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ユタニ社の目論見は劣悪環境に耐える奴隷の創造にあった(エイリアン:ロムルスの感想)
監督は「ドント・ブリーズ」(「ドント・ブリーズ2」も)を撮った人。
そしてヒロインのケイリー・スピーニーは「シビル・ウォー アメリカ最後の日」のあの少女である(私は見ている間気がつかなかった)。
さて、本作はシリーズ再起動と言われているらしく、すでに続編の製作情報も聞こえる。「エイリアン」と「エイリアン2」の間に起こったこととされる。すなわち、
ということになる。シガニー・ウィーバーがポッドで脱出して爆破したはずのノストロモ号の残骸が宇宙を漂っており(そういうレベルの爆発ではなかったような気がするが…)、ウェイランド・ユタニ社がエイリアンの繭を回収するシーンから始まる。
宇宙開拓企業であるWユタニ社は、日照時間ゼロの過酷な植民地星で、人造人間の「弟」と働くヒロインのケイリーとその弟(実は人造人間)らを奴隷のように使って鉱物採掘を行っている(ユタニ社を代弁して人造人間が「人間は脆すぎる」と語る通り、要するにこの会社は劣悪環境を物ともしない生物としてエイリアンに着目しているのである)。
ケイリーの夢はここを脱出して太陽の輝くユヴァーガ星に行くことであり、同じ意志を持つ仲間たちとついに貨物船を奪取して、放棄された宇宙ステーション(研究施設)「ルネサンス」に向かう。そこでユヴァーガまでの9光年を過ごすための冷凍休眠装置を確保しようという算段である。
あとは想像のように、ルネサンス(ロムルスとレムスという2区画で構成される)はエイリアンかひしめくお化け屋敷で、一人ずつ仲間を失いながら期限内に脱出する話になる(ルネサンスは90分後に小惑星帯に激突する)。
目新しさはそれほどないのだが、おなじみの強酸性の体液をかわす手段が描かれていて、これは面白かった。ラスト(ボスキャラ)はかなり奇妙なもので、賛否両論だと思う。
エイリアン:ロムルスのあらすじ
西暦2142年、無人探査機が回収した繭からエイリアンが発見される。ジャクソン星の鉱山労働者レイン・キャラダインは、アンドロイドのアンディと元恋人タイラーらとともに、ユタニ社の放棄された宇宙研究施設「ルネサンス」(ロムルスとレムス)に侵入し、冷凍休眠装置を使ってユヴァーガ星へ逃亡する計画を実行する。
しかし、タイラーたちが冷凍燃料を探す過程で保管されていたフェイスハガーが覚醒。仲間のナヴァロが寄生され、彼の体内からチェストバスターが誕生、成体エイリアンとなる。同時に、アンディのシステム更新により彼の第一指令が「会社への貢献」に変更され、仲間たちの間に分裂が生じる。
一行は逃げる過程で次々と犠牲となり、最終的にレインは、謎の液体「Z-01」を自ら注射したケイから生まれた人間とエイリアンのハイブリッドを宇宙空間に放出することで危機を脱する。唯一の生存者となったレインは、ユヴァーガ星への自動操縦をセットし、アンディを将来修復する決意を記した後、冷凍休眠に入る。
エイリアン:ロムルス 見どころ
『エイリアン:ロムルス』は、シリーズの原点に立ち返りつつ、新たな要素を取り入れた作品として、多くの観客に新鮮な体験を提供。ビジュアルや演出面での評価は高く、特にホラー要素の再現に成功している。
- 原点回帰と新要素の融合
シリーズ第1作『エイリアン』(1979年)と第2作『エイリアン2』(1986年)の間の時系列で展開され、閉鎖空間でのサバイバルホラーという原点に立ち返っており、新キャラや設定を導入し、シリーズの新たな方向性を模索している。 - 若年層キャストの起用
ケイリー・スピーニーをはじめとする若手キャストの起用により、フレッシュな視点が加わったが、一部の批評家は、キャラクターの深掘りが不足しており、感情移入しづらいと指摘している。 - ビジュアルと演出の評価
フェデ・アルバレス監督による映像美や緊張感のある演出は高く評価されている。特に、ゼノモーフのデザインやフェイスハガーの描写は、シリーズの恐怖感を再現している。 - ストーリー展開と終盤の評価
前半は緊張感があり好評ですが、終盤にかけての展開については賛否が分かれる。終盤の新たなクリーチャーの登場や展開がシリーズの雰囲気と合致していないと感じる観客も。 - シリーズへのオマージュ
過去作へのオマージュや要素の再利用が見られ、シリーズファンにとっては懐かしさを感じる一方で、新鮮味に欠けるとの指摘も。
エイリアン:ロムルスを観るには?
エイリアン:ロムルス キャスト
アンディ(旧型アンドロイド) – デヴィッド・ジョンソン
タイラー(レインの元恋人) – アーチー・ルノー
ケイ(タイラーの妹) – イザベラ・メルセード
ビヨン(タイラーの従弟) – スパイク・ファーン
ナヴァロ(アジア系女性) – アイリーン・ウー
ルーク(アンドロイドの科学主任) – ダニエル・ベッツ
ゼノモーフ – トレバー・ニューリン
オフスプリング(人間とゼノモーフのハイブリッド) – ロバート・ボブロッキー
エイリアン:ロムルス スタッフ
脚本 – フェデ・アルバレス、ロド・サヤゲス
原作(キャラクター創造) – ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
製作 – リドリー・スコット、マイケル・プラス、ウォルター・ヒル
製作総指揮 – フェデ・アルバレス、エリザベス・カンティロン、トム・モラン、ブレント・オコナー
音楽 – ベンジャミン・ウォルフィッシュ
撮影 – ガロ・オリバレス
編集 – ジェイク・ロバーツ
製作会社 – 20世紀スタジオ、スコット・フリー・プロダクションズ、ブランディワイン・プロダクションズ
配給 – アメリカ 20世紀スタジオ、日本 ウォルト・ディズニー・ジャパン
公開 – アメリカ 2024年8月16日、日本 2024年9月6日
上映時間 – 119分