チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸

小西真奈美(チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸)
小西真奈美(チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸)

海堂尊の長編小説『アリアドネの弾丸』(2010年宝島社刊、田口・白鳥シリーズ第5作)を原作として、『チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸』のタイトルで、関西テレビとメディアミックス・ジャパン(MMJ)の共同制作による『チーム・バチスタシリーズ』第3弾としてフジテレビ系列で2011年7月12日~9月20日に放送された。

チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸の原作


病院の新型MRI装置で発見された死体。仕掛けられた前代未聞のトリックとは!? 東城大学医学部付属病院に導入された新型MRI、コロンブスエッグ。その中で技術者が死因不明の怪死を遂げた。さらに数日後、今度はMRIの中で射殺された元刑事局長の死体が発見される。警察は、現場で拳銃を握って倒れていた高階病院長を犯人と疑うが……。エーアイセンター長に任命されてしまった医師の田口と、厚生労働省の役人・白鳥は、高階の無実を証明すべく奔走する! 書き下ろしのあとがきを含む電子特典付き。

チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸の原作を読んだ人の感想

ドラマ チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸

チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸 Hulu
チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸 Hulu

あらすじ

ある日死因不明の遺体と遭遇した田口は、事件性無しと判断する警察にオートプシーイメージング(Autopsy imaging、Ai)を提言し、犯罪が見逃されるのを未然に防ぐ。一方、白鳥は解剖率3%で残りの97%は死因が分からないまま闇に葬られている「死因不明社会」を打破するため、東城医大病院でAiセンター設立を進めていた。しかしAiを快く思わない警察庁と、法医学者である笹井の反対に遭い、更にAiの万能性を豪語して譲らない放射線科医・島津が両者と対立。センター運営会議は紛糾する。
そんな中、Aiセンターに導入された新型の縦型MRIで連続殺人事件が発生。警察の情報を管理しAiセンター潰しを目論むなど事件の裏で暗躍する斑鳩、業者との癒着を疑われる島津、20年前のDNA鑑定の不備が生んだ「松崎事件」と呼ばれる冤罪事件で心に暗い影を落とす笹井と北山、北山に忠義を尽くす宇佐見。事件の背景にそれぞれの思惑が交差する中、田口と白鳥は事件の調査に奔走し真相を紐解いていく。
しかし、20年の時を超え「松崎事件」の因縁を呼び起こす女子高生殺人事件が発生。田口と白鳥は死因不明社会の闇の中へ逃れ続けていた真犯人を追及する。

感想

ブルドクターとかぶりまくってるが…

今季(2011年夏ドラマ)のネタは完全にかぶっている。
しいていうと、Aiをめぐって 安田顕と対立する立場にあるのが、法医学者としての江角マキコということになる。
本作でいうとコニタンの役柄がそれである。
次々にキャラクターが初登場して、それを誰が演じているかを確認するのは、ドラマの初回を見る楽しみだと思うが、小顔で10等身というコニタンの姿は、なおさらかぶっているし、いくらなんでも、さすがに江角のほうが華があるのだった。
女優としては江角よりも上だと思うが、「UDON」で味噌がついてしまった女優だと思う。

さて、Aiについて、原作者の海堂尊は名誉毀損で訴えられるという事件を起こしている。

東大大学院の深山正久教授(人体病理学・病理診断学)を「Ai(死亡時画像診断)導入の反対の病理学会重鎮が、Aiの普及、発展を阻害」「病理学会上層部と官僚の癒着による学業業績剽窃事件」などとブログに書いたので、名誉毀損で訴えられ、一・二審とも敗訴、最高裁は上告棄却された。
(議論を求めたもので、個人攻撃のつもりはないと海堂は語っている)

ドラマでは仲村トオルが推していることでAi導入派が優勢に見えるが、現実は違うらしい。
同時に、Ai導入に反対する人々が、面子や利権を重視し新しいものを受け入れようとしない抵抗勢力のように扱われている。

