ファイトソング

ファイトソングの感想

清原伽耶の演技を何か過去の軛から逃れようとしているかのように感じるのは「おかえりモネ」の後遺症なのか。どこか遠い表情なのだ。

脚本は岡田惠和で、予告編からどうでも良さそうなコメディと思っていたのだが、清原目当てに見続けたところ、2話目で、和食店でデートした清原伽耶が、初めて見た鹿威しに目を丸くして、「トーン！」と言うシーンにヤラレて、最終話まで清原の表情を追い続けてしまった。

あと藤原さくらに見覚えがあると思ったら、キヨホーヘンだった「ラブソング」（2016）のヒロインだった人ではないか。このキャスティングにも癖がある。

それにしても、「モネ」といい、本作といい、初期の清原果耶は、周囲のフォローであきらめかけている何かに再起する役、言うなれば甘えかされている役を演じることが多かった、と今にして思う。それは美少女ぶりと無縁でないはずだ。

ファイトソング　見どころ

1. 清原果耶の「夢破れたヒロイン」演技
   清原果耶が、空手の夢を諦め、投げやりになりながらも、実は心に熱いものを秘めている花枝を好演。芦田の音楽や慎吾の存在によって、少しずつ自分と向き合い、再び前を向いていく。
2. 間宮祥太朗と菊池風磨の対照的な魅力
   花枝を巡る二人の男性、芦田春樹と夏川慎吾が、それぞれ異なる魅力でドラマを彩る。間宮祥太朗演じる芦田は、天才的な作曲の才能を持ちながら、今は自信を失っているミステリアスな雰囲気。菊池風磨演じる慎吾は、花枝に一途で、どんな時も彼女の味方である、明るく優しい幼馴染。 どちらの「ファイトソング」が花枝の心に響くのか。
3. 「諦めからの再起」というテーマ
   夢を諦めた花枝、ヒット曲を生み出せない芦田、そして花枝への想いを伝えられない慎吾と、それぞれが何かしらの「諦め」や「挫折」を抱えている。彼らが互いに影響し合い、再び「もう一度頑張ろう」と奮闘する姿が勇気を与える。
4. 音楽の力と温かい人間ドラマ
   芦田が作る音楽が重要な役割を果たす。音楽が人々の心を繋ぎ、希望を与える描写は感動的。また花枝が育った児童養護施設の人々や、彼女を取り巻く仲間たちとの温かい人間関係も丁寧に描かれる。
5. 胸キュンとユーモアのバランス
   切ないラブストーリーでありながら、登場人物たちのコミカルなやり取り、クスッと笑えるシーンも多く、全体的に明るいトーン。気軽に楽しめる「胸キュン」要素も満載。

ファイトソング　あらすじ

児童養護施設で育ち、空手の日本代表を目指していたが、ある出来事をきっかけにその夢を諦めてしまった木皿花枝（清原果耶）は、アルバイトをしながら、どこか諦めに似た日々を送っていた。そんな花枝がひょんなことから出会うのが、落ち目のミュージシャン・芦田春樹（間宮祥太朗）。彼の曲を聴くと心が震える花枝は、芦田の音楽に可能性を感じるが、芦田自身はもうヒット曲を作る才能はないと諦めている。花枝には、ずっと昔から彼女を見守り、一途に想いを寄せる幼馴染の夏川慎吾（菊池風磨）がいた。花枝、芦田、慎吾という三角関係が描かれる中で、それぞれが抱える「諦め」や「挫折」を乗り越え、再び夢に向かって「ファイトソング」を歌い出すことができるのかが描かれる。

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