積木くずしシリーズの構成
穂積隆信の体験記『積木くずし~親と子の二百日戦争』(1982年桐原書店刊)などを原作として、本作以前に以下の映像化作品がある。
- 積木くずし 〜親と子の200日戦争〜(ドラマ、1983年2月15日-3月29日)
- 積木くずし(映画、1983年11月3日公開。東宝企画製作)
- 積木くずし崩壊、そして…(ドラマ、1994年4月5日19:03-21:48)
- 積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜(ドラマ、2005年9月2日・3日21:00-22:54)
最初のドラマは関東地区で最終回の視聴率が45.3%、関西地区で34.6%と、1977年以降の民放連ドラで歴代1位を記録。ヒットを受けて映画版『積木くずし』が東宝系列で公開された。さらに1984年3月には東宝制作により舞台版が上演。1985年にもドラマ続編が決定していたが、由香里が覚醒剤取締法違反で逮捕され、個人事務所が閉鎖されるなどの影響で制作は白紙化(代替作品は「’85年型家族あわせ」)。
原作は、ある日突然不良少女となった実娘・穂積由香里との200日間の葛藤を描いて国内300万部を記録、続編『積木くずし あとさき悩める親からのアドバイス』『積木 その後の娘と私たち』『積木くずし(続)』『積木くずし崩壊 そして…』『由香里の死 そして愛 積木くずし終章』が出版された。その間、複数回の由香里の補導、穂積の妻との離婚など波乱は続き、由香里は後に大麻所持の容疑で再逮捕された。穂積は「積木くずし」関連の仕事や講演が急増し、1983年に印税で悩める青少年向けの無料相談所を開設。
2004年の実質的な完結篇『由香里の死 そして愛 積木くずし終章』には明らかにされていなかった真実が記され、これをもとにドラマ「積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜」が放映。
さらなる後日談『積木くずし 最終章』(2012年3月、駒草出版)が発表され、同年にドラマ化された。
実写化された作品は、すべてが「実話をベースにしたフィクション」として扱われ、登場人物名・状況設定などは作品ごとに異なる。
映像化された積木くずし
積木くずし 〜親と子の200日戦争〜(ドラマ、1983年2月15日-3月29日)
積木くずし 〜親と子の200日戦争〜のキャスト
穂高信彦 – 前田吟
穂高三枝子 – 小川真由美
竹村宏 – 古谷一行
三枝子の友人 – 弓恵子
マミ – 牛山蕗子
他校の不良少女 – 鈴木真代
不良の上級生 – 村野仁美
暴走族仲間 – 吉田葉子、丸山千景、桜井ゆうこ、町田真一
浩二 – 川原田新一
中学校教師 – 大石吾朗
中学校校長 – 真田健一郎
少年課刑事 – 久富惟晴
少年課々長 – 横沢裕一
穂高のマネージャー – 住吉正博
刑事 – 常泉忠通
家裁判事 – 糸博
家裁調査員 – 川野耕司
三枝子の主治医 – 灰地順
三枝子の母親 – 本間文子
信彦の母親 – 滝奈保栄
島倉千代子 – 島倉千代子
積木くずし 〜親と子の200日戦争〜のスタッフ
積木くずし(映画、1983年11月3日公開。東宝企画製作)
積木くずし(映画)のキャスト
穂波美知江 – いしだあゆみ
穂波由布子 – 渡辺典子
竹田潔 – 林隆三
少年相談室事務員 – 和気喜和子
河野 – 三谷昇
高介の知人 – 森川正太
高介の知人 – 磯村みどり
よしこ – 二宮さよ子
土肥たか子 – 風見章子
のり子 – 須藤由香
笹原明子 – 有元瑞枝
笹原咲枝 – 稲野和子
直美 – 玉木弓子
直美の仲間 – 井上結花子、加藤茂雄、星野浩司
浩太郎 – 荒川亮
三郎 – 館川喜年
森山峰子 – 杉浦一恵
原宿の少女 – 川島光代
K町中学のツッパリ – 武石明美、相沢真由美、中村ゆきの、佐々木なおみ、瀬野かおり
中村 – 河原崎長一郎
中村由美 – 弓恵子
河野 – 井上昭文
宇沢医師 – 坂部文昭
K町中学校校長 – 高原駿雄
K町中学校担任・須川 – 菅貫太郎
A坂中学校校長 – 和崎俊哉
A坂中学校担任・佐伯 – 大林丈史
私立明生中学校校長 – 矢島高人
仙北中学校校長 – 横沢祐一
渋谷署警部補 – 勝部演之
