『家族狩り』ってどんなドラマ?
一家心中か、それとも殺人か——?
壊れかけた家族たちが織りなす、恐怖と感動の超ド級サスペンス・ミステリー!
直木賞作家・天童荒太の不朽の名作を、大石静の脚本、松雪泰子主演でドラマ化(TBS系「金曜ドラマ」枠)。
「家族とは何か」という根源的なテーマを突きつけながら、次々と起こる謎の「家族狩り」事件の真相と、それぞれに葛藤や闇を抱える家族たちの再生を描く。
あらすじ
児童相談所に勤務し家庭内暴力や虐待に悩む子どもたちと日々向き合う児童福祉司・氷崎遊子(松雪泰子)は、自身も認知症の父親(井上真樹夫)の介護と精神的に追い詰められた母親(浅田美代子)との関係に葛藤し、家族の崩壊の危機に瀕していた。
一方、高校の美術教師・巣藤浚介(伊藤淳史)は、恋人(山口紗弥加)からの強い結婚・出産プレッシャーに怯え、家族を持つことに恐怖を感じている。
そんなある日、都内で一家心中と思われる惨殺事件が発生。父親が家族を惨殺した後に自殺したと見られたが、現場には「家族狩り」と称される不審な痕跡が残されていた。事件を担当する執念の刑事・馬見原光毅(遠藤憲一)は、単なる心中事件ではなく第三者による「連続殺人」の可能性を疑い始める。
やがて、遊子、浚介、馬見原の3人は、それぞれの「家族の問題」を抱えながら、不気味に連鎖していく悲劇と連続殺人事件の恐ろしい真相へと巻き込まれていく——。
キャスト
氷崎 游子(東京都児童ケアセンター職員) – 松雪泰子(幼少期:住田萌乃)
巣藤 浚介(桐明学院高校美術教師) – 伊藤淳史
馬見原 光毅(警視庁捜査一課刑事) – 遠藤憲一
■氷崎游子の関係者
氷崎 清太郎(游子の父親) – 井上真樹夫
氷崎 民子(游子の母親) – 浅田美代子
山賀 葉子(ボランティア相談員) – 財前直見
駒田 幸一(玲子の父親) – 岡田浩暉
駒田 玲子(游子が保護した少女) – 信太真妃
大熊(一時保護所保育士) – 宮地雅子
青木(氷崎游子の上司) – 樋渡真司
大野 香一郎(山賀と大野の息子) – 私市夢太(少年期:込江海翔)
大野 甲太郎(「大野白蟻工業」経営者) – 藤本隆宏
■巣藤浚介の関係者
鈴木 渓徳(浚介の元教え子) – 北山宏光
清岡 美歩(桐明学院高校現代国語教師) – 山口紗弥加
芳沢 亜衣(桐明学院高校の女子生徒) – 中村ゆりか
芳沢 孝郎(亜衣の父) – 二階堂智
芳沢 希久子(亜衣の母) – 相築あきこ
実森 勇治(男子生徒) – 岡山天音
実森 智代(勇治の母) – 占部房子
実森 貞男(勇治の父) – 佐伯新
鈴木 佳苗(渓徳の妻) – 松浦雅
岡村 仁(桐明学院高校体育教師) – 市川知宏
■馬見原光毅の関係者
馬見原 佐和子(馬見原の妻) – 秋山菜津子
石倉(馬見原) 真弓(馬見原の娘) – 篠田麻里子
冬島 綾女(DV被害者のシングルマザー) – 水野美紀
油井 善博(綾女の元夫) – 谷田歩
椎村 栄作(刑事) – 平岡祐太
藤崎 真一(警視庁刑事部捜査一課課長) – 飯田基祐
石倉 鉄哉(真弓の夫) – 佐野和真
長峰(暴力団員) – 菅原卓磨
馬見原 勲男(馬見原の亡き息子) – 岡山智樹
冬島 研司(綾女と油井の息子) – 須田瑛斗
■問題家庭の家族たち
光島 マサル(光島家の息子) – 三宅史(第1・9話)
麻生 達也(麻生家の息子) – 富永愛弥(第1・9話)
見どころ
社会で孤立する現代家族が抱える闇と、凄惨な事件を通して人間の本質に迫るドラマである。
