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重力ピエロ

吉高由里子(重力ピエロ) 映画
吉高由里子(重力ピエロ)
重力ピエロは、伊坂幸太郎による日本の小説(2003年4月22日、新潮社刊)を原作とした2009年公開の映画。第1回仙台シネマ認定作品。この物語に引き込まれた方は、ぜひAmazon Prime Videoで本編をぜひご覧ください。

兄弟が美しすぎる。(重力ピエロの感想)

小日向文世鈴木京香 が若く、確かに見覚えのあるこの兄弟は誰だっけなあと思いながら見て、クレジットを見るまで 加瀬亮岡田将生 だと思い至らず、驚いた。
しかも岡田の少年時代は 北村匠海 だったという。美しすぎる。

夏子さん役の 吉高由里子 は、すでに「蛇にピアス」公開後のはずだが、なぜかたどたどしい演技ぶりで、目を引く存在感と不審さがアンバランスすぎ、何かの伏線かと思ってしまうほど。

昨年末から話題になっている脚本家 は、伊坂幸太郎 の原作に惚れ込んで自ら映画化を申し入れたそうだが(伊坂は積極的でなかったという)、微妙にアレンジしたらしく、岡田の行動がやや意味不明になり、ここでも原作キラー呼ばわりする人がいる。

重力ピエロの見どころ

連続放火事件と、その現場に残されるグラフィティアートの謎を追う兄弟と、彼らの複雑な家族の過去が描かれるミステリー。

  1. 伊坂幸太郎の世界観の映像化
    伊坂作品の特徴である緻密な伏線回収、独特の言葉遊び、そして登場人物たちの温かい人間関係が映像化されていて原作ファンも納得のクオリティ。
  2. 「家族」というテーマの深掘り
    血の繋がりだけでなく、共に生きてきた時間や、互いを思いやる気持ちが家族を作るという普遍的なテーマ。レイプによって生まれた弟・春と、それを知ってもなお「産もう」と決断した両親、そして兄の泉水との間に築かれた、歪でありながらも強固で美しい家族の絆。
  3. 俳優陣の素晴らしい演技
    • 加瀬亮: 兄・泉水役を演じ、冷静沈着でありながらも、弟や家族への深い愛情を表現
    • 岡田将生: 弟・春役を演じ、その美しさと、複雑な生い立ちゆえの影、そして純粋な人間性を表現。憂いを帯びた表情が印象的
    • 小日向文世: 何があっても家族を守り、温かく包み込む父親役。「楽しそうに生きていれば、地球の重力なんて消してしまえる」というセリフは本作の重要なメッセージの一つ
    • 鈴木京香: 母親役として、壮絶な過去を背負いながらも、明るく家族を支える姿を演じる
    • 吉高由里子: 春を追いかける謎の美女役で出演
  4. ミステリーとしての面白さ
    連続放火事件の謎、グラフィティアートの意味、そして家族の過去に隠された真実が少しずつ明らかになっていく過程がスリリング。伏線回収の爽快感。
  5. 美しい映像と音楽
    仙台を舞台に、街の風景や自然の美しさが印象的に描かれている。S.R.Sの主題歌「Sometimes」が、物語の余韻を深める。

トリビア・撮影裏話

  • 伊坂幸太郎が在住している仙台が物語の舞台。撮影も全面的に仙台で行われた。東北大学や宮城県美術館など、地元の場所が多数登場した
  • 小日向文世は、若かりし日の父親を演じるためにウィッグを着用
  • 劇中で強い絆で結ばれた兄弟を演じた加瀬亮と岡田将生は、撮影中も一緒に食事に行くなどして親交を深めた
  • 吉高由里子は脚本を読んだ際「水面みたい」という印象を持ったそう。「水面みたいに、なんか揺れてる感じ。底は見えないのに、自分の姿だけは(水面に)映ってるというか」
  • 泉水が所属する大学院の研究室のシーンでは、東北大学大学院医学系研究科 発生発達神経科学分野(大隅研究室)が撮影協力し、実際の研究室のメンバーがエキストラとして出演したり、小道具の準備に協力した

重力ピエロの人物相関図

重力ピエロ あらすじ

泉水と春は、優しい父と亡き母の愛情に包まれて育った仲の良い兄弟だった。大学院生の兄・泉水が遺伝子の研究をする一方、弟・春は街中で落書き消しの仕事をしている。彼らが暮らす仙台市内は、頻発する連続放火事件に揺れていた。そんなある日、春は放火現場の近くに必ず謎のグラフィティアートが描かれていることに気づく。そして、事件との繋がりを直感した春は、泉水を誘って夜の街で張り込みを開始する。

重力ピエロを見るには?

重力ピエロのキャスト

奥野泉水 – 加瀬亮
奥野春 – 岡田将生
奥野正志 – 小日向文世
奥野梨江子 – 鈴木京香
夏子 – 吉高由里子
山内 – 岡田義徳
葛城由紀夫 – 渡部篤郎

重力ピエロのスタッフ

監督:森淳一
企画・脚本:相沢友子
原作:『重力ピエロ』 伊坂幸太郎
エグゼクティブプロデューサー:豊島雅郎
プロデューサー:荒木美也子守屋圭一郎
音楽:渡辺善太郎
撮影:林淳一郎
美術:花谷秀文
編集:三條知生
照明:中村裕樹
録音:藤本賢一
装飾:山下順弘
衣装:長田久美
企画・配給:アスミック・エース

『重力ピエロ』は、ミステリーとしての面白さに加え、家族のあり方や人間の「信じる」ことの尊さを描いた映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。

Amazon Prime Videoなら、手軽に視聴できます。

重力ピエロの原作

重力ピエロ (新潮文庫)


兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。
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