美人すぎる、最凶のサイコパス(誰もいない森の奥で木は音もなく倒れるの感想)
風邪が抜けず終日ぼんやりしている中で視聴。熱はもう出ていない。
原題は「誰もいない森の奥で」(英題は「frog」)だが、邦題は毎話の冒頭でナレ読みされる(キム・ユンソクの声で)。
ソウルから車で数時間の別荘地を舞台に、例によって21年前と現在(2021年)の事件がモザイク状になっていて、3話目あたりまでは混乱する(このパターンは韓国ドラマに顕著である)。
妻と息子がいるユン・ゲサンは湖を見下ろすモーテルを買い取り、経営は順風満帆だったが、ある雨の日、連続殺人鬼の男を宿泊させてしまう。部屋で凄惨な遺体が発見され、幽霊モーテルという噂が立てられて廃業を余儀なくされて、一家は転落。
一方、キム・ユンソクはソウル企業の役員退職金と銀行の融資を元手に、余命宣告された妻のために貸別荘を建てる。その妻も世を去り、穏やかな日常を過ごしていたが、ある夏、子連れの女性客コ・ミンシが訪れる。彼女が起つ際に子どもの姿が見えないことにユンソクは気づくが、怪しい痕跡を消して黙っていた。
そして1年後、再び一人で現れたコ・ミンシが予約もなく1ヶ月間の滞在を宣言し…という話である。
2000年の連続殺人犯と2021年のイカレ女に、迷惑な客という以外の共通点はないのだが、ユンソクはユン・ゲサンの転落を踏まえて最凶のサイコパスであるコ・ミンシに立ち向かう。
文字通り美人すぎるサイコパスになりきったコ・ミンシの演技は長く記憶に残るものである。くるくる変わる表情と目の動き、すばらしい俊敏さと反射神経。悪巧みとか計画性がまったくない、徹頭徹尾、追いつめられた獣のような悪女である。
誰もいない森の奥で木は音もなく倒れる 見どころ
異なる時代に起きた2つの事件を軸に、人間の心理や社会の闇を描く。哲学的なテーマや緻密なストーリー構成、キャストの熱演などが高く評価されている。ドラマ『夫婦の世界』で知られるモ・ワンイルの演出、脚本はJTBCの新人作家公募展で優秀賞を受賞したソン・ホヨン。新人作家の斬新な視点による作品と言える。主演のキム・ユンソクは17年ぶりの連続ドラマ出演。ユン・ゲサン、コ・ミンシ、イ・ジョンウンなどの実力派俳優たちが熱演している。英語タイトルは当初「Alone in the Woods」とされたが、最終的に「The Frog」に変更された。劇中で重要な意味を持つ「カエル」というモチーフに由来している。
- 見どころ1. タイトルの哲学的意味
タイトルは、18世紀の哲学者ジョージ・バークリーの問い「誰も聞いていない森の中で木が倒れたら、音はするのか?」から。知覚されない出来事は存在しないのか、という認識論的なテーマである。 - 見どころ2. 善悪の曖昧さと社会的制裁
登場人物たちは意図せず事件に巻き込まれ、社会からの非難や偏見に晒される。ク・サンジュンは被害者でありながら、世間から加害者のように扱われ、善悪の境界は曖昧である。 - 見どころ3. 伏線と時系列の交錯
過去と現在の出来事が交錯しており、伏線が巧妙に張り巡らされている。5話以降では過去と現在が交差し、物語の核心に迫る
誰もいない森の奥で木は音もなく倒れるのあらすじ
田舎で貸別荘を経営するヨンハは、ある日、子連れの女性客を受け入れる。翌朝、女性は一人で去り、浴槽から漂白剤の匂いとレコードに血痕を発見。ドライブレコーダーでも女性一人の姿しか確認できず、子どもの行方が不明に。商売に影響することを恐れたヨンハは通報せず、現場を隠蔽する。
一方、町に新所長ユン・ボミンが赴任。20年前の新人時代、モーテル経営者一家が連続殺人事件に巻き込まれ、経済困窮とマスコミ報道で妻が自殺した事件を担当していた。
一年後、ヨンハの娘の婚約挨拶で再び現れた謎の女性ソンア。ヨンハは断ろうとするが、娘に説得され再び客として受け入れることになり、やがて大きな災難へと発展していく…
誰もいない森の奥で木は音もなく倒れるを観るには?
誰もいない森の奥で木は音もなく倒れるのキャスト
チョン・ヨンハ – キム・ユンソク
ク・サンジュン – ユン・ゲサン
ユ・ソンア – コ・ミンシ
ユン・ボミン – イ・ジョンウン