呪呪呪/死者をあやつるもの

チョン・ジソ(呪呪呪/死者をあやつるもの)
チョン・ジソ(呪呪呪/死者をあやつるもの)

2021年の韓国のアクション・ホラー映画。原題は「謗法: 在此矣(朝: 방법: 재차의、英: The Cursed: Dead Man’s Prey)。2020年に韓国tvNで放映されたテレビドラマ『謗法~運命を変える方法~』の続編。

呪呪呪/死者をあやつるもののあらすじ

ネットニュース「都市探偵」のキャスター、イム・ジニは「自分は昨夜の“死体による殺人事件”の犯人だ」という連絡を受け、夫のソンジュン刑事が止めるのも聞かずにインタビューを強行。現れた男は「スンイル製薬のピョン会長が謝罪しなければ重役たちを順に殺す」と言い置くと、土くれのような古い死体と化して動かなくなった。
死体を蘇らせ操る術はインドネシアの秘術で、呪術師をデゥクン、操られる死体はジェチャウイというらしい。スンイル製薬が狙われる理由を調べると、半年ほど前に新薬の治験で秘密裏にホームレスや不法滞在外国人を100人雇い、全員を死亡させていた。
警官隊が守るスンイル製薬を襲撃する100人のジェチャウイは撃たれても倒れず、重役は予告通り殺された。ジェチャウイたちは死体に戻ったが、警護していたソンジュンは猛毒に感染して意識不明で入院。
スンイル製薬で隠蔽を行ったのは、実は会長の娘ミヨンだった。ミヨンは化学兵器を開発しており、ソンジュンが感染した猛毒がその原料だった。さらに、家族を探す霊能者がインドネシアから韓国に入国した男こそ、死人を操る呪術師で、行方不明の家族とはスンイル製薬の治験で死んだ不法滞在者だとジニたちは推理する。
ジニは、呪いを解くためにスンイルの閉鎖された研究所へ向かうが、ジェチャウイに襲われて絶体絶命に。そのとき、間一髪でジニを救ったのは、長く身を隠していた謗法師(霊能者)ソジンだった。
ミヨンは身の危険を感じて会長に形だけの謝罪会見を開かせるが、不誠実な謝罪にさらなる怒りを爆発させた呪術師は、治験で死んだ娘のジェチャウイを使って会長を襲わせる。
ジニは製薬会社で事件を中継し、同時に研究所で呪術師の本体を発見して魔術で倒すソジン。会長は命拾いしたものの、ミヨンは停止したジェチャウイに罪を着せて父親を毒殺。その音声が生中継で数万人の視聴者に放送されていた。
音声には証拠能力はなく、ミヨンは釈放。しかしソジンが戻った今、ジニはミヨンを懲らしめる手段を手にしていた……。

呪呪呪/死者をあやつるものの感想

いやー「謗法」は面白かった。終盤はダレるものの、中盤までは面白すぎる位だった。ヒドすぎる邦題の本作がその続編と知って、長らく観たいと思っていたのだが、ようやくその時が来た。
ただ、チョン・ジソ(本作は「謗法」の翌年に作られているが、ドラマとはメイクが違っていて、もはや少女ではない)が登場するのは後半で、待ちくたびれた。

死体による殺人事件が起こり(被害者の横で犯人も死体になっており、しかも死後3か月経っている)、配信サイトの共同代表であるオム・ジオン(前作では新聞記者)は、死体を操る呪術師を名乗る男に公開インタビューを行う。男は製薬会社幹部の謝罪を要求するのだが、やはりその場で死体化(体が土塊のようになる)。そして殺害予告の日、警備を固めた製薬会社のビルを100体ものゾンビ(映画では「在此矣」と呼ばれている)が襲撃。脱出した幹部をタクシーに乗った死体が激しくチェイスした挙句、予告された3人のうち2人は殺される。

在此矣の人の殺し方は、さわさわと体をさするというもので、気持ち悪くはあっても怖さはあまりない。ただ、100体もの在此矣たちが全力で襲ってくるところは本作の見せ場で、カーチェイスなどもCG少なめで気合が入っていることが感じられる。脚本はドラマに引き続き、ヨン・サンホなので、「新感染」でKTXを襲っていた大群衆ゾンビの映像実験を本作でやったとおぼしい。

在此矣たちを操っているのはインドネシアの呪術師なのだが、その動機は、製薬会社がホームレスや不法移民に不法な治験を行い、死なせていたことにあることがわかってくる。(つまり在此矣たちは死んだ治験者たち)。そこでヒロインたちは製薬会社の研究所を調査するのだが、そこで在此矣たちに襲われて絶体絶命になったところ、颯爽と現れてヒロインを救うのがチョン・ジソである。日本の四国をはじめ、アジア各国を呪術修行してきたというチョンは、めっぽう強く、次々と在此矣たちを倒していくのだった。

というわけで今回は謗法は唱えられない。エンドクレジットの後に、ドラマファン向けのサービスカットが2つほどあるだけで、続編を期待する向きにはやや消化不良であった。宣伝側はシーズン2を作るほど視聴率がとれなかったドラマの続編というより、全力ゾンビを押した方が効果的と考えたらしく、本作を劇場で観たのはドラマを知らない人が大半だった。しかしそれはそれで、登場人物が結構重複しているので、不親切な失敗作となってしまった。

呪呪呪/死者をあやつるもののキャスト

イム・ジニ - オム・ジウォン
謗法師ペク・ソジン - チョン・ジソ
チョン・ソンジュン - チョン・ムンソン
キム・ピルソン代表 - キム・イングォン
タク・ジョンフン教授 - コ・ギュピル
ピョン・ミヨン常務 - オ・ユナ
イ・サンイン専務 - クォン・ヘヒョ
ジェシー・ジョン - イ・スル
パク・ウチャン - パク・チャヌ
ドゥクン・サンテット - チャド・パーク
パク・ヨンホ - チョ・ハンチョル
ユ・ジョンフン刑事 - ナム・ヨヌ
カン・ヨンス刑事 - ヨン・ウジン
課長 - キム・ヒチャン
ピョン・スンイル会長 - チョン・グフファン
キム・ミンソプ理事 - チョン・ジェソン
キム・ジョンギュン所長 - キム・グァンヒョン
チョン・ジュボン - イ・ジュンオク

呪呪呪/死者をあやつるもののスタッフ

監督 - キム・ヨンワン
脚本 - ヨン・サンホ
原作 - ヨン・サンホ” show=””]
製作 - ハン・ドンファン
音楽 - キム・ドンウク” show=””]
撮影 - イ・ジフン” show=””]
制作会社 - クライマックス・スタジオ、CJ ENM、スタジオドラゴン、キーイースト
公開 - 韓国 2021年7月28日/日本 2023年2月10日
上映時間 - 110分

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