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幸運なひと

多部未華子(幸運なひと) ドラマ
多部未華子(幸運なひと)
2023年3月6日の21時~22時29分にNHK BSプレミアムおよびNHK BS4Kで放送されたテレビドラマ。子どもを持つことを先延ばしにしてきた共働きの夫婦が、夫ががんを患ったことで「命の時間が子どもを授かるタイムリミット」という現実に向き合って、夫婦関係を再構築していく姿を描く。本編終了後に、がんの当事者や家族と、生田や多部が対話するドラマの舞台裏を記録したドキュメンタリー番組が放送された。

実話に基づく「諦めない」話(幸運なひとの感想)

脚本家が自分の体験を投影したドラマで、その夫もまた、肺がんに冒されつつ「俺は運がいい」と言い続けていたそうだ。

マネージャー業をしている多部未華子は作曲家からオーディションを勧められ、念願のプレイヤー側になるチャンスを得る。同時に35歳という年齢に出産のタイムリミットを焦るのだが、それを夫(生田斗真)に相談しようとしたタイミングで罹患を知らされる。

夫婦それぞれに葛藤があり、「できなかったこと」を「できたこと」に変えていくというストーリーは、単に夫を支える闘病ものではなく、仕事のチャンスも子どもも諦めない妻の話であり、強いとかいうより、リアルという言葉が浮かぶ。

幸福なひと 見どころ

がんというテーマを通じて、「生きること」「家族」「仕事」「自己表現」など、現代社会で誰もが直面する課題を丁寧に描く。視聴者の感想や考察を通じて、多くの人々が自らの生き方を見つめ直すきっかけとなるだろう。

  • 見どころ1. 「がんになっても続く日常」を描くリアリズム
    脚本家の吉澤智子さんが、夫のがん闘病経験をもとに、「闘病記」ではなく「がんと共にある日常」を描いている。患者会のシーンでは実際のがん当事者が台本なしで参加した。
  • 見どころ2. 「患者」ではなく「生活者」としての視点
    がん患者を「特別な存在」としてではなく、「普通の生活者」として描くことに重点が置かれた。患者会の参加者が「食べたいものから食べるようになった」と語る場面は、病気と共に生きる人々のリアルな心情である。
  • 見どころ3. 「エゴ=生きる力」というメッセージ
    主人公・拓哉が最後の授業で語る「エゴがないと生きる力なんて湧いてこない」という言葉が心に響く。「わがままをぶつけられる相手に出会えたら、それが幸運なこと」という、ドラマのタイトルにも通じる深いメッセージである。
  • 見どころ4. 「仕事と家族」のバランスに対する問い
    妻・咲良が「夫のために自分の仕事を犠牲にすべきか」と悩む姿が共感を呼ぶ。脚本家自身の経験から、「自分が稼げるプロフェッショナルであることこそが家族を救う」という考えに基づいている。
  • 見どころ5. ドラマとドキュメンタリーの融合
    ドラマ放送後に、制作の舞台裏を描いたドキュメンタリーが放送された。実際のがん当事者の声や、制作陣の思いが伝えられ、フィクションと現実の境界を超えた作品となった。

幸運なひとのあらすじ

中学校の体育教師・松本拓哉(生田斗真)は、突然肺がんの告知を受ける。治療をしなければ余命は半年。妻・咲良(多部未華子)と「子供を持つかどうか」の選択を迫られるが、拓哉は現実を受け入れられず、治療にも子供をもうけることにも前向きになれない。
咲良は音大を卒業後ミュージシャンのマネージャーをしており、ピアニストの道を諦めていたが、プロ入りするチャンスが訪れる。
拓哉は、夢を掴みつつある咲良に嫉妬する自分に当惑し、咲良も「自分の仕事をセーブして夫に尽くすべきか」と悩むが……。

幸運なひとを観るには?

幸運なひとのキャスト

■主要人物
松本拓哉〈36〉 – 生田斗真
松本咲良〈34〉 – 多部未華
■周辺人物
中村昭彦 – 山中崇
吉井理沙 – 西田尚美
松本小百合 – 宮崎美子
山内 – 相島一之
仲澤哉太 – 加藤諒

幸運なひとのスタッフ

作 – 吉澤智子
音楽 – 原摩利彦
演出 – 一木正恵
制作統括 – 上松圭
プロデューサー – 城谷厚司吉永証谷紗耶香
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