- 「家族」という普遍的テーマの深掘り
幸せそうな家族が狙われるという衝撃的な設定を通して、現代社会における家族のあり方、親子関係の歪み、そして「完璧な家族」という幻想の危うさを深く問う。 - 松雪泰子の熱演
主人公を演じる松雪泰子の演技が圧巻。介護疲れや仕事の重圧、そして事件に巻き込まれていく中で精神的に追い詰められていく女性の複雑な心理を演じる表情と佇まいが鬼気迫る。 - 予測不能なサスペンスと多重構造のミステリー
連続殺人犯は誰か、なぜ家族が狙われるのかというミステリーが物語の中心だが、登場人物それぞれの過去や秘密が少しずつ明かされ、点と点が線で繋がっていくような緻密な構成。サスペンス要素が非常に強い。 - 豪華なキャスト陣の競演
松雪泰子のほか、伊藤淳史、伊藤英明、水野美紀、遠藤憲一、山口紗弥加、そして倍賞美津子など、実力派俳優陣が多数出演。伊藤英明演じる男の謎めいた雰囲気も。 - 社会派ドラマとしてのメッセージ性
原作者・天童荒太は、社会の影の部分、特に「孤立」や「弱者」というテーマに鋭く切り込み、現代社会が抱える問題点や悲劇を浮き彫りにしている。
10話に収まっているのは驚異的。終盤の畳みかけがすごい。
Tverの名作ドラマ特集で再見。
いつもながら眉をひそめっぱなしの松雪泰子が抱えるヒロインの闇が深く、繰り返し使われている、中央線車輌の光に照らされながら暗い線路横を歩くカットが良い。中盤の伊藤淳史と邂逅するシーンで、その暗い表情をモンタージュするという凝りようである。
原作は未読だが、大石静は慎重かつ大胆にアレンジを加えていると思われる。主軸の連続一家心中事件のほか、松雪の家族問題、伊藤淳史と山口紗弥加の問題、岡田浩暉親子の問題、遠藤憲一夫婦の問題、遠藤憲一とヤクザの谷田歩、その情婦水野美紀との関係など複数の人間関係を手際よく描き分けている。これに美少女中村ゆりか(「まれ」に出演する前年である)など問題児を抱える家庭の描写ほかが細かく伏線付きで入るので、10話に収まっているのは驚異的と言える。松雪を犯人にミスリードする手並みも鮮やかだし、終盤の畳みかけがすごい。
初見の際に興奮させられたのは、藤本隆宏の白アリ駆除業者と財前直見のボランティア相談員の家屋が、物理的に裏手で繋がっているという江戸川乱歩的な構造だった(原作ではただの「隣人」という設定なのではないか)。このあたり、なぜか黒沢清「クリーピー 偽りの隣人」風ですらあると思う。
ところで、子どもの家庭内暴力が印象的なサスペンスドラマとしては杉咲花の「夜行観覧車」(2013)がある。当時の世相かと思って発生件数推移を見ると、2013年から現在に至るまでみごとにうなぎのぼりの状況となっている。特に増えているのは小学生によるものだ。
家族狩りを観るには?
家族狩り スタッフ
脚本 – 大石静、泉澤陽子
音楽 – 林ゆうき、橘麻美
演出 – 坪井敏雄、山本剛義、伊藤雄介
主題歌 – androp「Shout」(WARNER MUSIC JAPAN / unBORDE / respire)
劇中使用曲 – 尾崎豊「I LOVE YOU」
撮影 – 森哲郎
音響効果 – 佐藤秀国
美術 – 青木ゆかり
広告宣伝 – 磯谷昌宏
演出補 – 北川学、近藤一彦、大畑真治、石角紗希、西岡衣舞、松田健斗
プロデュース – 植田博樹、長谷川晴彦(ROBOT)
制作プロデュース – 安田邦弘
制作協力 – ROBOT
製作著作 – TBS




