2011年のアメリカのサスペンス映画。原題は「Unknown」。ディディエ・ヴァン・コーヴラールの小説『Out of My Head』を、スティーヴン・コーンウェルとオリヴァー・ブッチャーが脚本化し、ジャウム・コレット=セラが監督した。
アンノウンのあらすじ
学会に出るため妻とベルリンを訪れた植物学者の男が、交通事故に遭う。しかし目覚めると、妻は彼のことを知らないと言い、傍らで見知らぬ男が彼の名を名乗っていた。その裏に隠された陰謀を確信した男は、やがて2人の協力者を得て真実の解明に乗り出す。
アンノウンの感想
監督は2005年版「蝋人形の館」でデビューした人。
確実に見たことがあるのだが結末を忘れていて、以下の感想もどこかに書いた記憶があるのだが、最後に主人公(それまでは一介の植物学者)が、自分が誰かを思い出した途端に急に強くなるくだりがオカシイ。実はカーアクションの派手な運転テクニックがすでに不自然なわけだが……
実は嘘をついているのは一人だけというヒチコック風のストーリーは、主人公がリーアム・ニーソンだということ自体が伏線になっている。パスポートには1964年生まれとあって、本作公開年で47歳は少々老け過ぎなのだが、本当は54年生まれのリーアムは10歳もサバを読んでいて、この後から本格的にアクション俳優になっていくのだから向こうの人はすごい。
雪の散らつく暗いベルリンを舞台に、シュタージ出身のひと癖ありげな老探偵役としてブルーノ・ガンツ(この人は天使の役ばかりのようだが、ヒトラーも演じている)がいかにも不気味で素晴らしいのだが、まるで展開に影響しないのはひどいと思う。
ドイツ人のダイアン・クルーガーは流れ者の移民を演じているが、「女は二度決断する」というトルコ人移民連続殺人の映画にも出ていて、そちらの方が面白そうだ。
アンノウンのキャスト
マーティン・ハリス博士 – リーアム・ニーソン
ジーナ – ダイアン・クルーガー
エリザベス・ハリス – ジャニュアリー・ジョーンズ
もう1人のマーティン・ハリス – エイダン・クイン
エルンスト・ユルゲン – ブルーノ・ガンツ
ロドニー・コール – フランク・ランジェラ
シャーダ王子 – Mido Hamada
レオ・ブレスラー教授 – セバスチャン・コッホ
ヘラー・シュトラウス – ライナー・ボック
Dr. Farge – カール・マルコヴィックス
ジョーンズ – スティペ・エルツェッグ
アンノウンのスタッフ
監督 ジャウム・コレット=セラ
脚本 スティーヴン・コーンウェル、オリヴァー・ブッチャー
原作 ディディエ・ヴァン・コーヴラール
製作 ジョエル・シルバー、レナード・ゴールドバーグ、アンドリュー・ローナ
製作総指揮 スーザン・ダウニー、ピーター・マカリーズ、サラ・メイアー、スティーヴ・リチャーズ
音楽 ジョン・オットマン
アレキサンダー・ルッド
撮影 フラビオ・ラビアーノ
編集 ティム・アルヴァーソン
公開 アメリカ 2011年2月18日 日本 2011年5月7日
上映時間 113分
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