考察ファンのための考察ドラマ(MADDER その事件、ワタシが犯人ですの感想)
中2病的というか考察ファンのための考察ドラマ。屈指の進学校に入学したヒロイン五百城茉央(満点なのに偏差値78だというのだが)が退屈に絶望して人々を扇動していく話らしいが、そこにはなんのドラマもなく、文字通り退屈すぎる。
とりあえず「考える足」の石像は、ただ台に載せてあっただけのように見えたが。
思わせぶりな謎の例
- 黒川が殺人現場にいた理由や、彼の冷静な態度は?
- 黒川の過去は? 茜との関係は?
- 茜はなぜ犯罪に興味を持つようになったのか?
- 茜の「退屈」という感情とは?
MADDER その事件、ワタシが犯人です 巷で繰り広げられている考察合戦
散りばめられた伏線や、視聴者を惑わせるミスリードについての考察合戦が盛んである。
特に、茜が仕掛ける心理的なトリックや、黒川の発言の意味など。
学園内の人間関係と事件の関連性(クラスメイトたちの個性や行動が、事件にどのように関与しているのか)についての考察も進んでいる。特に、江藤新や宮内大翔などが今後の展開にどう絡んでくるのか。
本作のテーマらしい「天才」と「狂気」、「退屈」と「刺激」の意味についての考察も見られる。
MADDER その事件、ワタシが犯人ですのあらすじ
偏差値78超、東大進学率No.1の清爛学園に、創立以来初の全教科満点で入学した天才・仲野茜は、その頭脳ゆえに世の中を退屈に感じ、生きる意味を見出せずにいた。入学式当日、近隣で発生した殺人事件の現場で、冷たい眼差しの青年・黒川悠と出会い、なぜか惹かれる。難関校に入学したものの、周囲の鼻持ちならない同級生たちにうんざりする茜は、構内で黒川を見かけ、彼が働く電気店を訪ねる。殺人事件と黒川との出会いをきっかけに、茜は未だ見ぬ≪犯罪の世界≫に興味を持ち始め、学校で小さな事件を起こし始める。天才女子高生が、退屈な日常から一変、禁断の世界へと足を踏み入れていく物語が幕を開ける。
MADDER その事件、ワタシが犯人ですを観るには?
MADDER その事件、ワタシが犯人です キャスト
仲野茜(天才高校生) – 五百城茉央(乃木坂46)
黒川悠(電気店店員) – 山村隆太(flumpool)
警察関係者
梶谷美和(刑事) – 武田梨奈
森野真治(刑事) – 濱正悟
清爛学園
生徒
江藤新(クイズ研究部) – 樋口幸平
宮内大翔(数学オリンピック優勝者) – 山下永玖(ONE N’ ONLY)
篠崎麻友(ペンタリンガル) – 吉名莉瑠
依原湊(天文学オリンピック優勝者) – 水野響心
小野優伽(藝大志望) – 花音
北條凛(生徒会) – つぐみ
須藤昌也(美術部員) – 桑山隆太(WATWING)
教員
門倉幸太郎(美術教師) – なすび
佐々木結希(数学教師) – イワクラ
箕輪清(古文教師) – おかやまはじめ
司重彦(学校長) – 利重剛
MADDER その事件、ワタシが犯人です スタッフ
音楽 – 今村左悶
主題歌 – Billyrrom「CYM」(SPYGLASS AGENT)
監督 – 頃安祐良、高橋栄樹、畑山創
プロデューサー – 佐藤貴亮、小宮泰也(イースト)、山中直樹(ROBOT)
制作協力 – イースト、ROBOT
制作 – 関西テレビ
【完全ネタバレ】MADDER その事件、ワタシが犯人ですの黒幕と真犯人
