わるいやつらは、『松本清張特別企画・わるいやつら』として、テレビ東京・BSジャパン共同制作により、2001年4月8日にBSジャパン「BSミステリー」(日曜日21:00 – 23:24)で放送。主演は豊川悦司。
わるいやつら(2001年版)
感想
原作は60〜61年の小説新潮連載長編。映像化は意外と遅く、松坂慶子の映画が80年、古谷一行のドラマが85年、本作が2001年、そして2007年に米倉涼子版、直近は2014年の船越英一郎版となっている。
船越版はわからないが、映画と米倉版は原作に比較的近いと思われるのに、本作はかなりアレンジされていて、「金を持っていない女は無価値」と言い切るトヨエツをピカレスクっぽく撮るばかりで、もはやタイトルの「わるいやつら」が誰と誰を指しているのかわからない珍品になっている。
しかも愛人が平岡由里子に十朱幸代、藤真利子、萬田久子と、年増すぎて、いささかグロテスクでさえある。
ほんらい、藤真利子演じるキーパーソン「寺島トヨ美」(トヨだったり豊美だったりする)が、中盤で殺されたはずなのに死んでおらず、親友の弁護士とつるんでいて、しかも弁護士は萬田久子と共謀してトヨエツを陥れる「わるいやつら」だった、というのがこの話の構図である。

萬田久子(わるいやつら)
米倉涼子版のヒロインがこの人物で、全8話もの連ドラにできたのもそれをベースにしているからだ。
ところが本作では、藤真利子はあっさり弁護士(内藤剛志)に殺され、その内藤も萬田久子にも見限られて自殺するという中途半端なクライマックスで、湘南のヨットにトヨエツが大の字になって警察の到着を待つ「太陽がいっぱい」みたいなラストシーンになっている。
めちゃくちゃである。
あらすじ
病院長・戸谷信一(豊川悦司)は愛人関係にある横武たつ子の病気の夫を殺したあげく、邪魔になった彼女も殺害する。その上、共犯者の婦長・寺島トヨ美(藤真利子)を手に掛け、自分の欲望を満たすため、次の犯行を決意する。社会的地位を持ちながら、裏で次々と女を騙し、肉体関係を持っては金を取り上げ、殺していく。やがて、戸谷に訪れる意外な破局とは?色と欲のために計画される恐るべき完全犯罪…。
キャスト
戸谷信一 – 豊川悦司
寺島トヨ美 – 藤真利子
槙村隆子 – 萬田久子
横武たつ子 – 広岡由里子
戸谷慶子 – 杉本彩
羽柴刑事 – 岡本信人
坂口刑事 – 吉田次昭
種田 – ルー大柴
種田の部下 – 丸野保
槙村隆子の秘書 – 葉山レイコ
横武たつ子の弟 – 住若博之
藤島千世の夫 – 村上幹夫
藤島千世の夫の身内 – 染谷勝則
杉田副支店長 – 中島久之
林医師 – 内田健介
浅沼看護婦 – 尾上紫
鈴木良枝 – 服部妙子
下見沢作雄 – 内藤剛志
藤島千世 – 十朱幸代
横武康男 – 千葉茂
寺島トヨ美 – 藤真利子
槙村隆子 – 萬田久子
横武たつ子 – 広岡由里子
戸谷慶子 – 杉本彩
羽柴刑事 – 岡本信人
坂口刑事 – 吉田次昭
種田 – ルー大柴
種田の部下 – 丸野保
槙村隆子の秘書 – 葉山レイコ
横武たつ子の弟 – 住若博之
藤島千世の夫 – 村上幹夫
藤島千世の夫の身内 – 染谷勝則
杉田副支店長 – 中島久之
林医師 – 内田健介
浅沼看護婦 – 尾上紫
鈴木良枝 – 服部妙子
下見沢作雄 – 内藤剛志
藤島千世 – 十朱幸代
横武康男 – 千葉茂
スタッフ
原作 – 松本清張「わるいやつら」
脚本 – 田中晶子
監督 – 松原信吾
音楽 – 岩間南平
技術協力 – 映広、東映化学TOVIC
プロデュース – 不破敏之、小坂一雄
制作 – テレビ東京、BSジャパン、電通音楽出版、レオナ
脚本 – 田中晶子
監督 – 松原信吾
音楽 – 岩間南平
技術協力 – 映広、東映化学TOVIC
プロデュース – 不破敏之、小坂一雄
制作 – テレビ東京、BSジャパン、電通音楽出版、レオナ
わるいやつらを観るには?
わるいやつらの原作(松本清張)
“どのように美しくても、経済力のない女は虫のように無価値だ”医学界の重鎮だった亡父の後を継ぎ、病院長となった32歳の戸谷信一は、熱心に患者を診療することもなく、経営に専心するでもない。病院の経営は苦しく、赤字は増えるばかりだが、彼は苦にしない。穴埋めの金は、女から絞り取ればいい……。色と欲のため、厚い病院の壁の中で計画される恐るべき完全犯罪。

 
  
  
  
  

