柚木麻子の小説(2012年10月扶桑社刊)を原作として映画化され、2024年12月27日に公開。監督は堤幸彦、主演はのん。主人公の加代子が憧れるホテルとして、2024年2月に全面休館となった「山の上ホテル」で最後に撮影された作品である。なお、原作では現代が舞台となっているが、映画では1980年代に設定が変更されている。文学新人賞を元・人気アイドルと同時受賞したため、ほとんど注目されずデビューの機会も巡ってこない不遇な新人作家・中島加代子が文壇の大御所・東十条らと闘い、時には仲間に取り込みながら、野心に満ちて作家の階段を登っていく姿が描かれる。
私にふさわしいホテルの原作
文学新人賞を受賞した加代子は、憧れの〈小説家〉になれる……はずだったが、同時受賞者は元・人気アイドル。すべての注目をかっさらわれて二年半、依頼もないのに「山の上ホテル」に自腹でカンヅメになった加代子を、大学時代の先輩・遠藤が訪ねてくる。大手出版社に勤める遠藤から、上の階で大御所作家・東十条宗典が執筆中と聞き――。文学史上最も不遇な新人作家の激闘開始!
私にふさわしいホテルの原作を読んだ人の感想
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- 「私にふさわしいホテル」柚木麻子(読書日和)
映画 私にふさわしいホテル
あらすじ
新人賞を受賞した加代子は、大御所の東十条宗典に酷評され華々しいデビューを飾る場を失う。憧れの「山の上ホテル」に宿泊した加代子は、東十条が上階に泊まっていることを知り、大学時代の先輩で編集者の遠藤の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を落とさせることに成功。文壇への返り咲きをねらう加代子と原稿を落とされたことを恨む東十条の対決は、予測不能な方向へ進んでいく。
のんの凄さがじわじわわかってくる仕掛け(映画 私にふさわしいホテルの感想)
柚木麻子の原作は未読だが、不遇な新人作家が文壇でたくましくのし上がっていく痛快裏幕物らしい。
映画は、山の上ホテルの501号室に通されたのん(売れない作家)が、階上の滝藤賢一(老作家)の部屋に乗り込むところから始まり、どうやら原作通りらしいのだが、あまりの下品さに早くもこれはダメかと思わせられる。が、そこには観客を選ぶ挑戦的な計算があるのだろう。
我慢して見続けるうち、私の場合は、橋本愛とのやりとりの後、万引き犯を捕まえるシーンあたりで(いかにも遅い)、ようやく楽しみどころがわかった気になった。
まるで躁病を併発した多動症のようなのんの演技は、とても小説を書く女のように見えないし(そもそもモンブランの持ち方からして怪しげ)、台詞もかなり粗い。閉業寸前の山の上ホテルや銀座CLUB CHICKなどのロケシーンもなぜかカキワリ的で、やはり小説家とか文壇を描いているとは見えないのだが、あえて時代を昭和(80年代半ば)に改変したことによる、鮮やかな七変化ファッション(すばらしく似合っている)を受け入れれば、のんの凄さがじわじわわかってくる仕掛けなのだった。それを表現するには、この原作の映画化がまさに最適だということも。
春ドラマで、のんはいよいよ地上波連ドラに復帰するらしいが、どうなることか。
キャスト
中島加代子(相田大樹→白鳥氷→有森樹李)(新人作家) – のん
遠藤道雄(「小説ばるす」編集者) – 田中圭
東十条宗典(大御所作家) – 滝藤賢一
東十条の家族・関係者
東十条美和子(東十条の娘) – 髙石あかり
東十条千恵子(東十条の妻) – 若村麻由美
明美(クラブ「ジレ」のママ) – 田中みな実
遠藤の家族・関係者
遠藤緑(遠藤の妻) – 広山詞葉
遠藤桜、遠藤楓(遠藤の娘) – 永瀬ゆずな、沢田優乃
ホテルの支配人() – 光石研
その他
有森光来(天才高校生小説家) – 服部樹咲
須藤(カリスマ書店員) – 橋本愛
トレンディー俳優(「ジレ」の常連客) – 橘ケンチ(EXILE)
スタッフ
監督 – 堤幸彦
脚本 – 川尻恵太
原作 – 柚木麻子
製作 – 田代蔦、平部隆明
製作総指揮 – 中村優子
音楽 – 野崎良太(Jazztronik)
主題歌 – 奇妙礼太郎「夢暴ダンス」
撮影 – 唐沢悟
編集 – 伊藤伸行
制作会社 – murmur
製作会社 – 「私にふさわしいホテル」製作委員会
配給 – 日活、KDDI
公開 – 2024年12月27日
上映時間 – 98分
映画 私にふさわしいホテルを観た人の感想
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文豪が愛したホテルの姿を残そうと映画化された?のかはわかりませんが、胸の熱くなる話ですよね。
映画感想『私にふさわしいホテル』のオチが素晴らしい ~独自解釈(ネタバレあり)~(AleJJandro Hiderowsky) -
思っているよりはるかにしょうもない話なのも良かったです。
#23で同じオフィスクレッシェンドなら、大根仁>>>堤幸彦と宣言しましたが撤回します。
堤幸彦の方が全然上です!すみませんでした!!
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