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9人の翻訳家 囚われたベストセラーの感想
ウクライナ出身のオルガ・キュリレンコの映画。自分的には「オブリビオン」以来である。町山智浩によれば、××ンコという名はウクライナ系なのだとか(マギー・ミネンコとか)。
覆面作家のベストセラーミステリ最新刊を世界同時発売するために各国の翻訳者が集められ、流出を防ぐために監禁状態で翻訳作業をさせることになる。デンマーク語、ポルトガル語、ギリシャ語、ロシア語、中国語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、そして英語を母国語とする9人がシェルターのような施設に警備員付きで閉じ込められるという、いかにも事件が起きそうな設定だが、実際にダン・ブラウンの小説を発売するときに本当にこういうことをしたというのだから、驚きだ。
結局、監禁下にもかかわらず流出事件が起こり、翻訳者は次々と倒れていく。真相はかなりひねってあり、映像はオシャレなだけでなく、手に汗握るアクションもある。
9人の翻訳家 囚われたベストセラー 見どころ
本作は、『ダ・ヴィンチ・コード』をはじめとするダン・ブラウン原作の小説『ロバート・ラングドン』シリーズの4作目『インフェルノ』出版の際、海賊行為と違法流出を恐れた出版元が著者ブラウンの同意のもと、各国の翻訳家を地下室に隔離して翻訳を行なったとの実話から着想を得ている。2019年11月にチェコで開催されたフランス映画祭でプレミア上映された。
- 「密室」での高度な頭脳戦と心理戦
外部と遮断された密室空間に閉じ込められた9人の翻訳家たちが、互いに疑心暗鬼になりながら真犯人を探し出す、密度の高い心理戦。会話の端々や、些細な行動、そして過去の言動から真実を探る過程は、知的エンターテインメントと言える。 - 予測不能な「どんでん返し」の連続
二転三転する予測不能な展開。犯人だと思われた人物が実は……、というような「どんでん返し」が何度も訪れ、常に真実がどこにあるのかを疑いながら見ることになる。最後まで気が抜けないサスペンスが持続。 - ランベール・ウィルソン演じる謎の出版社長
謎めいた出版社の社長エリック・アングストロームを演じるランベール・ウィルソンの存在感。翻訳家たちに仕掛ける心理的なプレッシャーや、その裏に隠された真の目的が物語の鍵。 - 国際色豊かな翻訳家たちの個性
9人の翻訳家は、それぞれ異なる国籍と文化を持つ個性的なキャラクターとして描かれる。それぞれの専門知識、翻訳という仕事への情熱がもっともらしい。多様な言語が飛び交う点も興味深い。 - 「本」と「言葉」への深い愛と考察
ベストセラー小説の翻訳というテーマを通して、「本」や「言葉」が持つ力、それが世界に与える影響が考察されている。情報漏洩を防ぐための徹底したセキュリティも興味深い。
9人の翻訳家 囚われたベストセラーのあらすじ
全世界が待望しているミステリー小説『デダリュス』の完結編の各国語への翻訳のため、フランスの人里離れた村の館に9カ国から翻訳家が集められた。海賊行為と違法流出を恐れた出版元は、極秘に翻訳を行わせるために9人を地下の要塞のような密室に隔離され、外出はおろか、電話やSNSも禁止され、毎日20ページずつ渡される原稿をひたすら翻訳していく。
ある夜、出版社社長の元に「冒頭10ページをインターネットに公開した。24時間以内に500万ユーロを支払わなければ、次の100ページも公開する。要求を拒めば、全ページを流出させる」という脅迫メールが届く。それは翻訳家に紛れ込んだ原作者の、出版社に対する復讐の始まりだった……
9人の翻訳家 囚われたベストセラーを観る
9人の翻訳家 囚われたベストセラーのキャスト
カテリーナ・アニシノバ – オルガ・キュリレンコ(ロシア語)
アレックス・グッドマン – アレックス・ロウザー(英語)
ハビエル・カサル – エドゥアルド・ノリエガ(スペイン語)
エレーヌ・トゥクセン – シセ・バベット・クヌッセン(デンマーク語)
ダリオ・ファレッリ – リッカルド・スカマルチョ(イタリア語)
ジョルジュ・フォンテーヌ – パトリック・ボーショー
ローズマリー・ウエクス – サラ・ジロドー
イングリット・コルベル – アンナ・マリア・シュトルム(ドイツ語)
チェン・ヤオ – フレデリック・チョー(中国語)
テルマ・アルヴェス – マリア・レイチ(ポルトガル語)
コンスタンティノス・ケドリヌス – マノリス・マブロマタキス
9人の翻訳家 囚われたベストセラーのスタッフ
脚本 – レジス・ロワンサル、ダニエル・プレスリー、ロマン・コンパン
製作 – アラン・アタル
音楽 – 三宅純
撮影 – ギヨーム・シフマン
編集 – ロイック・ラレマン
製作会社 – トレゾール・フィルム、マース・フィルム、フランス2シネマ、ワイルド・バンチ、Artémis Productions、VOO、BE TV
公開 – チェコ:2019年11月23日、フランス:2020年1月29日、日本:2020年1月24日
上映時間 – 105分
『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』は、密室サスペンス、頭脳戦、そして予測不能な展開が好きな方には特におすすめの映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。