酒巻 – 佐藤仁哉
赤坂署巡査 – 下川辰平
積木くずし(映画)のスタッフ
積木くずし(映画)を観る
積木くずし(映画)の予告映像
積木くずし崩壊、そして…(ドラマ、1994年4月5日19:03-21:48)
積木くずし崩壊、そして…のキャスト
積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜(ドラマ、2005年9月2日・3日21:00-22:54)
積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜のキャスト
稲場 朋美 – 安達祐実
稲場 静子 – 杉田かおる
石塚 智子 – 鷲尾真知子
田宮 光子 – 木村多江
谷口 透 – 平山広行
緑川 サチ – 財前直見
高橋 順 – 武田鉄矢
杉原 憲一 – 藤木直人
野間 俊一 – 中井貴一(特別出演)
クマちゃん – 佐藤二朗
あゆみ – 金子さやか
郁子 – 久保田磨希
森山 – 阪田マサノブ
丸谷 – ほあししんいち
レポーター – 梨元勝
遠山俊也、藤田宗久、出光秀一郎、尾野真千子、ちすん、古本新之輔、天現寺竜、松元ヒロ、森康子、松山尚子 ほか
積木くずし真相 〜あの家族、その後の悲劇〜のスタッフ
原作:穂積隆信「由香里の死 そして愛 積木くずし終章」
脚本:矢島正雄
演出:林徹
音楽:石田勝範
アクションコーディネイター:諸鍛冶裕太、橋口未和
医療指導:宮坂勝之
技術協力:ナックイメージテクノロジー
スタジオ:東京メディアシティ
プロデューサー:栗原美和子、吉田由二
制作著作:フジテレビジョン、スイート・ベイジル
積木くずし 最終章
積木くずし 最終章の感想
7冊も続編が出た原作も読んだことがないし、最終回視聴率45%という不倒の記録を生んだ高部知子のドラマも見ていないのだが、どうも続編が出るたびに最初から語り直されているものなのか、本作は1956年の穂積夫婦のなれそめから始まる。穂積隆信を演じているのは中村雅俊だが、青年期から老年期までそのままなので、中村が本当は何歳なのかわからなくなる(あとで見たら放映は2012年)。
穂積隆信という人は70年代におそろしく大量の映画やテレビドラマに出まくっていた人だし、「積木くずし」は社会的ブームとなって印税や映像化権料などもかなり得たはずだが、それら及び別荘などを売り飛ばした金を、悪徳会計士と妻が持ち逃げしたことが本作で明かされている。
しかしながら、そのへんの事情の詳細や、穂積由香利(本作では成海璃子が演じる)が実際にナイトクラブ「積木の家」を経営していたり、ヌードになったり、結婚して離婚したりした経緯は、本作を見てもよくわからないようになっている(そもそも由香利はアメリカ留学などもしていて、本作で描かれている娘とは人物像が一致しない)。
本作では介護福祉士として働きはじめる寸前に亡くなったことになっているが(2005年の安達祐実版ドラマの設定を引き継いでいる)、それも実際は違うらしい(?)。
由香利の父親が誰なのかという問題も結局よくわからないままである。
特に映像化されたものはすべてフィクションと銘打っているので、重要と思われる部分が曖昧なまま、「私たち家族にとって『積木くずし』とは何だったのか」というお化けみたいな話にまとめられているのが、非常に気持ち悪い。
積木くずし 最終章のキャスト
安住灯 – 成海璃子
椎名祥子 – 石野真子
黒沼善久 – 袴田吉彦
菊池紗織 – 横山めぐみ
佐竹省三 – 上川隆也(友情出演)
白石博志 – 柴俊夫
安住美希子 – 高島礼子
喫茶店経営者 – 立石涼子
宮下弁護士 – 菅田俊
大山 – 穂積隆信
新人俳優達 – 松下洸平、中山優貴、松島庄汰
灯の担任教師 – 鳴海剛
吉本 – 奥田達士
積木くずし 最終章のスタッフ
脚本 – 酒井雅秋
演出 – 村上正典
介護指導 – 高井豊
法律監修 – 中島博之
警察監修 – 伊藤鋼一
医療監修 – 佐々木理恵
スタントコーディネイター – 釼持誠
技術協力 – バスク
美術協力 – アックス
スタジオ – 砧スタジオ
プロデューサー – 吉田由二、森安彩
編成プロデュース – 水野綾子
制作 – フジテレビ
制作著作 – スイート・ベイジル、共同テレビ