本作は“時制の攪乱”と“追体験”がキモとなっており、前半の多くは“茜の手記を読んだ湊の追体験映像”として構成され、年号表示を意図的に隠すなどの叙述トリックが敷かれている。
公式でも最終回予告に「茜の犯罪を追体験した依原が独白/6年越しの真実」と明記されていた(カンテレ公式)。
結論から言うと、黒幕は黒川悠。
6年前の連続殺人を“自分の罪”として引き受ける形で「ワタシが犯人です」と出頭。依原 湊を守るために動き、周囲の疑いを自分に向ける仕掛け(車内の“通知音”などのミスリード)も担った。
真犯人(実行犯)は仲野 茜(清爛学園の天才生徒)。黒川を嘲った/貶した同級生らを複数手にかけた“連続殺人の中心的実行犯”。物語の核心は「依原 湊 ⇒ 仲野 茜 ⇒ 黒川 悠 ⇒ 依原 湊」という歪んだ相関で、黒川は彼女(と湊)を守ろうとしていたことが明かされる。
最初の事件(依原湊の母の転落死)は、依原湊自身の犯行(自白)。一方で篠崎麻友の殺害は、黒川の犯行と読む解釈が有力(ここは考察勢で若干の異説あり)。
要するに、設計=黒川(黒幕)/実行=仲野(連続殺人の主犯)、そして端緒の母殺しは湊という“複数犯”構図で決着。
- 公園の左腕切断遺体(被害者:浦田遼子)〔2019〕
- 篠崎麻友 殺害(清爛学園屋上)〔2019〕
実行犯:〈推定〉黒川悠
※茜が購入した同型ナイフが凶器となり(監視映像の購入履歴で茜が疑われる)、その“痕跡”を黒川が処理。公式コラムでも第4話で屋上の急展開=篠崎の死亡が示される。複数の詳細レビューが黒川犯行説で一致している。
動機の軸:篠崎が事件の核心に迫り、黒川・湊に及ぶことを黒川が恐れた、という読み。〈推定〉
出頭:「ワタシが犯人です」と黒川が自首(この時、1・2人目の“左腕”を持参)。 - 同窓会後の“委員長”殺害〔数年後→2025へ連なる〕
実行犯:仲野茜
引き金:同窓会で黒川を揶揄するGIF動画を委員長が拡散→茜の“タガ”が外れ、以降“黒川を嘲った者”を選別して連続殺人へ。 - 北條凛 殺害(卒業後)
- (被害者名非公表)40代・厚労省職員 殺害
実行犯:仲野茜(推定)
動機の軸:ネット上の攻撃的投稿など“黒川を貶めた”対象を茜が恣意的に選別(作中で5人目の被害者が清爛出身者と判明する示唆もあり、継時構成の“時制トリック”が多用)。
実行犯:依原湊(階段での口論中に突き落とし=事故死)
死体損壊・偽装:黒川悠(遺体の左腕を切断/のち出頭時に左腕を持参)〈保身でなく湊を守る意図〉
※この“公園の女性遺体(左腕切断)”がシリーズの起点。最終回で湊=遼子の娘、黒川=湊の父であることが示唆され、黒川が“罪を引き受けた”構図が判明。
実行犯:仲野茜(劇中描写・考察記事の一致)
※在学中の篠崎殺害とは別軸で、卒業後に犠牲になった清爛出身者として挙げられる。
黒幕/構図の整理
黒幕(設計・矢面に立つ役)は黒川悠。
1件目の死体損壊・偽装、2件目の篠崎殺害(推定)を引き受け、自首までして“疑いの矛先”を自分に集めた。目的は依原湊を守ることだった。
連続殺人の中心的実行犯は仲野茜(委員長、北條凛、ほか)。
“黒川嘲弄”をトリガーに選別的に犯行。後に犯行ノート(手記)を残し、これを湊が“追体験”して警察に提出→茜の逮捕へ繋がった。
端緒の“母の転落死”は依原湊の犯行(自白)。
黒川はここから庇護のための“罪の引き受け”に動いた。