エリック・ロメール監督による1986年のフランス映画。原題は「Le Rayon vert」。1986年、ヴェネツィア国際映画祭・金獅子賞受賞作品。「喜劇と格言劇」シリーズ第5作。引用された詩は”Ah,que le temps vienne…Où les cœurs s’éprennent”(ランボー)。
緑の光線のあらすじ
デルフィーヌは20歳前半、恋の理想は高く、昔からの男友達も、新たに現われた男性もなんとなく拒んでしまう。独りぼっちのヴァカンスを何とか実りあるものにしようと胸をときめかせていた。
7月に入って間もなく、一緒にギリシアでヴァカンスを過ごす女ともだちとの約束が急にキャンセルになり、デルフィーヌは途方に暮れる。周囲の人に慰められ、女ともだちのひとりは彼女をシェルブールに誘ってくれたが、シェルブールでは独りで海ばかり見つめていた。8月に入り、山にでかけた彼女はその後再び海へ行き、そこで、太陽が沈む瞬間に放つ緑の光線が幸運の印だという老婦人の話を聞く。
「太陽は赤・黄・青の光を発しているが、青い光が一番波長が長い。だから、太陽が水平線に沈んだ瞬間、青い光線が最後まで残って、それがまわりの黄色と混ざって私たちの目に届く」(ジュール・ヴェルヌ「緑の光線」)
しかし結局、何もなくパリに戻ることにした彼女は、駅の待合室で本を読む青年と知り合うことに。初めて他人と意気投合し、思いがけず自分から青年を散歩に誘うと、海辺を歩く二人の前で、太陽が沈む瞬間の緑の光線が放たれた。
緑の光線の感想
懐かしや、30年ぶりの再見。いや10年ほど前にも放送されたか。ロメールのミューズ、マリエ・リヴィエールが演じるヒロインは、今見ても、まことにめんどくさい女。完璧な「満月の夜」の次に好きな映画だが、映画館で見たときには緑の着色はなかった気がする。
緑の光線のキャスト
マリー・リヴィエール – デルフィーヌ
リサ・エレディア
ヴァンサン・ゴーティエ
ベアトリス・ロマン
緑の光線のスタッフ
製作:マルガレート・メネゴス
監督:エリック・ロメール
脚本:エリック・ロメール
撮影:ソフィー・マンティニュー
音楽:ジャン=ルイ・ヴァレロ
編集:マリア・ルイサ・ガルシア