2025年1月3日に日本テレビ系列で21時から22時54分に放送。主演は菊地凛子。脚本はバカリズム。2023年1月期に放送された『ブラッシュアップライフ』の終了後に企画され、同ドラマのスタッフが制作を担当。邸宅に侵入する3人の女を描いたサスペンスドラマ。アジアの優秀な映像作品を選ぶ「ContentAsia Awards 2024」で最優秀賞にあたるゴールド賞を獲得。
侵入者たちの晩餐のあらすじ
とある年の瀬の夜、家事代行サービス会社の社長・奈津美(白石麻衣)が暮らす豪邸に侵入する三人の女・亜希子(菊地凛子)、恵(平岩紙)、香奈恵(吉田羊)。1か月前、奈津美の会社で働いている亜希子は、社長が脱税をしていて自宅に大量の金を溜め込んでいるという噂を同僚から聞いた。常日頃から会社の方針や待遇に不満のあった亜希子は、友人の香奈恵とともに3人で社長の家に侵入し、そのタンス預金を盗み出すことに。首尾良く侵入を果たした三人を予想外の出来事が待ち受けていた。
評価が高すぎる、手がたいドタバタコメディ(侵入者たちの晩餐の感想)
バカリズム物を2本続けて見た。1本は年末放映されて各方面から絶賛されている本作。もう1本はスタートしたばかりの冬ドラマ「 ホットスポット」である。
本作は家事代行会社のスタッフである 菊地凛子が、同僚の 平岩紙、その友人の 吉田羊とともに、会社社長・ 白石麻衣のハワイ旅行中に高級マンションに忍び込む話である。彼女らの目的は脱税している(という噂の)白石のタンス預金を盗み出すことだが、予想外に白石が急に帰宅したり、同じ部屋に空き巣の池松壮亮やコンシェルジュの角田晃広も忍び込んでいたりというドタバタになる。コメディとしてはオーソドックスなもので、バカリズムはオリジナリティも加えて手がたく作劇しているが、あまりに手放しの好評判が多く、どうにも観る側の劣化を感じる。
バカリズムの本領はやはり女性たちの会話劇にあって、噛み合わなさのうちからギャグが浮き彫りになるところがおかしいのだが(本作で言うと、角田晃広がキモいと指弾されるくだり)、「 架空OL日記」で確立されたとおぼしいシスターフッド(共犯者たちの連帯とは違う)がエンディングになっている。
侵入者たちの晩餐のキャスト
主要人物
田中亜希子(家事代行会社「スレーヌ」の清掃スタッフ) – 菊地凛子
小川恵(同僚の料理スタッフ) – 平岩紙
江藤香奈恵(恵のヨガ教室仲間) – 吉田羊
周辺人物
藤崎奈津美(「スレーヌ」CEO、元グラビアアイドル) – 白石麻衣
重松洋介(配達員) – 池松壮亮
毛利貴弘(奈津美が暮らすマンションのコンシェルジュ) – 角田晃広
その他
刑事 – 野間口徹
荒井秀治(香奈恵の元夫) – 勢登健雄
国税局の査察官 – 日下部千太郎
弁護士 – 角南範子
通行人 – 堀丞
アナウンサー – 渡邉結衣(日本テレビアナウンサー)
侵入者たちの晩餐のスタッフ
脚本 – バカリズム
演出 – 水野格
音楽 – fox capture plan
家事代行監修 – 星野八潮子(ミニメイド・サービス株式会社)
鍵監修 – 寺本龍次
ヨガ指導 – 密山礼巳
警察監修 – 大橋菊夫、石坂隆昌
アクションコーディネーター – 柴原孝典
CG – 田中貴志、諸星勲
プロデューサー – 小田玲奈、 榊原真由子、 柴田裕基(AX-ON)、 鈴木香織(AX-ON)
チーフ・プロデューサー – 三上絵里子
企画協力 – マセキ芸能社
制作協力 – AX-ON
製作著作 – 日本テレビ
東京ドラマアウォード2024 単発ドラマ部門 優秀賞
侵入者たちの晩餐を観る
侵入者たちの晩餐を観た人の感想
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他人の内面は、わからないものである。
そんな当たり前のことを、私たちは忘れそうになる。しかし本当に、他人の内面なんて、わからないものなのだ。そこに『侵入者たちの晩餐』のカタルシスがある。
『侵入者たちの晩餐』という面白すぎるドラマをバカリズムはなぜ書くことができたのか(三宅香帆) -
導入はサスペンスでありながら、途中からコントのようなコメディへと変貌していく、このドラマの構造を描いた脚本家としてのバカリズムの筆はノリに乗っている。
『侵入者たちの晩餐』バカリズム脚本の構造に脱帽! “1周目では気付けない”伏線の数々(渡辺彰浩 – REAL SOUND) -
たぶん、バカリズムさんは日ごろから正しさの境界線をあらゆる角度から考察しているのだろう。そして、さまざまな立場の人たちがどんな思考で、どんな正しさを信じていくのか、その道程を想像しているのだろう。
『侵入者たちの晩餐』の感想と最近バカリズムさんに痺れている私の心情(宿木雪樹)