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ダウト 〜偽りの代償〜の感想
本作は、なんとフリッツ・ラングの「条理ある疑いの彼方に」(1956)のリメイクとのことで、原題も同じ「Beyond a Reasonable Doubt」。
冤罪を証明するために自ら容疑者となって逮捕されるが、無実の証拠を持った仲間が殺され、窮地に陥るというストーリーもほぼ同じ(そのあとのオチも同じ)で、ジョーン・フォンテインが演じた役をファニーフェイスのアンバー・タンブリンが演じる(デ・パルマが好みそうな女優だが、ラングなら使わないだろう)。
ただしこちらはマイケル・ダグラスが悪い検事として登場する(父親そっくりだ)。
わりあい飽きずに見ていられたのだが、容疑者としての信憑性を出すために犯人と同じ装備を揃え、調達した日を示す理由で新聞を掲げながらビデオを撮るという主人公の動きが謎なので、だんだん、ちょっと待てよという感じになる。案の定、それは無実を証明する証拠にはならないとマイケル・ダグラスに喝破されてしまうのだ。最後のオチとの整合性をとるためなのかとも思うが、特に伏線となる描写もなく。
ダウト 〜偽りの代償〜 見どころ
- 予測不能な二転三転のストーリー
「ダウト」(疑い)というタイトルが示す通り、誰が真実を語っているのか、何が真実なのかが最後まで分からない、巧みなストーリーテリングが本作の見どころ。C.J.の計画が進行するにつれて、次々と裏切りやどんでん返しが起こり、観客は常にハラハラドキドキさせられる。 - マイケル・ダグラスの怪演
敏腕検事マーティン・ハンターを演じるのはマイケル・ダグラス。彼の冷徹で計算高い悪役ぶりは圧巻。その圧倒的な存在感と、底知れない不気味さが、主人公を追い詰める説得力となる。 - 「正義」と「真実」の問いかけ
無実を証明するために「犯罪」を犯すという主人公の行動や、検察側の「正義」が本当に正しいのかという倫理的な問いかけがある。法廷の場で何が真実とされるのか、その危うさを描いた。 - スリリングな心理戦と頭脳戦
ジャーナリストのC.J.と検事ハンターの間で繰り広げられる、高度な心理戦と頭脳戦が見どころ。お互いの裏をかき、策略を巡らせる様子に深く引き込まれる。 - オリジナルのリメイクとしての魅力
フリッツ・ラングのオリジナル版とは異なる展開や結末が用意されており、基本プロットは同じでも、現代的な解釈や演出が加えられている。
ダウト 〜偽りの代償〜 あらすじ
若手のテレビ局報道記者であるC.J.ニコラス(ジェシー・メトカーフ)は、無敗の敏腕検事マーティン・ハンター(マイケル・ダグラス)が、証拠を捏造して無実の被告人を刑務所送りにしているのではないかと疑っていた。スクープを狙うC.J.は、ハンターの不正を暴くため、ある危険な計画を立てる。それは、自身が故意に殺人事件の容疑者となり、逮捕されることで、ハンターが証拠を捏造する現場を押さえ、最終的に無実の証拠を出して彼の悪事を暴くという、常識では考えられない大胆なものだった。
しかし、計画は思わぬ方向へ転がっていく。C.J.の目論見に気づいたハンターにより、逆に仕掛けられた罠にはまってしまい、C.J.は本当に絶体絶命の窮地に陥ってしまうのだった。果たしてC.J.は無実を証明し、ハンターの悪事を暴くことができるのか、あるいはその策略に飲み込まれてしまうのか。
ダウト 〜偽りの代償〜を観るには?
ダウト 〜偽りの代償〜のキャスト
エラ・クリスタル: アンバー・タンブリン
マーク・ハンター: マイケル・ダグラス
コリー・フィンリー: ジョエル・デヴィッド・ムーア
ベン・ニッカーソン刑事: オーランド・ジョーンズ
マーチャント警部補: ローレンス・ベロン
ダウト 〜偽りの代償〜のスタッフ
脚本 ピーター・ハイアムズ
原作 ダグラス・モロー『条理ある疑いの彼方に』(オリジナル脚本)
製作 テッド・ハートリー、モシュ・ディアマント、マーク・ダモン
製作総指揮 アラン・ゼマン、コートニー・ソロモン、ローラ・アイヴィ、ステファニー・ケイレブ、アーロン・レイ、マイケル・ヘルファント、ファイサル・S・M・アル・サウード、スティーヴン・サクストン
音楽 デヴィッド・シャイア
撮影 ピーター・ハイアムズ
編集 ジェフ・ガーロ
公開 アメリカ 2009年9月11日
上映時間 105分
ダウト 〜偽りの代償〜のリメイク元「条理ある疑いの彼方に」(1956)
監督:フリッツ・ラング/脚本:ダグラス・モロー/製作:バート・E・フリードロブ/出演:ダナ・アンドリュース、ジョーン・フォンテイン/音楽:ハーシェル・バーク・ギルバート/撮影:ウィリアム・スナイダー/編集:ジーン・ファウラー・ジュニア
作家のトムは死刑廃止論に興味を持ち、仲間のオースティンと組んである実験を行うことに。トム自身が未解決の殺人事件の容疑者となって無実の者が死刑にされることがあることを示そうというのだ。いよいよ逮捕されたトムの裁判が始まるが、その矢先彼が無実である証拠を持っていたオースティンが事故死してしまい、トムの計画は狂ってしまう……
「ダウト 〜偽りの代償〜」は、法廷サスペンスや心理戦、どんでん返しが好きな方には特におすすめの映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。