ドラゴン・タトゥーの女(2011年)

ルーニー・マーラ(ドラゴン・タトゥーの女[2011年])
ルーニー・マーラ(ドラゴン・タトゥーの女[2011年])

スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの推理小説「ミレニアム」3部作の第1作目を原作として、2009年に最初の映画化作品がスウェーデン及び、デンマークで制作され(全世界で1億ドル以上を稼ぐヒット作となり、英国アカデミー賞 非英語作品賞を受賞。ミカエル役はミカエル・ニクヴィスト、リスベット役はノオミ・ラパス)、さらにハリウッドで、デヴィッド・フィンチャー監督で2011年にリメイクされた。ミカエル役はダニエル・クレイグ、リスベット役はルーニー・マーラ。第84回アカデミー賞編集賞を受賞。
雑誌『ミレニアム』発行責任者のミカエルと調査員のリスベットが富豪家で発生した36年前の少女失踪事件の謎を解く。

ミレニアムとは

『ミレニアム』(Millennium)は「ドラゴン・タトゥーの女」「火と戯れる女」「眠れる狂卓の騎士」からなる。
作者のラーソンは全10部の構想を持っていたが、第1部の出版を待たずして2004年11月 心筋梗塞で亡くなった。その後、2005年に『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』、2006年に『ミレニアム2 火と戯れる女』、2007年に『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』が出版され、世界的大ヒットを記録しながらも絶筆となった。
「ドラゴン・タトゥーの女」と第3部「眠れる女と狂卓の騎士」はスカンジナビア推理作家協会が授与するガラスの鍵賞、第2部「火と戯れる女」はスウェーデン推理作家アカデミー最優秀賞を受賞。
その後、ダヴィド・ラーゲルクランツが続編として3作書き、2015年に『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』、2017年に『ミレニアム5 復讐の炎を吐く女』、2019年に『ミレニアム6 死すべき女』が出版されている。
さらに2022年からはカーリン・スミルノフによる新シリーズが刊行されている(既刊1巻)。

本国スウェーデンでは、第1部が出版されるや大変な人気を博し、第1部の刊行から約3年でシリーズ合計290万部を売り上げるベストセラーとなり、フランス、ドイツ、アメリカをはじめ30カ国以上で翻訳され、全世界で800万部以上を売り上げた(日本語版の翻訳権は早川書房が独占しており、2008年から2009年にかけて出版された)。

ドラゴン・タトゥーの女の原作

ドラゴン・タトゥーの女の原作のあらすじ

雑誌『ミレニアム』の発行責任者のミカエル・ブルムクヴィストは実業家・ヴェンネルストレムの不正を報道したが、ことごとく証拠を覆され、名誉毀損で有罪判決を下されて『ミレニアム』から離れる。
時を同じくして、大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが、弁護士フルーデを通じて、ミカエルの身元を調査していた。調査担当者は背中にドラゴンのタトゥーを入れた女性、リスベット・サランデル。ミカエルを信用に足る人物と判断したヘンリックは、ミカエルに、36年前に一族が住む島から忽然と姿を消した少女ハリエット・ヴァンゲルの失踪事件の調査を依頼する。ヘンリックは、一族の誰かがハリエットを殺したのだと信じている。事件の謎を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させる証拠を与えるという条に、ミカエルは依頼を引き受ける。
調査は困難を極めたが、新しい手がかりもあった。ミカエルはリスベットの協力を得て、妨害に遭いながらも、連続殺人の真相とヴァンゲル家の繋がり、ハリエット失踪事件の顛末を明らかにしていく。

ドラゴン・タトゥーの女の原作のテーマ

原題 “Män som hatar kvinnor” は「女たちを憎む男たち」という意味。シリーズ全篇を通して、女性に対する蔑視および暴力 (ミソジニー) がテーマとなっている。
著者が15歳のころ友人と行ったキャンプで、一人の女性が友人達に輪姦されているところを目撃していながら、何もせずその場を逃げ去った。著者はその翌日、被害者の女性(リスベットという名だった)に許しを請うが拒絶された。その時から、自らの臆病さに対する罪悪感と女性暴力に対する怒りが著者を生涯つきまとうようになった。

ドラゴン・タトゥーの女の原作を読んだ人の感想

映画ドラゴン・タトゥーの女(2011年)

