Cleaning Up(イギリス版)の感想
英ITVのドラマで話数は6話と短め。
ヒロインのシェリダン・スミスは証券会社のオフィスで清掃員をしており、生活が苦しいので金持ちの豪邸清掃なども掛け持ちしている。事務の仕事に転職したいのだがダンサーくずれでホワイトカラーの仕事経験がないためままならず、おまけにギャンブル依存症。娘二人を養うシンママで、愛想を尽かして出て行った夫が家賃を払い続けており、それも打ち切られることが決まっているし、借金の差し押さえの危機も迫る。ところが清掃の合間にふとしたことから一攫千金のインサイダー情報を知ることとなり…というストーリー。
なんと言ってもシェリダンのクズっぷりがよくて、ちょっとでも金を持っているとすぐにスロットでスってしまう。夫の母親が孫娘のプレゼントを買ってと渡した小遣いなども次の瞬間にはスクラッチくじ20枚に化ける。その他、入ってくるはずの金が半分になったり、思わぬ口止め料が発生したりして、見ている側はヒリヒリした焦りを共有するのだが、それでも娘思いの母親であり、根は悪気がないフツーの中年女だから感情移入せざるを得ない。
テレビ放映で2話ずつ見ているのだが、4話まで来てかなり盛り上がっているところ。来週の最終回が楽しみである。
Cleaning Up 見どころ
ロンドンの金融街・カナリーワーフで、夜勤のオフィス清掃員・サムが、偶然耳にした株式インサイダー情報を使って“裏道”で家庭の借金を返そうと手を染めるという物語である。
- 階層を越えた“境界線を越える行動”
サムは零時間契約の清掃員。上流世界から「見えない存在」として日常に溶けこむ彼女が、その目線から得た情報を使って反撃を始めるという展開に、社会構造を揺るがす痛快さがある。「無視される存在が、賢く立ち上がる」姿は、視聴者にとっても応援したくなる魅力的な構造。 - シェリダン・スミスの自然体で力強い演技
* 清掃とギャンブルで追い詰められるヒロイン・サムを演じたスミスは“完璧でないヒーロー像”をリアルに体現している。ガーディアン誌では「彼女が≪全編の魂≫」と高評価。 - リアルと茶目っ気の同居による軽快なテンポ
展開は多少荒唐無稽だが、サムと仲間・ジェス(清掃仲間)の「共同犯行準備」にユーモアが交じり、緊張感と軽やかさが共存。ロットン・トマトでは「silliness is enjoyable」と評価され、“ちょっとクサいけど憎めない犯罪劇”として愛される土壌を作っている。 - ギャンブル依存・借金問題などリアルな困難の背景
サムはギャンブル依存で、借金取りから狙われるなど現代の“家庭崩壊に直結するリスク”を抱える。この“二重バリア”を突破するための行動が、ただのスリルではなくヒューマンドラマとしての重みを持たせている。 - 脚本の説得力と中盤以降の描き切り感
はじめはややスロースタートだが、次第に小さな勝利と「背後の圧力」が積み重なり、クライマックスに向かうにつれ展開は説得力が増す。メタ批評では「完璧ではないけど、視聴者を引き込む脚本」と評価している。
Cleaning Upのあらすじ
ロンドン郊外に暮らすサムは2人の娘を持つ母親で非正規雇用の清掃員。苦しい生活にもかかわらずギャンブルに手を出し借金を重ねていた。そのせいで家庭は何かと問題づくし。娘たちの親権を別居中の夫に取られまいと日々の生活を維持するのに必死だ。そんな時、職場で株のインサイダー取引が行われているのを知り、サムは大金を得ようと危険な賭けに打って出る。したたかなインサイダーたちを相手に違法な行為に身を投じるサム。それは自身の大切なものを失いかねない危うさをはらんでいた。果たしてサムはこの危険な賭けに勝つことができるのか?そして彼女はギャンブル依存症を克服し人生を立て直すことができるのだろうか?
Cleaning Up(イギリス版)を観るには?
Cleaning Up(イギリス版)のキャスト
シェリダン・スミス、ジェイド・アノウカ、クリスティ・フィリップス、ドク・ブラウン 他
Cleaning Up(イギリス版)のスタッフ
プロデューサー:ジェーン・フェザーストーン
監督・演出:ルイス・アーノルド、ロバート・マキロップ
脚本:マーク・マーロー