松岡圭祐の推理小説シリーズ「Qシリーズ」第9巻『万能鑑定士Qの事件簿IX』の映画化。映像版で単体作になるため『事件簿I』からいくつかの要素を織り込み脚色している。日本映画初のルーヴル美術館内本格ロケが敢行された。同館内での外国映画のロケ自体『ダ・ヴィンチ・コード』(2006年)以来。
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鑑定ではなく探偵では?(映画 万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-の感想)
何よりもルーヴルロケを目玉にしたとおぼしい映画で(外国映画としては「ダヴィンチ・コード」以来だそうだ)、読んだことはないが原作の持ち味はほとんど無視されているのではないかと思われる。綾瀬はるかが行っているのはちっとも鑑定ではなく、ホームズ流の推理に過ぎないからだ(だから綾瀬の活躍を期待すると裏切られる)。いや原作通りだというのなら、それは脚本のせいであろう。松坂桃李がいつパリから帰ったのかもわからないくらい不自然な脚本なのだ。
しかしこれが「探偵の探偵」と同じ世界線だとはなあ。
万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-見どころ
“万能鑑定士”・凜田莉子がルーヴル美術館で起きるアートミステリーに挑む知的エンタメ。
- 綾瀬はるか演じる“万能鑑定士”の知性と清潔感
主人公・凜田莉子は、驚異的な記憶力と観察力を備えた若き女性鑑定士。演じる綾瀬はるかは、派手さよりも知的で穏やかな芯の強さを体現し、「万能」と言われながらも“どこか素朴で人間的”な存在として描かれる。
ルーヴル美術館の“モナ・リザ”に関する謎を、日本人鑑定士として解明しようとする姿は、“知的なヒロイン”の理想像。天才キャラながら、浮きすぎず、地に足がついた存在感。
まさに“観る人を置いてきぼりにしない”ヒーロー像で、知識型推理劇にありがちな閉鎖感がない。 - ルーヴル美術館×日本映画の異色コラボ
本作最大のトピックは、日本映画として異例のルーヴル美術館ロケ。「モナ・リザ」をテーマに据えながら、実際のルーヴルで撮影されたシーンは、まさに本物の空気感をまとっている。
世界的文化財を“肌で感じられる”ような圧倒的ロケーション、日本映画が美術界を正面から扱う、希少な試みであり、「美術」という知的で静的な素材を、娯楽映画として成立させる意欲が随所に光る。 - アート×サスペンスの軽やかな融合
「贋作を見抜けるか」「芸術は誰のものか」というテーマを軸に、謎解き、記憶、暗号、美術史といった要素が折り重なる。ただしミステリー要素は重厚すぎず、あくまでエンターテインメントとして整理されている。ダ・ヴィンチの暗号や視線のトリックなど、アート好きにはたまらない仕掛け、パズル的謎解きとアクションのバランスも良好。 - 原作との違いと映像化のポイント
映像化にあたり、原作の“読解に依存する構造”は極力削られ、直感的に伝わるミステリーへと再編された。専門知識がなくても楽しめるという。 - 脇を固めるキャストと現代社会的モチーフ
松坂桃李演じる雑誌記者・小笠原は、“素人目線の窓口”として機能し、観客と凜田莉子を橋渡しする。初音映莉子、村上弘明など、クセのあるキャラを起用し、“陰謀性”に厚みを加える。背景には「情報操作」「真贋の判断」「メディアリテラシー」など、現代的テーマが込められている点も見逃せない。
映画 万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-のあらすじ
ダ・ヴィンチの名画モナ・リザが40年ぶりに日本にやってくる。さる事件によりルーヴルのアジア圏代理人兼調査員である朝比奈尚幸(村上弘明)の信頼を得た万能鑑定士Qなる店の女主人、凜田莉子(綾瀬はるか)は、臨時学芸員の採用試験に招かれる。事件以来、莉子に関心を持ち密着取材を続行中の雑誌記者小笠原悠斗(松坂桃李)もパリへ同行。莉子はルーヴル美術館で実施された採用テストに無事パスし、しだいに小笠原への理解も深めていく。莉子は同様にテストに受かった流泉寺美沙(初音映莉子)とともに帰国、特別講義に出席する。しかしそこには不可解な謎と、その奥に潜む巨大な陰謀があった。
映画 万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-を観るには?
映画 万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-のキャスト
凜田莉子 – 綾瀬はるか
小笠原悠斗 – 松坂桃李
流泉寺美沙 – 初音映莉子
リシャール・ブレ – ピエール・ドゥラドンシヤン
荻野甲陽 – 橋本じゅん
山田聡 – 村杉蝉之介
喜屋武友禅 – 児嶋一哉(アンジャッシュ)
江来香織 – 角替和枝
朝比奈尚幸 – 村上弘明
リサイクルショップの店員・桜 – 榮倉奈々(友情出演)
小笠原悠斗 – 松坂桃李
流泉寺美沙 – 初音映莉子
リシャール・ブレ – ピエール・ドゥラドンシヤン
荻野甲陽 – 橋本じゅん
山田聡 – 村杉蝉之介
喜屋武友禅 – 児嶋一哉(アンジャッシュ)
江来香織 – 角替和枝
朝比奈尚幸 – 村上弘明
リサイクルショップの店員・桜 – 榮倉奈々(友情出演)
映画 万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-のスタッフ
監督:佐藤信介
企画プロデュース:平野隆
エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉
原作:松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿」シリーズ
脚本:宇田学
音楽:羽深由理、大間々昂
音楽プロデューサー:志田博英
プロデューサー:下田淳行、辻本珠子
アソシエイトプロデューサー:山田昌伸、原公男
ラインプロデューサー:及川義幸
ユニットプロデューサー:大崎裕伸
撮影監督:河津太郎
美術:斎藤岩男
絵画制作:塙雅夫
装飾:篠田公史、大坂和美
スクリプター:田口良子
編集:加藤ひとみ
VFXスーパーバイザー:ツジノミナミ
ガファー:中野創平
操演:関山和昭
衣装:宮本まさ江
ヘア・メイク:本田真理子
製作担当:高瀬大樹
制作プロダクション:ツインズジャパン
配給:東宝
製作:映画「万能鑑定士Q」製作委員会(TBSテレビ、KADOKAWA、東宝、ホリプロ、ツインズジャパン、中部日本放送、毎日放送、WOWOW、RKB毎日放送、北海道放送、GYAO)
企画プロデュース:平野隆
エグゼクティブプロデューサー:濱名一哉
原作:松岡圭祐「万能鑑定士Qの事件簿」シリーズ
脚本:宇田学
音楽:羽深由理、大間々昂
音楽プロデューサー:志田博英
プロデューサー:下田淳行、辻本珠子
アソシエイトプロデューサー:山田昌伸、原公男
ラインプロデューサー:及川義幸
ユニットプロデューサー:大崎裕伸
撮影監督:河津太郎
美術:斎藤岩男
絵画制作:塙雅夫
装飾:篠田公史、大坂和美
スクリプター:田口良子
編集:加藤ひとみ
VFXスーパーバイザー:ツジノミナミ
ガファー:中野創平
操演:関山和昭
衣装:宮本まさ江
ヘア・メイク:本田真理子
製作担当:高瀬大樹
制作プロダクション:ツインズジャパン
配給:東宝
製作:映画「万能鑑定士Q」製作委員会(TBSテレビ、KADOKAWA、東宝、ホリプロ、ツインズジャパン、中部日本放送、毎日放送、WOWOW、RKB毎日放送、北海道放送、GYAO)
『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』は、「知性が導くアクション」=和製ダ・ヴィンチ・コードです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。