありげな!)車椅子の大物映画監督。

ビクトリア・アブリルが映画の後半にいたるまで、なぜか歯痛に苦しんでいること。彼女は最初のほうで、馬の蹄が化膿していることを的確に見抜き、適切な処置をアドバイスするのだが、これもまた、彼女の出自を表しているのか。彼女が監禁者バンデラスに対して抱いていた嫌悪感は、彼が傷ついているのを見たとたんに、愛に変わってしまう。

アブリルの家族との絆は強い。母親との電話では涙を流すし、姉がアブリルを守ろうとする意思も強い。ラスト、この姉によってバンデラスを家族として受け入れ、みんなで歌を歌う(それは前半でバンデラスが盗んだ姉のウォークマンでずっと聞いていたカセットの歌だ)のが、映画のハッピーエンドとなる。

見終わった後のすがすがしさは、これが家族の映画であり、癒しの映画であることを示しているように思えるのだが……。

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『アタメ』を観るには?

『アタメ』作品情報

監督 – ペドロ・アルモドバル
脚本 – ペドロ・アルモドバル
製作 – エンリケ・ポスネル
製作総指揮 – アグスティン・アルモドバル
音楽 – エンニオ・モリコーネ
撮影 – ホセ・ルイス・アルカイネ
編集 – ホセ・サルセド
製作会社 – エル・デセオ・プロ
配給 – 日本の旗 松竹富士
公開 – スペイン: 1990年1月22日、日本: 1991年1月26日
上映時間 – 111分

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