ま、どっちでもいいのだが、警察庁の曲者に 高橋克典というのが良いキャスティングである。
この役は「無声狂犬(サイレント・マッドドッグ)」と呼ばれているらしいので、「悪党」でドスのきいたワルを演じた高橋のイメージのまま楽しませてほしいところだ。
キャストとしては、安田顕尾美としのり中村靖日も気になる。なかなか充実した脇役陣である。
こうしてみると、やはり女優のメインがコニタンだというのがやはり弱いのか。

舞台は「ジェネラル・ルージュの凱旋」と同じ東城医大病院で、ここの救命医療センターに加藤あいやら白石美帆やらがいることになる。
名取裕子は引き続きの登場である。
(原作では、「イノセント・ゲリラの祝祭」というのが間にはさまっている)
西島秀俊は、結局メディカルアソートの病院長になったんだっけ? 忘れてしまった。

医療ミステリーだった前作とは異なり、どうやら今回は派閥争いのお話らしい。
事件ものの興味で毎回つなぐらしいが、今回の事件のあらましを見るとわかる通り、そちらはかなりどうでもいい感じである(ぼんやり見ていたが、犯人がいつ捕まったのかわからなかった)。
やっぱり、高橋克典が気になるのである。

安田顕は高橋克典側の人間と予想

フツーに考えると、安田顕高橋克典側の人間という展開が予想され、矢柴俊博演じるエンジニア友野を殺害したのは安田だということになる。コニタンは途中でその秘密に気づき、危険に陥ったのち、仲村トオルに救われることになるだろう。
仲村トオルは矢芝のPCの不審なログイン記録に気づいたが、おそらく矢芝が死んでから犯人がログインしたのではなく、矢芝がその時点まで生きていたということを意味するのではないか。MRI室にあったボンベによって直腸温度が操作されていたのだ。これにより、当夜の関係者のアリバイ関係が異なる様相を見せることになるだろう。

単発物の事件のほうで、小母さんになったあめくみちこが出ていた。
薬師丸ひろ子のそっくりさんとしてデビューしたということを知る人は、いまや少ないと思われるが、いま見ても、というか、昔以上に薬師丸に似ているのではないか。

ブルドクターでは、遺体の血色が良すぎてオカシイのだが、こちらは血液が体の下部分に落ちるなど、一応、死体らしく見える。

弾丸はいつ出てくるか

前回の感想を書いたことすら忘れていたほど薄いドラマである。

死亡後のPCログインの謎はあっさりと死亡推定時刻のズレにつながっていた。予想通りの展開である。

やっぱり先週書いた通り、フツーに考えると安田顕が怪しく、コニタンは巻き込まれているだけなのだが、コニタンは高橋克典とどういう関係なのかということはまだ明かされていない。愛人関係にあるようなのだが、これもまた、題材がかぶる「ブルドクター」の石原さとみゴロちゃんの関係とみごとにかぶっている。あちらでは佐野史郎ラインのゴロちゃんが怪しい人物ということになっているのだが、こちらでは悪党演技がはまりにはまっている高橋が、怪しい人物である。

今回は目立ったサブストーリーはなく、Aiはガス中毒を見破れないということが判明しただけだった。だんだんとAiの悪いことばかり明らかになるので、仲村トオルは本当はAiの導入を阻もうとしているのではないかというふうにも見えてくる。このへんは仲村トオルの過去とやらが関係しているのかもしれない。

今週は「法医学教室のアリアドネ」が出てこなかった。これは仲村と名取裕子が楽しみにしている劇中のテレビドラマだが、なんのことはない、「法医学教室の事件ファイル」のことで、そのドラマの主演は名取裕子である。アリアドネはこのドラマにおいて迷宮を踏破するための糸を意味するようだが、「弾丸」のほうはまだ意味がわからない。しかし弾丸が出てくるまで見続ける根気を維持できるかどうか、ちょっと怪しくなってきた。

