【エイリアンVSプレデター】期待しなかったが意外と面白い(2004年)
サナ・イレサン(エイリアンVSプレデター)
VS物といえば「ゴジラ対キングギドラ」的なお正月映画で、本作も日本では2004年末の公開だった。
ということでまったく期待しないまま見始めたが、これが意外と面白かったのだった。
南極ブーヴェ島で異常な熱反応が検知され、地中に謎の遺跡が存在することが判明する。
ウェイランド社を率いるビショップ・ウェイランド(ランス・ヘンリクセン)は金に物を言わせて、彼が考える最高の発掘チーム(登山家、考古学者、地層学者、採掘業者、ウ社社員、傭兵)を編成する。
ヒロインのサナ・レイサンは登山家で遺跡調査と関係ないのになぜか一番威張っており、調査をやめるべきだとか死人が出るとか言ってリーダーシップを取ろうとする。
「エイリアン」のリプリーと同じ性格ということか。
一行は全滅した捕鯨基地にプレデターが穿った地下道を降り(採掘業者の出番はない)、ピラミッド状の遺跡を発見して中に入って、案の定閉じ込められる。
10分間隔に石壁や天井がパズルのように動くという設定であり、分断され、目覚めたエイリアンが産んだフェイスハガーに次々寄生されていく隊員たち。いつもと違って学者ばかりなので反撃も何もない。
一方プレデターも施設内に入って来ており(捕鯨基地の人間は全員犠牲に)、ヒロイン一行の危機に間に合ってエイリアンとの肉弾戦になる。
ここは最初の見どころでかなりの迫力。このプレデターはプラズマキャノンを装備していない。
アイテムとして神殿に祀ってあったのをサナたちが持ってきてしまったので入手しそこねたのだろう。
考古学者は壁面の記録などを読み、ここがプレデターが成長の儀式を行う闘技場のような物であることがわかる。
いつもならプレデターやエイリアンには名前がないが、この映画でエイリアンは身も蓋もなく「宇宙トカゲ」と命名がされており、大いに興醒めする。ギーガーに謝った方がいいのではないか。
終盤、ついに人間は全員死に、サナとプレデターは共闘を余儀なくされる。
無言で同行しようとするサナに、死んだエイリアンの殻で盾などを作ったり、(今からここを爆破するぞ)と身振りで警告したりするプレデターの親切に驚かぬ者はいまい。
そして最後に兜を外したその素顔は、いつもより少し彫りが深くイケメン仕様になっていた…
二人の協力によりエイリアンは南極海に沈み、サナは勝利の印を顔に付けてもらった。
ところが勝利して帰還するプレデターの体内にはエイリアンの幼虫がいたのである、というヒキを残して本作は終わり。
さて、本作に登場するビショップ・ウェイランド(ややこしいのだが、本作のビショップはマイケルで、「エイリアン2」の人造人間、およひその元となったウェイランドユタニ社の生物兵器研究開発本部長はチャールズと、別人である)は、エイリアンの尾につらぬかれてあっさり殺られてしまう。
ウ社はマイケル父から引き継いだ衛星地図会社を中核にした通信系企業のコングロマリットであり、最先端科学研究の財政的スポンサーだった。しかしマイケルの死によって株価が急落、それを買収した湯谷によりウェイランド・ユタニ社が誕生するという設定になっている。
エイリアンVSプレデターの見どころとトリビア
見どころ
- SF映画界を代表する2大モンスター、エイリアンとプレデターの初の映画対決。それぞれのシリーズで培われた特徴や戦闘スタイルがぶつかり合うシーンはファン必見
- 南極の氷の下に眠る古代ピラミッドという設定が、神秘的でスリリングな雰囲気を醸し出す。プレデターが人類に文明を授けた存在であるという独自の神話設定
- 主人公レックスとプレデターの間に芽生える信頼関係。単なるモンスター同士の戦いだけでなく、人間ドラマとしての深みが
トリビア
- プレデターは100年ごとに地球を訪れ、エイリアンと戦うことで成人の儀式を行っている設定。この儀式のために、エイリアンの卵を地球に持ち込み、人間を宿主として利用している
- ランス・ヘンリクセン演じるチャールズ・ウェイランドは、『エイリアン』シリーズに登場するアンドロイド「ビショップ」のモデルとなった人物という設定
エイリアンVSプレデターのあらすじ
2004年、南極ブーヴェ島で大規模な熱反応が発見される。大富豪ビショップ・ウェイランドは、考古学者で登山家のレックス、考古学者セバスチャン、傭兵マックスらプロフェッショナルチームを編成し、秘密裏に調査へ向かう。
100年前に住民が失踪した捕鯨基地から地下へ降りると、様々な古代文明の特徴を持つ巨大構造物を発見。しかしこれはプレデターが人類に造らせた、エイリアンとの成人儀礼用闘技場だった。調査隊が遺跡を再起動させたことで、冷凍睡眠中のエイリアン・クイーンが目覚め、卵を産み始める。
目覚めたエイリアンに次々と襲われる調査隊。唯一生き残ったレックスは、劣勢のプレデターと共闘し脱出を試みる。
エイリアンVSプレデターを観るには?
エイリアンVSプレデターのキャスト
セバスチャン・ウェルズ – ラウル・ボヴァ
チャールズ・ビショップ・ウェイランド – ランス・ヘンリクセン
グラハム・ミラー – ユエン・ブレムナー
マックス・スタッフォード – コリン・サーモン
マーク・ヴァーヘイデン – トミー・フラナガン
アデル・ルソー – アガト・ドゥ・ラ・ブライユ
トーマス – サム・トラウトン
クイン – カーステン・ノルガード
コナーズ – ジョセフ・ライ
エイリアンVSプレデターの作品情報
脚本 – ポール・W・S・アンダーソン
原案 – ポール・W・S・アンダーソン、ダン・オバノン、ロナルド・シャセット
製作 – ジョン・デイヴィス、ゴードン・キャロル、デヴィッド・ガイラー、ウォルター・ヒル
製作総指揮 – トーマス・M・ハメル、ウィク・ゴッドフリー、マイク・リチャードソン
音楽 – ハラルド・クローサー
撮影 – デヴィッド・ジョンソン
編集 – アレクサンダー・バーナー
製作会社 – デイヴィス・エンターテインメント
配給 – 20世紀フォックス
公開 – アメリカ 2004年8月13日、日本 2004年12月18日
上映時間 – 101分、109分(完全版)