と、いうことらしい。出典はこちら。
外国語で交渉、で身構えるS&F社の面々だが、実際の現場ってこんなもの。
爽快な場面であるが、さすがの大前春子も翌日は38.9°Cの発熱。
大泉洋に連れだされて厳寒の屋外で話したせいだが、その大泉も風邪、しかも有休。
ハケンの身になってみないと有休というものの有り難さはわからないだろう。
もっとも、最近の正社員は有休を使えないそうだが(ちょっと前までは、無能な社員ほど有休を使えない、だったが)。
新入社員研修で、社員は家族だという部長の講話に感動したという東海林、「一緒に働くって一緒に生きてくってことだろう?」と春子にのたまうのだが、これはどうも響かない様子。
強引に渡された携帯電話の番号(クルクルパーマのケータイとメモが)も、ゴミ箱にポイッであった。
第5話|カイシャにヒューマニズムはない
毎日居眠りで時間をつぶしている嘱託社員・小松政夫に対して、前半、篠原涼子の評価は厳しい。
大泉洋と小泉孝太郎は、いつものごとく、お前には人間としての情がないのかと正社員の論理をふりかざす。
後半、篠原涼子は考えを変え、小松政夫は会社に残すように働きかける。しかしそれは決して同情によるものではないだろう。
後腐れなく恰好よく会社を去るのはハケンの専売特許、社員は社員らしく、会社にしがみついていてください。
ラスト、自分から契約の更新を辞退することを決意した小松政夫に、篠原涼子がかける言葉である。
この台詞には、日本型のカイシャにおける、ハケンと正社員それぞれの本質が言い当てられている。
今となっては、どちらにとっても不幸であることには違いないわけで、救いのない、ユーウツなドラマであると言える。
ま、しかし、限りなく戦力ゼロに近いくせにそれなりの年収の嘱託社員は、やっぱり早めにカットしたほうがいいやねー。
その追いたて役になるのは、ハケンではなく、社員である。
第6話|大前春子がだんだん人間に
大前春子、いきなり地震予知から話が始まる。ここまでいくとエスパーであるww
どうも、口では一切情を否定しながら、次第に人間関係の暖かさに馴れていく、というのが、ここ何回かのパターンのようである。
あまつさえ、この回で篠原涼子は、マーケティング課の皆が書いたバースデーカードに思わず涙してしまう。
板谷由夏は大泉洋に気がある設定かな。
小泉孝太郎の芝居は、この夏見ていた「崖っぷちのエリー」とまったくおなじである。
この人、3年以上もまったく成長していないのね。。。(^_^;)
第7話|ボスキャラ松方弘樹
しょっぱなは、名刺整理のためと称して、部長と大前春子が名刺でカルタに興じている営業部の風景である。どんだけヒマな会社なんだか。
だがこれはクライマックスの伏線となっていて、大前春子はつねにわざと負けるのである。
ハケンにはメンツも名誉も関係なく、勝負にこだわる理由がない。一方、社員はメンツがすべてなのである。
と書くと江戸時代の武士みたいだけどね。
さて、ドラマはいよいよ佳境へ。
まずは、社内外を問わずと書かれた社内コンペにハケンは参加できるのか、という他愛ない問題から。
大前の能力を見抜き、尊重もしていて、酸いも甘いも噛み分けるキャラとしての松方弘樹がハケンの敵になる、という展開は、さながらボスキャラといったところか。社風に合わないという理由で打ち切という理由で加藤あいの契約を打ち切る、というやり口は最強で、安田顕の一ツ木すら憤慨するほどのものである。
大前春子が剣道で松方弘樹を圧倒するというクライマックスは、唐突で白ける。
それにしても、小泉孝太郎が敵役とヒロインの剣道対決にハラハラする、という構図は、ついこの夏の「崖っぷちのエリー」でも、あった。
あれはわざとだったのかな…
大滝秀二はS&Fの会長か何かかね?
第8回|組織の論理の前にはハケンも社員もない
さて前回の続き。
剣道で負けた桐島部長は、森美雪の契約打ち切りは撤回したものの、自分に逆らい、森を庇った里中主任を営業部に置いておくわけにはいかないと考える。
これは完全に組織の論理であり、ここにいたって、対立軸の両端からは、ハケンでも正社員も消えている(むしろハケンのほうが、こうした環境には対応しやすいと言える)。
組織の前には有能無能も関係ないのであり、大事なのは「話がわかるかどうか」だ(桐島は里中を「言葉が通じない」と断じ、こいつに翻訳してやってくれ」と東海林に言う)。
小笠原を嘱託社員として飼っていられるのも、こうした論理の中にあるからである。
大前春子が冒頭で車の故障になすすべもないのは、この話の中で、もはや出る活躍する場面を失っていることを表す。仕方なく鯖を釣ったりしているのだが、蛇足な感じは否めない。
ついに部長を裏切ってケツをまくってしまう東海林は、どんなに楽天的な展開でも救うことはできないだろう。
契約が切れたハケンは、次の仕事を探すだけだが、組織の論理から外れた社員は、陸にあがった魚も同様である。
第9回| ラストに向けてダレ場。。。
松方弘樹のセリフ「飼い犬に手を噛まれた…」は、東映ヤクザ映画の松方ならではのものである。
小さい男と見せて、さりげない演出であった。
ここまで来るとクライマックスの頂点に当たるので、あとはほとんどブレがない。予定通りの感じである。
もはや大前春子の思わぬ能力がお話の原動力ではないから、登場する資格も犬訓練士と地味で、どちらかというとキャラを壊す方向に。
加藤あいの声まねをしながら大泉洋の電話をとるくだりなど、ミョーに可愛げのあるシーンが増えてきた。
ここへきて、なんで石田ひかりやら那須田透が出て来るのかな。あっ、ゲストか。
ちょっと最終回前のダレ場か、2回で1回分くらいの密度である。
最終話|そして新たなステージへ
最初に「再編集したものです」と出るのは、初回放送では拡大版だったのだろう。
初回と最終回を15分とか30分拡大するコトがいつから始まったのか知らないが、初回はともかく、最終回はヒドイ水増しになっていることが多いからやめたほうがよろしい。
さて、もうハケンはこりごり…と、契約延長を自ら蹴ってしまった加藤あいが最後にすがったのが「紹介予定派遣」。
派遣期間終了後、派遣先に職業紹介することを予定している労働者派遣である。
一般的には、派遣社員として6か月以内働き、会社と合意すれば、直接雇用されるというものである。
もっとも、直接雇用とは必ずしも正社員を意味するわけではなく、アルバイトや契約社員という短期の非正規雇用でも構わない(2009年の調査では正社員56%、契約社員43%、アルバイト1%)。
派遣会社へのマージンを節約するために直接雇用の契約社員に切り替える会社も多い。
同じく2009年の調査によれば、成約率は70%だが、成約しない場合にNGを出している70%はハケン側だという。
ドラマのラストで、大前春子もまた、もはやハケンではなく、ショージ君が所長をしているS&F運輸名古屋営業所(S&Fの子会社)で、契約社員として働くことになるである。
ドラマ「ハケンの品格」は、最終的にハケンの未来を展望することなく、このようにハケンという身分からひき離すことによって終わる。
正社員の成果主義導入については、異論もあり、運用も実際には難しいのだが、当たり前のようだが、契約社員やアルバイトの能力評価に異論を唱える人はいない。つまり「正社員は守られている」。
この最終回では、非正規雇用Vs.正規雇用という次のステージが示されている。
派遣村が話題になった頃、今こそ「ハケンの品格2」を制作するべきという声があがっていたが、たしかに、その後が気になると言えなくもない。