キャスト

主要人物
 田口公平 – 伊藤淳史
 白鳥圭輔 – 仲村トオル
Aiセンター運営会議
 斑鳩芳正 – 高橋克典
 島津吾郎 – 安田顕
 笹井スミレ – 小西真奈美
 宇佐見壮一 – 福士誠治
 北山錠一郎 – 尾美としのり
警察及び東城医大病院関係者
 須賀秀介 – 市川知宏
 玉村誠 – 中村靖日
 神田宏樹 – 西沢仁太
 佐藤伸一 – 木下隆行
 和泉遥 – 加藤あい
 山岡浩 – 市川勇
 三船大介 – 利重剛
 藤原真琴 – 名取裕子
 高階権太 – 林隆三
その他
 友野優一 – 矢柴俊博
 矢神院長 – 佐戸井けん太
 松崎行雄 – 六平直政
 井野悦郎 – 甲本雅裕
 尾崎健二 – 升毅

スタッフ

脚本 – 後藤法子田中眞一
音楽 – 羽岡佳、妹尾武
主題歌 – Do As Infinity「アリアドネの糸」(avex trax)
TD – 松岡良治
撮影 – 初瀬康一
VE – 山下輝良
照明 – 村澤浩一
音声 – 二瓶尚穂
編集 – 白水孝幸(1 – 4話)、田内文高(5 – 最終話)
ライン編集、EED(5話) – 萩原隆司
選曲 – 谷川義春
音響効果 – 竹嶋あゆみ
MA – 大石佳奈
美術プロデュース – 津留啓亮
デザイン – 根本研二
美術進行 – 杉山貴直
装飾 – 田村康利
大道具 – 大地研之
操作 – 坂井貫浩
建具 – 阿久津正巳
電飾 – 谷口雅彦
アクリル装飾 – 中村哲治
植木装飾 – 後藤健
持道具 – 市川清美
メイク – 佐々木彩、河野明子(1話)
衣装 – 渋沢有美
スタイリスト – 中川原寛、西ゆり子
タイトルバック – イレブングラフィックス
スチール – 桂修平
スタジオ管理 – 金子康貴
CGプロデュース – 奥田圭一
CG – 相川はじめ 、福井直人
スタンドコーディネーター – 釼持誠
ガンアクションコーディネーター – 早川光
特殊造形 – 松井祐一
Ai監修 – 山元正二(Ai情報センター代表理事)
警察監修 – 杢尾尭
法医学監修 – 髙木徹也(杏林大学医学部法医学教室准教授)
法医指導 – 奈良明奈(東京医科歯科大学大学院司法医学分野PD)
医療取材協力 – 原田智幸(東京女子医科大学救命救急センター講師)
クラシック監修 – 野本由紀夫(玉川大学芸術学部教授)
犯罪心理監修- 越智啓太(法政大学文学部心理学科教授)
MRI取材協力 – 新潟大学脳研究所、統合脳機能研究センター
MRI技術指導 – 谷口貴久、松野太郎
科学監修 – 大島まり(東京大学情報学環 生産技術研究所教授)
救命救急監修 – 原田智幸(東京女子医科大学救命救急センター講師)
法律監修 – 本山信二郎(広尾マイスター法律事務所)
看護指導 – 石田喜代美
医事指導 – 後藤大輔、中島真理子
編成 – 浦邊日出彦(関西テレビ)、塩原充顕(フジテレビ)
宣伝 – 豊増雄(関西テレビ)
広告 – 北村友香理(関西テレビ)
ホームページ – 大島直彰(関西テレビ)
営業 – 乾正志(関西テレビ)
制作担当 – 北田宏和
制作主任 – 小合智宏
記録 – 小宮尚子、山本明美、杉山珠美
スケジュール – 安見悟朗
助監督 – 吉原通克
AP – 佐藤利佳
プロデューサー – 豊福陽子(関西テレビ)、遠田孝一八巻薫(MMJ)
演出 – 今井和久小松隆志星野和成
制作 – 関西テレビ・MMJ

ドラマ チーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸を観た人の感想

タイトルとURLをコピーしました