映画ドラゴン・タトゥーの女(2011年)のあらすじ

記者ミカエル・ブルムクヴィストは大物実業家ヴェンネルストレムの武器密売をスクープし、名誉毀損で訴えられ裁判で敗訴し全財産を失う。失意のミカエルに、別の大物実業家から電話がかかってくる。一族の謎を解明して欲しいとの依頼で、見返りに裁判判決を逆転させるような証拠を渡すという。謎とは、40年前に行方不明になった16歳の少女のことであり、一族の誰かに殺されたという。
依頼を引き受けたミカエルは、猟奇連続殺人に関わる一族の秘密を知ることになる。ミカエルは、彼に興味を持ったドラゴンの刺青をしたフリーの天才女ハッカーであるリスベットとともに捜査を進め、すべての謎と事件を解決していく。

映画ドラゴン・タトゥーの女(2011年)の感想

そういえば見ていなかった。2011年公開だから10年以上遅れての鑑賞である。

後半になると眉毛がうっすらと生えてくるルーニー・マーラは有能すぎ、恰好良すぎである。続編はキャスト交代したそうだが(もう子どももいるし無理と断ったそうだ)、このリスベットを超えるのは難しいのでは。

ブルムクヴィストとかヴェンネルストレムとか、字幕で覚えられないようなスウェーデン人の名前が並ぶややこしい原作を、フィンチャーはおそろしく手際よく撮っている。原作のテーマはミソジニーということらしいが、リスビットのパートも含めて、非常によくできているのではないか。40年前の連続レイプ事件の最中に失踪した少女が最後に現れるというストーリーを文字通りロス・マクドナルド的に撮っているのが心地よかった。

映画ドラゴン・タトゥーの女(2011年)のキャスト

ミカエル・ブルムクヴィスト – ダニエル・クレイグ
リスベット・サランデル – ルーニー・マーラ
ヘンリック・ヴァンゲル – クリストファー・プラマー
マルティン・ヴァンゲル – ステラン・スカルスガルド
ディルク・フルーデ – スティーヴン・バーコフ
エリカ・ベルジェ – ロビン・ライト
ニルス・ビュルマン – ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
アニタ・ヴァンゲル – ジョエリー・リチャードソン
セシリア・ヴァンゲル – ジェラルディン・ジェームズ
ドラガン・アルマンスキー – ゴラン・ヴィシュニック
グスタフ・モレル警部補 – ドナルド・サムター(若年期: デヴィッド・デンシック
ハンス=エリック・ヴェンネルストレム – ウルフ・フリバーグ
ホルゲル・パルムグレン – ベント・C・W・カールソン
プレイグ – トニー・ウェイ
ハラルド・ヴァンゲル – ペル・マイヤーバーグ
ペニラ・ブルムクヴィスト – ジョセフィン・スプランド
アンナ・ニーグレン – エヴァ・フリトヨフソン
ハリエット・ヴァンゲル – モア・ガーペンダル
若年のヘンリック・ヴァンゲル – ジュリアン・サンズ
ビルエル・ヴァンゲル – マーティン・ジャーヴィス
イザベラ・ヴァンゲル – インガ・ランドグレー
グンナン・ニルソン – マッツ・アンデルソン
リヴ – アーリー・ジョバー
グレーゲル – アラステア・ダンカン
イサクソン刑事 – アラン・デイル
ミルドレッド – レナ・ストロンダール
リンドグレーン – アン=リー・ノルバーグ
トリニティ – レオ・ビル
ミリアム・ウー – エロディ・ユン
アニカ・ジャンニーニ – エンベス・デイヴィッツ

映画ドラゴン・タトゥーの女(2011年)のスタッフ

監督 デヴィッド・フィンチャー
脚本 スティーヴン・ザイリアン
原作 スティーグ・ラーソン
製作 ソロン・スターモス、オーレ・センドベリ、スコット・ルーディン、セアン・チャフィン
製作総指揮 アンニ・ファウルビエ・フェルナンデス、ミカエル・ヴァレン、スティーヴン・ザイリアン
音楽 トレント・レズナー、アッティカス・ロス
撮影 ジェフ・クローネンウェス
編集 カーク・バクスター、アンガス・ウォール
公開 アメリカ2011年12月20日 スウェーデン2011年12月21日 日本2012年2月10日
上映時間 158分

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映画ドラゴン・タトゥーの女(2011年)の予告映像

映画ドラゴン・タトゥーの女(2011年)を観た人の感想

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