ハケンの品格(2020)の感想
2007年版での加藤あいの役どころを、小粒な印象の吉谷彩子(「グランメゾン東京」のパティシエだが、「ビズリーチ!」と指を立てるCFの方が有名だろう)と山本舞香に分裂しており(23社受けて内定をもらえなかったという山本の設定は、明らかに加藤を引き継いでいる)、大泉洋は友情出演のゲストみたいだし、肝心の篠原涼子は驚くほどスタイルが良くないし、放送開始を散々待たされたわりにはどうも難しい船出という印象。
中コマはテンプスタッフのCFなのだが、派遣社員が意味するものはひどくイメージが悪くなっているから、「ドクターX」(中園ミホはわざと冒頭ナレをなぞってみせた)のような「ニ重底の勧善懲悪もの」は通用しない。
第1話のストーリーラインは、案の定、まるで時代劇のような昭和ばなしで、正直退屈した。
篠原がまるで聖書のように「日本沈没」(篠原自身が生まれた73年刊のカッパノベルスだ)を掲げているのは、意味がないし不気味なのだが、昭和的働き方に喝を入れて働き方改革を唱導する日経ドラマスペシャルみたいな展開になりそうで、キケンな予感がする。
ハケンの品格(2007)の感想

篠原涼子(ハケンの品格、2007)
ファーストインプレッション(2010年の再放送を見て)
ドラマというのは水モノだから、時流が色濃いことによってヒットしたりすると、後で見たときになんだこりゃ、となることがある。
このドラマも、放映されたのはたかが3年前にもかかわらず、ハケンという生き方の輝かしさみたいなものはすっかり失われてしまった。
というか、そんなものははじめから捏造されたファンタジーであって、たんに化けの皮が剥がれただけに過ぎない。
時給3000円で自分の仕事だけを手早く片付け、残業を拒否して帰るスーパーハケン。
3か月働き、次の3か月は好きなことをして過ごすハケン人生。
3年前だってそんなものを信じる人が本当にいたのか、今となっては疑わしい。
しかしながら、ドラマを普通に見るかぎり、篠原涼子演じる大前春子の存在が荒唐無稽なだけで、中園ミホの脚本は、基本的にハケンの地位に同情的である。
普通(以下)の能力しかない加藤あいの年収は81万円。
一方、ハケン差別論者である大泉洋の年収は625万円、板谷由夏も520万円。
ハケンにシンパシーを感じ始める小泉孝太郎も年収580万円。
大前春子も、派遣社員における「品格」なるものも、そういった現実を忘れるためのファンタジーに過ぎないのだ。
この3年で何が変わったかといえば、見る側が、超有能であるにもかかわらず、無表情で人を人とも思わない大前春子の姿に溜飲を下げることができなくなり、不快なイメージしか感じられなくなったという点であろう。
これが文字通り捏造された対立であることに人は気づくべきだろう。
問題は、松方弘樹演じる「桐島部長」の年収が、なんと1600万円ということなのだ。
これは篠原涼子を視聴率女王に押し上げたドラマでもある。
視聴率は最低が初回の18.2%、最高は最終回の26.0%と、昨今のドラマでは比べようもない数字である。
当時ドラマなんて全然興味がなく、今頃になってドラマばかりみているわたしは、つくづくズレていると思うww
板谷由夏と安田顕が出ているので、つい「ホタルノヒカリ」を思い出してしまった。
あのドラマで、安田顕の役名が「二ツ木」だったのは、このドラマの役名「一ツ木」をもじっていたのだろうか?
第2回話|権力闘争の構図
どうもドラマの意図としては正社員とハケンの権力闘争の構図にしたいようで、闘争の現場というのは、ま、こーゆーしょうもないコトばかりなのかも。
ヤキソバパンを買いに行かせるって、中学のパシリかよwww
リーマンショック前とはいえ、部長が年収1600万もらっている会社に、ステップラー付きのコピー機がないのもおかしいのだが、社員もハケンも総出でホチキス勝負って、どんだけヒマな営業部なんだ。
戻ってきた部長も、「大前さん負けちゃったの?」とか言う前に、何やってるんだ!と全員を叱責すべきだと思う。
で、コーヒーサーバーを壊したとかいうのも、総務部というものがあるはずで、いくら、ちょっと叩いたからと言ってハケンが(社員でも)弁償させられる会社なんてない。
最後は、壊したのはオレだよなんて松方弘樹が白状して、年収が高いから大丈夫的な終わり方をしていたけど、あんなものは会社の経費でしょう。
で、ホチキス勝負だが、途中、大泉洋の山のほうに黄色い紙がひらひらしていたのはナニ?
関係ないなら紛らわしい演出をするない!と言いたい。
なんて細かいところにツッコんでもしかたないのだが、2回目になっても、相変わらず登場人物の誰にも感情移入できないドラマなのであった。
超然としている篠原涼子もイヤな感じなのだが、板谷由夏の演じる社員など、実にイヤな感じで、ベースの演技が「ホタルノヒカリ」と同じなので、そーゆーヒトなのねとか思ってしまう。
第3話|大前春子は両津勘吉である
これが、このドラマで有名な「マグロ解体をする篠原涼子」ですか。
あれは資格があるらしく、検定試験をしているのは、全国鮪解体師協会という社団。
なんだ、そんな協会があるなら、解体師を探すのにあんなに苦労しないのでは?
と思ったら、設立は2009年(ドラマの2年後)でした。
専門学校などもあり、1級を目指せば口上も教えてくれる。
この社団のせいで、2007年時点での解体師という職業がどういうものなのか、わかりづらくなっているのだが、ツネさんとはハケン仲間、という一言が途中にある。
なるほどあれはハケンなのね。
ハルちゃんがなぜ解体をできるのかというとツネさんの弟子だったかららしいのだが、よく考えてみると、大前春子のスーパーハケンぶりは、
こち亀の両さんと同じである。両さんも特殊車両とか2種の免許までもってるし、マグロの解体ぐらいできそうな気がする。
ひとりでご飯を食べられない加藤あいは、江古田ちゃん言うところの猛禽であろう。
ハケン仲間のおしゃれ派閥に入るとそこは合コン専門で…
世代が変わり、今ではハケンも色々だから、大前春子みたいな人も珍しくないだろう。
最後は誰も期待していない、とってつけたような唐突なキスシーンで、
ドラマのお約束とはいえ、この後どう展開するのか急に読めなくなった。
第4話|外国語交渉の現場
春子のロシア語は
ватит!(もうたくさん!)
Кто жадничает?(ケチなのは誰!?)
Мы или вы?(私たち? それともあんたたち?)
Тогда вы сами закупайте у прои зводителя!(嫌ならアンタら、自分で生産者から買えよ)
Не издевайтесь над японцами!(日本人ナメンじゃねーよ)
Купите или нет?(買うの買わないの!?)
Купите,да?(買いなさいよ)
Согласны?(同意します?)
Хорошо.(はいOK)
