すぐ死ぬんだからの感想
ファーストインプレッション
72歳の内館牧子とは3歳しか違わない桐野夏生が「魂萌え!」(2004年)を書いたのは50代前半だった(内館は絶対に同作を読んでいると思う)。
精神的危機としての老い自体はとりたてて目新しいモチーフとは言えないが、サスペンスとして先駆的に描いた桐野の慧眼はやはり鋭かったと思わされる。
ただ、「魂萌え!」はドラマ版を高畑淳子、映画版を風吹ジュンが主演したとおり、じつは老いと言っても還暦前のものだった。
平均寿命がさらに延びた本作では、本物の老女である三田佳子がどこまでやるかが見どころになる。
最終回まで観て
どうやら起承転結の転に当たる回を見逃し、三田佳子と余貴美子の対決から死後離婚という言葉が飛び出すくだり、小松政夫の妻子と孫を知って三田が肩を落とすくだりなどを見そこねたことに気がついた。 ←いちばんの見せ場じゃん!
日色ともゑが亡くなるシーンが浮いていたが、抜かさなければ自然だったのかな?
原作は長いらしいので、ドラマ版は駆け足すぎた。
すぐ死ぬんだからのあらすじ
若く見せる努力で、老いを遠ざけて生きる78歳のハナ(三田佳子)が思わぬ人生の転機により再び歩きだす姿を描く。美しさと若さを保ち、10年ぶりの同期会でもさっそうとしていたハナ。今後も若さを保ちながら、幸せな老後を送ると思っていた矢先、夫の岩造(小野武彦)が倒れる。
すぐ死ぬんだからを観るには?
すぐ死ぬんだから キャスト
忍岩造 – 小野武彦
森岩太郎 – 溝端淳平
黒井苺 – 松下由樹
忍雪男 – 村杉蝉之介
忍由美 – 安藤玉恵
黒井和夫 – 田中哲司
ロク – 小松政夫
森薫 – 余貴美子
■その他のキャスト
清美 – 鷲尾真知子
忍いづみ – 中田青渚
忍雅彦 – 室井響
寺本医師 – 山中崇
葬儀社・佐藤 – 有川マコト
ブティック店員 – 真田麻垂美
葬儀社・司会 – 尾倉ケント
編集者 – おおたにまいこ
同期会受付 – 戸村美智子
雅江の息子 – 吉見幸洋
区役所・職員 – 金子清文
落語家 – 立川志の太郎
レストランオーナー – 小林麻子
聡美 – 枝元萌
依子 – 石村みか
拓也 – 箱田暁史
医師 – 阪田マサノブ
折り紙会・吉田 – ミスターちん
折り紙会・由紀子 – 高尾祥子
折り紙会・会員 – 夏目慎也
折り紙会・会員 – 新名基浩
整形外科・太田 – 山岸門人
裁判官 – 吉橋航也
書記官 – 阪口采香
酒店の客 – 鷲尾英明、高野ゆらこ、岸野健太、東海林忠輝
葬儀社・アルバイト – 松本卓也
整形外科・受付 – 片桐美穂
配達員 – 森崎健康
緑の森内科・受付 – 佐々木春香
ウエイトレス – 山中志歩
ロクの孫 – 健人・A
雅江 – 高田敏江
明美 – 日色ともゑ
すぐ死ぬんだから スタッフ
脚本 – 長田育恵
音楽 – 安川午朗
挿入歌 – 越路吹雪『ラストダンスは私に』
制作統括 – 遠藤日登思、小松昌代、髙橋練
プロデューサー – 盛夏子、高橋潤
演出 – 松岡錠司
制作 – NHKエンタープライズ
制作・著作 – アミューズ、NHK
すぐ死ぬんだからの原作
終活なんて一切しない。それより今を楽しまなきゃ。78歳の忍ハナは、60代まではまったく身の回りをかまわなかった。だがある日、実年齢より上に見られて目が覚める。「人は中身よりまず外見を磨かねば」と。仲のいい夫と経営してきた酒屋は息子夫婦に譲っているが、問題は息子の嫁である。自分に手をかけず、貧乏くさくて人前に出せたものではない。それだけが不満の幸せな老後だ。ところが夫が倒れたことから、思いがけない裏を知ることになる――。
「定年」小説『終わった人』に続いて30万部超の大ベストセラーとなった人生100年時代の痛快「終活」小説!
<読者からの声>
2年前に手術を受け、以後は家の中での生活です。何事にも意欲が失せ『すぐ死ぬんだから』状態でしたが、この本に出会って100歳までの人生を考えています。(70代・男性)
『終わった人』も面白かったですが、こちらも一気に読んでしまいました。毒舌が心地よかったです。(50代・女性)
1ページ目から痛快で息も継げませんでした。(70代・女性)
もうすぐ定年ですが、新しい人生への希望と勇気をいただきました。(60代・男性)
つい最近80代になりもう物欲はなしにしようと思っていましたが、本書でますます元気になり明日もショッピングに行こうと考えています。(80代・女性)
ものの見方に光がさしたように感じます。くすんでいる私のはげみになりました。(50代・女性)
重ねた歳は戻せない。でも見た目は変えられる。今日から自分磨きをしよう。(60代・女性)
こんなに楽しい本は久し振りです。(70代・女性)
身につまされるが文句なく面白い!(70代・男性)


