ドラマ2020年代のドラマ2023年のドラマ

彼女たちの犯罪

深川麻衣(彼女たちの犯罪) ドラマ
深川麻衣(彼女たちの犯罪)
彼女たちの犯罪は、2023年7月20日から9月22日まで、読売テレビ製作・日本テレビ系の深夜ドラマ枠「木曜ドラマ」で放送。主演は深川麻衣。
まだ観ていない方は、Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できます。

彼女たちの犯罪の感想

まず名乗らない語り手が、オープニング(これは良かった)に登場する3人の女の運命が交錯することを過去形で予言する。

一人はアパレルのプレス深川麻衣(佐藤玲かと思った)、二人目は二世帯同居の主婦前田敦子、そして三人目は強行犯係の所轄刑事石井杏奈(まともに見るのは2017年の「嘘なんてひとつもないの」以来だ)。

前田は相変わらず業の深そうな女を演じ(最後まで見ると本当に業が深くて驚く)、シングルマザーのような石井は微妙な屈託の印象を残し(これは一応伏線なのだが、初話を見た時は弟なのかと思った)、ここはかなり期待させる人物配置である。

前田敦子(彼女たちの犯罪)

石井杏奈(彼女たちの犯罪)

語り手は、深川の不倫相手が前田の夫であり、前田が失踪したり、誰かを埋めたり(?)、また3人以外の女が崖から飛び降りたりすることなどをバラバラの時制で語り、そして自らが4人目の女さとうほなみであることをあっさり明かす(つまり、4人プラスアルファの女がいる)。

さとうがなぜ3人の女の「外側」で語り手をつとめているのか、なぜオープニングには姿を見せないのか、にもかかわらず、なぜ各話がさとうの思わせぶりなナレーションで始まり、終わるのか。これらの謎がドラマを牽引するミステリーと言っていいだろう。つまりこのドラマの物語はナラティブのうちにある。

最終回までには、そのミステリーに一応納得のいく結末がつけられ(チェンジリングには現実味がないが)、3人の女の表情演出も相まってなかなか手に汗を握らせた(原作がしっかりしているのかもしれない)。その後3人の女がどうなったのかを省略したのも(エピローグに登場するのはさとうだけだ)、作り手にちゃんと上記のテーマを守る意思があったことを示している。こうした一貫性はドラマとしては珍しい。

もっとも、中だるみがなかったわけでもないので、石井杏奈が出ていなかったら途中で脱落していたかもしれない。

最高の教師」もそうだが、最近レズの片思いの話が多い。もはや普通のことになっているのかな。

彼女たちの犯罪 見どころ

  1. 予測不能な展開
    誰が味方で誰が敵なのか、事件の真相はどこにあるのか、二転三転する展開。
  2. 「普通の幸せ」を求める女性たちの葛藤
    それぞれの立場や環境で「普通の幸せ」を追い求める中で、女たちが抱える悩みや苦悩がリアルに描かれ、それが彼女たちを犯罪へと駆り立てる原動力となる。
  3. 複雑な人間関係
    3人の女だけでなく、女たちを取り巻く男性陣(特に毎熊克哉演じる神野智明)との関係性も複雑に絡み合い、物語にサスペンスが加わっている。
  4. キャスト陣の熱演
    深川麻衣、前田敦子、石井杏奈の3人の女優の演技は評価されている。抱えている闇や葛藤をどう表現するかに注目。

彼女たちの犯罪 あらすじ

「普通の幸せ」を追い求める3人の女性の人生が、とある失踪事件をきっかけに狂い始める。大手アパレル企業の広報として仕事は充実しているものの、恋愛がうまくいかず、愛を求める日村繭美(深川麻衣)。ハイスペック医師と結婚し、高級住宅街に住む専業主婦。しかし、夫からは使用人のように扱われ、自由を求めている神野由香里(前田敦子)。理想に燃え、念願の刑事課に配属されたが、使命感ゆえに思い悩み、正義を求める新人刑事、熊沢理子(石井杏奈)。
接点のない3人の女性たちが1人の女性の失踪事件をきっかけに複雑に絡み合い、それぞれの秘密や裏の顔が次々と明らかになっていく。彼女たちがなぜ犯罪に手を染めていくのか。

彼女たちの犯罪を観るには?

彼女たちの犯罪 キャスト

■主要人物
日村繭美(大手アパレル広報) – 深川麻衣
神野由香里(智明の妻) / 山下アイ(やました アイ) – 前田敦子(幼少期:葉山なつ)
熊沢理子(強行犯係の新人刑事) – 石井杏奈
神野智明(「さくらぎ総合病院」院長候補) – 毎熊克哉
■繭美の関係者
亀山優子(繭美の独身仲間) – 朝倉あき
井川凪沙(クセあり後輩社員) – 鈴木ゆうか
■由香里の関係者
玉名翠(高級住宅街に一人で暮らす女性) – 山下容莉枝
神野和雄(智明の父) – 遠山俊也
■理子の関係者
上原武治(先輩刑事) – 野間口徹
脇谷翔太(伊東北警察署の刑事) – 鈴木康介
熊沢大輔(理子と一緒に暮らす小学生の息子) – 高木波瑠
■その他
遠藤由香里(神野家の屋敷を見上げる謎の女性) – 南沢奈央
樋口有志(翠の元夫) – 木村了

彼女たちの犯罪 スタッフ

原作 – 横関大『彼女たちの犯罪』(幻冬舎文庫)
脚本 – 田辺茂範大林利江子谷口純一郎
音楽 – JABBERLOOP
主題歌 – Omoinotake「渦幕」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
オープニングテーマ – THE RAMPAGE from EXILE TRIBE「Summer Riot 〜熱帯夜〜」(rhythm zone)
警察監修 – 石坂隆昌
アクションコレオグラファー – 森﨑えいじ
医療監修 – 山本昌督
野球指導 – 寺山寛人
チア指導 – 菅原亜未
監督 – 高橋名月古畑耕平
チーフプロデューサー – 前西和成
プロデューサー – 中山喬詞矢部誠人河野美里(ホリプロ)
制作プロダクション – ホリプロ
制作著作 – 読売テレビ

「彼女たちの犯罪」は、単なる犯罪ドラマとしてだけでなく、現代社会を生きる女性たちのリアルな心情や、幸せを追い求めるがゆえに陥ってしまう危険な側面を描いた作品として、多くの視聴者から注目を集めました。

現在もHuluなどで配信されているようですので、興味があればぜひご覧になってみてください。

彼女たちの犯罪の原作


医者の妻の神野由香里は夫の浮気と不妊に悩んでいたが、ある日突然失踪。海で遺体となり発見される。死因は自殺か、それとも――。一方、交際相手が既婚者と知った結婚願望の強い日村繭美は偶然その妻と出くわし、ある決意をする。ワケあり女が一人二人……もう一人?女の数だけ二転三転、どんでん返しミステリ。いつの時代も女の人生は険しい。
タイトルとURLをコピーしました