2020年2月10日~3月17日にtvN(韓国)で毎週月火夜21時30分に放送。呪いで人を殺すという“謗法(ほうぼう)”をテーマにした超自然ユニバーススリラー。全24話。原題は「방법」。マ・ドンソク主演の映画『ファイティン! 』のキム・ヨンワンがメガホンを取り、『新感染 ファイナル・エクスプレス』の演出を手掛けたヨン・サンホが初のドラマ脚本を手掛けた。まだ観ていない方は、Amazon Prime Videoで今すぐ視聴できます。
謗法~運命を変える方法~の感想
ようやく終わりそうな「凍てついた愛」と入れ替わりに、また新たな(と言っても昨年の作品だが)韓国ドラマがBSの深夜枠で始まった。
不穏な画面のスリラーで監督は「新感染」(早く「ファイナルステージ」を見たい)のヨン・サンホ。ヒロインのチョン・ジソは、またしても「パラサイト 半地下の家族」のキャストである。
脚本家は「デスノート」みたいなサスペンスを狙ったのではないかと思う。呪いが成立するかどうかというスリルは超能力合戦のようなもので、中盤過ぎまではメチャクチャ面白く、手に汗握らせる。
女祈祷師のチョ・ミンス(キム・ギドクの映画に出ている)、いつもは呑気父さん的な役が多いらしいソン・ドンイルなど役者の演技は迫真だった。
オカルトそのものの展開の裏で、ヒロインの夫(なぜか脚が悪い)の刑事が安楽椅子探偵的に理詰めで核心に近づいていくのも面白い。
終盤は萎んでしまうのが惜しい。
謗法~運命を変える方法~ 見どころ
サスペンス・ホラー・社会派ドラマの要素を統合し、呪術という異質な要素をリアルな社会批判の装置として機能させた意欲作である。
- ジャンル横断型ドラマの怪作。社会派スリラー×呪術ホラーの融合
企業の闇、報道の正義、母娘の愛、そして「呪術」という韓国特有の土着信仰が絡み合った異色のサスペンス・オカルトドラマである。脚本を担当したのは、『新感染 ファイナル・エクスプレス』や『地獄が呼んでいる』などで知られる鬼才ヨン・サンホ。「恐怖」や「暴力」が単なるジャンル演出にとどまらず、社会的メタファーとして機能しているのが大きな特徴。 - 「呪い」が武器となる復讐サスペンス
「謗法(방법)」とは、「相手の名前・写真・持ち物がわかれば、遠隔で死に至らしめる呪い」のこと。現代社会に潜む呪術的な力を“殺人の手段”として物語に取り込んだ点が斬新。
ヒロインの少女・ソジン(チョン・ジソ)は、生まれながらに謗法を使える能力を持ち、記者のジンヒ(オム・ジウォン)と共に巨大IT企業「フォレスト」の不正と呪術犯罪に立ち向かう。
ホラーでありながら、ジャーナリズムと企業犯罪を描いた社会派スリラーの骨格を持っているドラマで、呪いを“科学的説明のつかない暴力”として描くことで、逆に現代社会の倫理の崩壊を際立たせている。 - 若き呪術師×正義の記者の異色バディ
ソジンとジンヒの関係は、母と娘のようでもあり、仲間でもあり、距離感を残しつつ信頼を育んでいく静かで重層的なバディドラマになっている。
チョン・ジソの演じるソジンは非常に印象的で、無表情で淡々と呪術を使う一方、内面には傷と孤独を抱えた複雑な人物であり、観る者に「呪いとは何のためにあるのか?」という倫理的問いを突きつける。 - ソン・ドンイルが演じる“悪のカリスマ”
カルト的なカリスマを持つ「フォレスト」会長チン・ジョンヒョン(ソン・ドンイル)は、本作のもうひとつの柱。
単なる悪徳企業の代表ではなく、呪術と資本を融合させた“霊的ビジネス”の体現者である。笑顔の裏に潜む狂気と冷酷さは、かつての“父親役”のイメージを覆す怪演で、視聴者の恐怖と嫌悪をかき立てる。 - 韓国的オカルト×現代社会の対比
韓国に古くから根付くムーダン(巫女)文化や祈祷・呪術といった要素が、現代的なIT企業やマスコミと衝突しながらドラマにリアリティをもたらしている点が見どころである。
その衝突はただの奇異なコントラストではなく、科学や論理では説明できないものが、どのように人間社会に影響を及ぼすかという寓話的な深みを生んでいる。
謗法~運命を変える方法~ あらすじ
熱血女記者ジニは、IT企業「フォレスト」の退職者暴行事件を隠蔽する会長・チンの真相を追う。情報提供者として現れた15歳の少女・ソジンは「チンは人間ではない」と主張し、自らを「謗法(呪い)を使える」と明かす。ジニの夫で刑事のソンジュンも加わり、ソジンの謗法を駆使しながら、チンの陰謀と韓国・日本に存在する呪術の謎を解き明かしていく。物語は、ソジン、ジニ、ソンジュンの協力で、チンの恐るべき計画に立ち向かう展開を描く。
謗法~運命を変える方法~を観るには?
謗法~運命を変える方法~ キャスト
謗法~運命を変える方法~ スタッフ
『ショウタイムセブン』は、韓国映画『テロ, ライブ』を原作に、日本ならではのオリジナル展開を加えたサスペンス映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。