【プレデター:ザ・プレイ】自然描写がきわめて優れている(2020年)
アンバー・ミッドサンダー(プレデター:ザ・プレイ)
1715年のフリントロック銃(ダニー・グローヴァー刑事に長老プレデターが渡した)の伏線が、22年ぶりに回収される。
「1718」というコミックによれば、これはギニア沖でプレデターと戦った海賊ラファエル・アドリーニの戦利品だという。
本作は1719年のグレートプレーンズを舞台にしており、前年にプレデターの手に渡ったはずの銃がなぜまた海賊の手に戻っているのかはわからない。
本作のキャストは概ねネイティブアメリカンで、ヒロインであるコマンチ族の女兵士のアンバー・ミッドサンダーもスー族の一員。
女のため戦士として認めてもらえない彼女は、おりしも飛来したプレデターを追って一人で「試練の狩り」に挑む。preyとは獲物のことだが、プレデターとアンバーの双方を指していると考えられ、はじめてプレデターが狩られるものとして描かれている。
といってもアンバーの武器は綱をつけた斧だけで、勝ち目はまったくない。
しかしそこに白人の海賊が乱入し(この過程でアンバーは上記の銃を手に入れる)、大混戦となったところで、兄の勇者と協力して、運動神経と知恵だけでプレデターを倒すのである。この趣向は初代「プレデター」に近い。
自然描写がきわめて優れているのが本作の特長で、コマンチ族の生活ぶりが結構長いが、あまり退屈することはない。
クマや狼のCGもよくできている。
ただし終盤までアンバーは逃げてばかりで弱すぎる。
戦士として認められようと本気で思ってる?というレベルなので、そこはややストレスであった。
プレデター:ザ・プレイの見どころとトリビア
見どころ
- シリーズで初めての女性主人公。ナルは戦士としての誇りと部族への愛を胸に、プレデターとの過酷な戦いに挑む。アンバー・ミッドサンダーの力強い演技が見どころ
- 『プレデター』シリーズの原点である「狩る者と狩られる者」の構図に立ち返り、シンプルながらも緊張感あふれる物語が展開。過度なCGや複雑な設定を排し、純粋なサバイバルアクションが描かれている
- コマンチ族の文化や言語が丁寧に描かれており、英語版とコマンチ語版の両方が用意されている
見どころ
- 映画全編をコマンチ語で視聴できる初の作品として注目された。キャストが自ら吹き替えを担当している
- プレデターのデザインがより野性的で原始的な外見に刷新。演じたデイン・ディリエグロは、視界がほとんどない状態で演技したという
- 劇中に登場するフリントロック式のピストルは、『プレデター2』でプレデターが人間に渡したものである
プレデター:ザ・プレイのあらすじ
1719年、コマンチ族の若い女性ナルは戦士になることを夢見ていた。愛犬サリーと狩りをしている時、プレデターの宇宙船を目撃。村の戦士がピューマに襲われたため捜索に参加するが、皮を剥がれたバッファローや、グリズリーを殺す透明な怪物プレデターを目撃する。
フランス人の猟師団に捕らえられたナルと兄タアベだが、プレデターがフランス人を襲撃した隙に脱出。プレデターが体温を感知することを見抜いたナルは、体温を下げる薬草を飲んで身を隠す。タアベは妹を守って戦死。
ナルはプレデターのマスクが矢を誘導することを利用し、底なし沼に誘い込んだプレデターに自身の矢を撃たせて倒す。プレデターの頭を戦利品として村に持ち帰り、部族長となった。
プレデター:ザ・プレイを観るには?
プレデター:ザ・プレイのキャスト
タアベ – ダコタ・ビーバース
プレデター – デイン・ディリエグロ
アルカ – ミシェル・スラッシュ
ワサぺ – ストーミー・キップ
ラファエル・アドリーニ – ベネット・テイラー
イッツェ – ハーラン・キートワイト
パアカ – コーヴィン・マック
プレデター:ザ・プレイの作品情報
監督 – ダン・トラクテンバーグ
脚本 – パトリック・アイソン
原案 – ジム・トーマス、ジョン・トーマス
製作 – ジョン・デイヴィス、マーティ・P・ユーイング、ジョン・フォックス、ジェーン・マイヤーズ
音楽 – サラ・シャクナー
撮影 – ジェフ・カッター
編集 – クラウディア・カステッロ
製作会社 – デイヴィスエンターテイメント、20世紀スタジオ
配給 – Hulu (アメリカ)、Star+ (ラテンアメリカ)、Disney+ (アメリカ以外の国)
公開 – 2022年8月5日
上映時間 – 99分