本能寺ホテルの感想
なんとなく三谷幸喜作品だと思い込んでいたが、監督と主演二人は「プリンセストヨトミ」の組み合わせ。そしてなぜか万城目学のパクリ疑惑というケチがついた映画との由。
どちらにせよ退屈すぎる。信長とタイムスリップという手垢のついた組み合わせを、いつまでやっておるのかxw
綾瀬はるかのバストを強調するシーン多いのだが、それはともかく、「今夜、ロマンス劇場で」(という新作映画の番宣で、この映画をテレビ放映していたわけだが)の舞台挨拶で「夢は世界平和です」と綾瀬が述べたことが新聞で話題になっているそうで、この人は、しかし単なる天然ではないと思う。
本能寺ホテルの見どころ
結婚を目前に人生の目標を見失っている現代女性・繭子(綾瀬はるか)と、天下統一を目前にしながらも孤独を抱える織田信長(堤真一)という、二人の主人公の物語だが、この二つの有機的な結びつきというものが、最後まで希薄である。
繭子は信長の生き様を目の当たりにして「自分の人生を生きよう」と決意するというところが、やたら薄っすい。信長の圧倒的なカリスマ性に感化されるだけで、彼女自身の内面的な葛藤は掘り下げられない。
主人公のパートになると物語が停滞するわけで、「現代人の悩み」と「歴史上の偉人の苦悩」が互いに深め合うことなく、単に同じ空間で起きていただけなのである。
これは、繭子のキャラクターが、物語を動かす主体ではなく、終始「驚き役」「受け身の観察者」に留まっていることが要因。
彼女自身の意志で積極的に行動を起こす場面が少なく、信長という強烈なキャラクターの周りをうろたえるばかりに見えるので、彼女が最終的に下す決断に感情移入しにくい。
信長も「短気で革新的で、甘いもの好き」というありきたりなイメージのまま。金平糖や現代のグッズに驚くといった、タイムスリップもののお約束のギャグに尺が割かれ、大いにしらける。
現代と過去のギャップを描くコメディ要素と、日本史最大のミステリーである本能寺の変を巡るシリアスなドラマを両立させようと試みられた映画だと思うが、二つのトーンがうまく融合しておらず、前半は笑いを誘い、後半はシリアスに転じており、転換が強引すぎて、歴史の重みがコメディによって薄められ、かつ、ギャグも中途半端になるというどっちつかずに終わっている。
タイムスリップならではの「if」のハラハラも、早い段階で「歴史は変えられない」というルールが提示されることで感じられない。
繭子の存在が信長の行動や心境に何か影響することもなく、「結局、本能寺の変を間近で見てきただけ」という映画になっている。
本能寺ホテルのあらすじ
倉本繭子は会社倒産後、交際相手の吉岡恭一からプロポーズされ、流されるまま婚約。恭一の両親の金婚式で京都を訪れた際、予約ホテルに泊まれず、偶然「本能寺ホテル」にたどり着く。そこで金平糖を口にした瞬間、戦国時代の本能寺にタイムスリップし、織田信長と出会う。繭子は現代と戦国時代を往来しながら、信長や森蘭丸と交流を深め、彼の人間性に惹かれていく。しかし、自分が本能寺の変の前日にいることに気づき、信長に明智光秀の謀反を警告する。
本能寺ホテルを観るには?
本能寺ホテル キャスト
織田信長 – 堤真一
森蘭丸 – 濱田岳
吉岡恭一 – 平山浩行
本能寺ホテル支配人 – 風間杜夫
明智光秀 – 髙嶋政宏
吉岡征次郎 – 近藤正臣
大塚孫三 – 田口浩正
島井宗室 – 佐戸井けん太
恭一の高校時代の同級生 加奈 – 平岩紙
恭一の高校時代の同級生 町田 – 迫田孝也
征次郎の亡き妻 – 赤座美代子
木下藤吉郎秀吉 – 永野宗典
出張マッサージ師 – 八嶋智人
繭子が予約を間違えるホテルの支配人 – 宇梶剛士
職業安定所職員 – 飯尾和樹
チラシを配る男 – 加藤諒
ナレーション – 中井貴一
本能寺ホテル スタッフ
脚本 – 相沢友子
製作 – 小川晋一、市川南、堀義貴
プロデューサー – 土屋健、古郡真也、片山怜子
アソシエイトプロデューサー – 大坪加奈
音楽 – 佐藤直紀
撮影 – 江原祥二
照明 – 杉本崇
録音 – 柿澤潔
編集 – 田口拓也
美術 – 棈木陽次、吉澤祥子
装飾 – 大橋豊
持道具 – 上田耕治
衣裳 – 大塚満、沖田正次
メイク・結髪 – 山下みどり
VFXスーパーバイザー – 西尾健太郎
VFXプロデューサー – 赤羽智史
音響効果 – 柴崎憲治
選曲 – 藤村義孝
記録 – 稲田麻由子
監督補 – 服部大二
助監督 – 三橋利行
制作担当 – 鍋島章浩
製作 – フジテレビジョン、東宝、ホリプロ
制作協力 – 東映京都撮影所
制作プロダクション – FILM
配給 – 東宝