ブルドクター

石原さとみ(ブルドクター)
石原さとみ(ブルドクター)

2011年7月6日~9月14日の毎週水曜22:00-22:54に日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で放送。主演は江角マキコ。ハイビジョン制作。ミステリアスな事件の真実を求め、死因究明にひた走る法医学者の信念強い生き様を描く医療ヒューマンドラマ。江角マキコの連ドラ主演は2007年7月期『地獄の沙汰もヨメ次第』(TBS)以来4年ぶり、稲垣吾郎は江角と共演した1997年10月期『恋の片道切符』以来14年ぶりの日テレ連続ドラ出演。この作品以降、SMAPのメンバーの日テレドラマ出演は2016年の解散までなく、江角も2017年に引退したため本作が日テレドラマ最後の出演となった。

ブルドクターのあらすじ

法医学者・珠実(江角マキコ)とキャリア刑事・知佳(石原さとみ)が、バトルを繰り広げながらも事件の真相を追う、医療ヒューマン・ミステリー。珠実は米国で先進的な死因究明制度を学んだ後、上都大学法医学教室に赴任する。着任早々、偶然すれ違ったジョギング中の老人が倒れ死亡。珠実は、老人の死を心筋梗塞で処理しようとする知佳と対立する。知佳は同じ教室の名倉(稲垣吾郎)に死体検案書を書くよう依頼するが、そのやり方に納得のいかない珠実は、別の変死体発見現場に同行し、検視官に指示を出す。

ブルドクターの感想

江角マキコの演技が下手なことにはほとほと呆れるが、その身のこなしだけはさすがで、肢体としての魅力は認めざるを得ない。このドラマは、ほぼその一点突破と言える(だからあまり江角をアップにしないほうがいい、と心配になる)。
そういう意味では冬ドラマの「美咲ナンバーワン!!」と同等のドラマだろう。
本作が成立するのは優れた助演陣あってのことで、石原さとみゴローちゃん小日向文世志田未来のアシストは安定感があり、その意味で、香里奈は恵まれていなかった。
テレビドラマの安定感など、本来、何の価値もないと思うが、それがないとテレビドラマというものは成立しないのだ。
石原さとみとの掛け合いはいかにもマンガ的であるが、本作に原作はない。

ネタとしては、解剖率がきわめて低く、病名ではなく症候名にすぎない「心不全」が報道され、明確な死因は不明であることも少なくない日本の現状に警鐘を鳴らすもので、この問題意識を推し進めたものが海堂尊の「チーム・バチスタシリーズ」と言われる(海堂尊作品の背景には、解剖より人的・経済的負担が少ない死亡時画像診断の普及が目論まれている)。新作「アリアドネの弾丸」はどうだろうか(私は海堂尊の小説を読んだことはない)。

第2話は、遺体というか、被害者の母親が朝加真由美だった。同じような役柄で最近見たなと思ったら、「リバウンド」で栗山千明の母親を演じていたのが朝加だった。その際は親権を手離した娘への冷酷さが見ものだったのだが、今回のは普通の母親である。
朝加の削げた顔と演技は冷酷なほうが似合うのだが、「チェイス~国税査察官~」で、ARATAの母親を演じたリリィの冷酷さには負ける。

さて、このドラマには伏線らしきポイントがいくつかある。まず、ゴロちゃんの佐野史郎ラインへの傾斜である。なぜか石原さとみと恋人関係にあって、初話での「目が覚める前に帰ってほしい」という冷たい台詞が、2話の幕切れでもネタにされていた。
二度繰り返されたから、この台詞になんらかの意味があると思うのが普通である。
ゴロちゃんには何か隠された目的があり、それが小日向文世のケータイに届くいやがらせメールと関係があるのだろう。
しかし、メールの発信者は別にいるのだろう。小日向のアル中と手の震えは、脅されていることについてのストレスから来るものと予想する。
次に、石原さとみが通っている書道教室を経営しているのが市毛良枝という設定である。これも単なる偶然の設定とは思われず、後半の展開に影響してくると予想する。
その展開は江角マキコの家族、青木綾平市川亀治郎などにかかわるだろう。
江角の家庭描写は、これまでのところドラマ上あまり意味がないように見えるのだが、後半ではメインのストーリーラインに絡む展開になると予想する。

華和家の四姉妹」第2話では吉瀬美智子のライバルが吉瀬そっくりの髪型をするという話だったが、これは言うまでもなくバーベット・シュローダー(あの「モア」を撮った人だ)の映画「ルームメイト」が原型ならん。「ルームメイト」では、ジェニファー・ジェイソン・リーがだんだんブリジット・フォンダに似てくるのが怖いのだが、実際のところ、他人に髪型を真似される居心地の悪さは、男性には実感しにくい。
本作第3話でも、石原さとみが山崎真実に真似されているのだが(元は岡本美樹という人)、これはホラーではなく、親友への思いという話である。
どちらにせよ、やはり男には実感しにくい話なのだが、実際どうなのだろうか。

第3話では江角マキコの家族の話も、ゴロちゃんのブラックな話も、小日向文世のアル中の話も、進展はなかったが、志田未来にはなんらかの持病があるらしく、食べ放題に行きたいと言って小日向文世に止められていた。そんなに設定増やして大丈夫か。

そうそう、今回印象に残ったのは、江角マキコが、突っ立った石原さとみを両手を上げて大仰に避けて通り抜けるシーンだった。「ブルドクター」のタイトルの由来は牡牛にあるのではなく、「ブルドーザーのようにパワフルに事件を解決する」ということらしいのだが、上記シーンの身のこなしは、江角のこのドラマに対するやる気を感じさせるものだった。

(というところで、視聴は中断された)

ブルドクターのキャスト

主要人物
 大達 珠実 – 江角マキコ
 名倉 潤之助 – 稲垣吾郎
 武田 美亜 – 志田未来
 武田 伸生 – 小日向文世
国立上都大学法医学教室
 松岡 あやめ – さくら
 成海 耕平 – ブラザートム
 八代 健吾 – マギー
 藤村 春輔 – 大野拓朗
 ? – 宮寺智子
 上都大学医学部1年 – 小野明日香、工藤えみ
 立石 – 佐藤一平
 山野 翔 – 永井秀樹
警視庁武蔵警察署
 和泉 浩二 – 池田成志
 神岡 善彦 – 阿南健治
 下平 晃 – 山崎画大
 村田 孝 – 今里真
 雨宮 – 牧野ステテコ
大達家
 大達 高広 – 市川亀治郎
 大達 康介 – 青木綾平
 中川 瑞江 – 市毛良枝

ブルドクターのスタッフ

脚本 – 橋部敦子
音楽 – 梅堀淳、RIKU、榊原大
演出 – 久保田充長沼誠本間美由紀
主題歌 – CHARICE「Far As The Sky」[7](ワーナーミュージック・ジャパン)
医事監修 – 岩瀬博太郎
美術デザイン – 高野雅裕、柳谷雅美
チーププロデューサー – 田中芳樹
プロデューサー – 戸田一也国本雅広大塚英治
制作協力 – ケイファクトリー
製作著作 – 日本テレビ

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